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道路の下を通っている水道管から、家まで水を引くよね。
断水せずに穴を開けるって、どうやるの?
この記事の要点
サドル付分水栓は、配水管を断水させずに給水管を取り出すための給水用具です。管に取り付けてから、その内側を穿孔機で開けます。
穿孔ドリルは配水管の内面仕様で使い分けます。モルタルライニング管は先端角118度、内面エポキシ樹脂粉体塗装管は90〜100度です。
この割り当てを入れ替えた肢が、令和3年・6年・7年と3年続けて誤りとして出題されています。
配水管に穴を開けるとき、水は止めません。
先に分水栓を管へ取り付け、その弁の内側からドリルを入れて穿孔します。だから断水せずに分岐できます。
資料では、分岐に使う給水用具として次のように示されています。
給水装置標準計画・施工方法 3.1 給水管の取出し(国土交通省)
分岐には、配水管等の管種及び口径並びに給水管の口径に応じたサドル付分水栓、分水栓、割T字管又はチーズ、T字管を用いること。
場所には決まりがあります。
分岐は配水管等の直管部からです。異形管や継手は構造上、給水用具を的確に取り付けることが困難で、材料の使用上も分岐してはならないとされています。
取り出したあとの埋設深さと占用位置も、道路管理者の指示に従います。
消火用の水道直結式スプリンクラー設備も、この分岐から取り出した給水管につながります。
まず配水管等の外面に付着している土砂を、必要により外面被覆材とともに除去して清掃します。
取付けではゴムパッキン等が十分な水密性を保持できるよう入念に行います。
ボルトの締め付けは、必ず平均して締め付けます。片締めすると分水栓の移動やゴムパッキン等の変形を招くおそれがあります。
なお非金属管に分水栓を取り付ける場合は、配水管等の折損防止のためサドルを使用します。分水栓のもみ込むねじ山数は、漏水防止等を考慮して3山以上必要です。
配水管の内面仕様が違うからです。
| 配水管の内面仕様 | ドリルの先端角 |
|---|---|
| モルタルライニング管 | 118° |
| 内面エポキシ樹脂粉体塗装管 | 90°〜100°(ねじれ角20°〜30°) |
間違えたときの症状も記録されています。
モルタルライニング用の先端角118°のドリルを内面エポキシ樹脂粉体塗装管に使用すると、エポキシ樹脂が切粉にならず膜が破れた状態となり、その膜が通水後に徐々に穿孔箇所をふさいで、数日後に出水不良になります。
逆向きの併用も禁物です。エポキシ樹脂ライニング用のドリルは、一回でもモルタルライニングに使用すると切刃が摩耗するため、研磨し直さない限りエポキシ樹脂ライニング管に使用してはならないとされています。
摩耗したドリル及びカッターは、管のライニング材のめくれや剥離を生じやすいので使用してはなりません。
切り口の金属がむき出しになるので、防食の措置をします。
同 3.9.3 侵食防止 4.防食工 3)管内面の防食工
鋳鉄管及び鋼管からの取出しでサドル付分水栓等により分岐、穿孔した通水口には、防食コアを挿入するなど適切な防錆措置を施すこと。
入れるのは防食コアです。塗るのではありません。
サドル付分水栓そのものの外面防食は別で、ポリエチレンシートを使用して全体を覆うように包み込み、粘着テープ等で確実に密着・固定します。
配水管をポリエチレンスリーブで被覆する場合、スリーブの折り曲げは管頂部に重ね部分(三重部)がくるようにします。土砂の埋め戻し時の影響を避けるためです。
公表された正答と照らすと、繰り返し誤りとして出ている形が見えます。
| 誤りとして出た記述 | 出題年度 |
|---|---|
| 先端角を「モルタル90〜100°/エポキシ118°」と逆にする | 令和3年・6年・7年 |
| 穿孔箇所に「防錆剤を塗布する」とする | 令和7年 |
| 取付け前の確認で「弁体が全閉状態になっているか」とする | 令和元年・3年・6年 |
| 排水用ホースの先端を「下水溝に直接接続し確実に排水する」とする | 令和3年 |
逆に、次の記述は正しい肢として出ています。
サドル付分水栓は何をするための給水用具か。
分岐可能な配水管や給水管から、断水させずに給水管を取り出すための給水用具です。分水栓や割T字管も同じ用途で使われます。
穿孔ドリルの先端角を、配水管の内面仕様ごとに答えよ。
モルタルライニング管が118°、内面エポキシ樹脂粉体塗装管が90°〜100°です。過去問はこの割り当てを入れ替えた肢を繰り返し出しています。
118°のドリルをエポキシ樹脂粉体塗装管に使うと何が起きるか。
エポキシ樹脂が切粉にならず膜が破れた状態になり、その膜が通水後に徐々に穿孔箇所をふさいで数日後に出水不良になります。
穿孔した通水口にはどんな措置を施すか。
鋳鉄管および鋼管からの取出しでは、防食コアを挿入するなど適切な防錆措置を施します。「防錆剤を塗布する」とした肢は誤りです。
分岐の位置について守るべき距離と場所は。
他の給水管の分岐位置から30cm以上、維持管理を考慮して配水管等の継手端面からも30cm以上離します。分岐は直管部から行い、異形管および継手からは分岐しません。
> 穿孔後に確認する水質項目は残留塩素を確認する
> 分岐した先の配管で守る寸法は給水管の配管工事の留意事項にまとめています
> 使う材料を誰が指定するのかは給水管及び給水用具の選定で扱っています
> 管そのものの性質と継手形式はダクタイル鋳鉄管で扱っています
使用する給水用具・工法・防食材は水道事業者が指定していることが多く、配水管からの分岐以降水道メーターまでは特に指定されています。実際の施工では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が33問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの33問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置の概要
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
先端角の割り当ては、覚え違いのまま何年も過ごしやすい箇所です。
鋭い刃(90〜100°)が新しいエポキシ樹脂粉体塗装管、鈍い刃(118°)が従来のモルタルライニング管です。樹脂の膜をきれいに切るには鋭い刃が要る、と結びつけてください。
穿孔後の措置も同じで、塗るのではなく入れるのが正解です。防食コアを挿入します。