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寒い場所に付ける給水用具は、全部この基準が要るのだと思っていました。
保持時間も24時間だったか1時間だったか迷います。
この記事の要点
耐寒性能基準は寒冷地仕様かどうかの判断基準です。凍結のおそれがある場所の給水用具がすべて満たす必要はありません。
試験は零下20度±2度で1時間保持します。24時間とした肢が令和元年に誤りとして出ています。
凍結防止の方法は水抜きに限定しません。限定しているとした肢が2年度で誤りです。
耐寒性能基準は令和元年・3年・6年の3年度で出ています。同じ論点が形を変えて繰り返されています。
試験の条件と、どこまでが対象かを図で押さえます。
かかりません。寒冷地仕様かどうかを判断するための基準です。
国土交通省「耐寒性能基準」(解説)1.適用対象
耐寒性能基準は寒冷地仕様の給水用具か否かの判断基準であり、凍結のおそれがある場所において設置される給水用具がすべてこの基準を満たしていなければならないわけではない。なお、凍結のおそれがある場所においてこの基準を満たしていない給水用具を設置する場合は、別途、断熱材で被覆するなどの凍結防止措置を講じなければならない。
「凍結のおそれがある場所において設置される給水用具はすべてこの基準を満たしていなければならない」とした肢は、令和3年と令和6年のどちらも誤りです。
令和元年は「すべてこの基準を満たしていなければならないわけではない」と正しい形で出ています。同じ論点を、正しい形と誤りの形の両方で出してきます。
基準を満たさない給水用具を使ってはいけない、という意味ではありません。使うなら別の方法で凍結を防ぎます。
零下20度±2度で1時間保持し、そのあと通水します。
給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号)第6条(耐寒に関する基準)
屋外で気温が著しく低下しやすい場所その他凍結のおそれのある場所に設置されている給水装置のうち減圧弁、逃し弁、逆止弁、空気弁及び電磁弁(給水用具の内部に備え付けられているものを除く。以下「弁類」という。)にあっては、(中略)耐久性能試験により十万回の開閉操作を繰り返し、かつ、(中略)耐寒性能試験により零下二〇度プラスマイナス二度の温度で一時間保持した後通水したとき、それ以外の給水装置にあっては、耐寒性能試験により零下二〇度プラスマイナス二度の温度で一時間保持した後通水したとき、(後略)
「零下20度プラスマイナス2度の温度で24時間保持」とした肢は、令和元年に誤りとして出ています。条文は1時間です。
通水のしかたにも幅があり、ヒーター等により加熱して解凍してもよく、吐水するまでの時間も制限されていません。
器具の中まで冷えるのに十分だからです。
同(解説)2.試験条件
低温での保持時間は、給水用具内部の温度を直接測定することは困難であり、試験室内の温度を零下20度プラスマイナス2度とした後1時間たてば、給水用具内部の温度も十分この温度に達すると考えられることから、1時間を採用した。零下20度プラスマイナス2度という試験温度は、寒冷地における冬季の最低気温を想定したものである。
温度のほうも根拠があり、寒冷地における冬季の最低気温を想定した値です。
湯水混合水栓等で、同一の仕様の凍結防止機構が水側と湯側に付いている場合は、いずれか一方で試験を行えばよいとされています。この記述は令和6年に正しい肢として出ています。
水抜きに限定しません。以前は限定していました。
同(解説)1.適用対象
また、型式承認基準においては、適用できる凍結防止方法を最も確実な機械的な水抜きに限定してきた。しかしながら、構造が複雑で水抜きが必ずしも容易でない給水用具等においては、例えば通水時にヒータで加熱する等種々の凍結防止方法の選択肢が考えられることから、耐寒性能基準においては、凍結防止の方法は水抜きに限定しないこととした。
「凍結防止の方法は水抜きに限定している」とした肢は、令和3年と令和6年のどちらも誤りです。限定していたのは古い型式承認基準のほうです。
令和元年はこちらも「水抜きに限定しないこととしている」と正しい形で出ました。保持時間の1時間も、令和3年と令和6年には正しい形で出ています。
4つの性能です。浸出性能は入りません。
同(解説)3.判定基準
低温に暴露した後確認すべき性能基準項目から浸出性能を除いたのは、低温暴露により材質等が変化することは考えられず、浸出性能に変化が生じることはないと考えられることによる。
確認するのは耐圧性能、水撃限界性能、逆流防止性能及び負圧破壊性能です。この理由の説明は令和元年と令和3年に正しい肢として出ています。
浸出性能そのものについては浸出性能基準で扱っています。
両方を行います。順序は問われません。
耐久性能と耐寒性能が同時に求められる給水用具では、10万回の開閉操作と低温暴露を行ったのち、当該給水用具に求められる性能を有すればよいとされています。
解説は「なお、10万回の開閉操作と低温暴露の順序は問わない」と書き添えています。10万回の開閉そのものは耐久性能基準の話です。
| 誤りとして出た記述 | 出題年度 | 正しくは |
|---|---|---|
| 零下20度±2度の温度で24時間保持 | 令和元年 | 1時間保持 |
| 凍結のおそれがある場所の給水用具はすべてこの基準を満たしていなければならない | 令和3年・令和6年 | すべて満たす必要はない |
| 凍結防止の方法は水抜きに限定している | 令和3年・令和6年 | 水抜きに限定しない |
凍結のおそれがある場所の給水用具は、すべて耐寒性能基準を満たす必要があるか。
ありません。寒冷地仕様かどうかの判断基準で、満たさないものを設置する場合は断熱材で被覆するなどの凍結防止措置を講じます。
耐寒性能試験の温度と保持時間は。
零下20度プラスマイナス2度で1時間です。24時間とした肢は令和元年に誤りとして出題されています。
凍結防止の方法は水抜きに限られるか。
限られません。限定していたのは型式承認基準で、耐寒性能基準では限定しないこととされています。
低温に暴露した後に確認しない性能はどれか。
浸出性能です。低温暴露により材質等が変化するとは考えられないためです。
湯水混合水栓の耐寒性能試験はどう行うか。
同一の仕様の凍結防止機構が水側と湯側に付いている場合は、いずれか一方で行えばよいとされています。
> 弁類の凍結対策そのものは給水管の配管工事の留意事項の高温・低温を避ける決まりとあわせて読めます
寒冷地での具体的な凍結防止の方法や、必要な埋設深さは地域と水道事業者ごとに定められています。実務では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が6問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの6問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置の構造及び性能
給水装置の概要
給水装置施工管理法
給水装置工事事務論
水道行政
まちがえやすいポイント
3年度とも、聞かれているのは同じ3点です。
保持は1時間、対象はすべてではない、凍結防止は水抜きに限定しない。この3つを裏返した肢が並びます。
「限定している」が古い型式承認基準の話だと知っていると、限定しないのほうが現行だと迷わず選べます。