令和6年度 学科試験1 問22は、給水装置の構造及び材質の基準に関する省令に定める耐寒性能基準及び耐寒性能試験に関する問題です。4つの記述の正誤の組み合わせから、適当なものを1つ選びます。
誤りはアとイです。どちらも範囲を狭めて言い切っています。
凍結防止の方法は水抜きに限定していません。また、凍結のおそれがある場所の給水用具がすべてこの基準を満たす必要もありません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 給水工事技術振興財団が公開している過去5年間の試験問題で確認できます。
正解:選択肢1(ア=誤/イ=誤/ウ=正/エ=正)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 凍結防止の方法は水抜きに限定していません。通水時にヒータで加熱する等の方法も選択できます |
| 2 | ×(誤り) | 凍結のおそれがある場所の給水用具がすべてこの基準を満たす必要はありません。満たさないものを設置する場合は別途、断熱材で被覆するなどの凍結防止措置を講じます |
| 3 | ○(正しい) | 耐寒性能試験により零下20度±2度で1時間保持した後に通水し、耐圧性能・水撃限界性能・逆流防止性能及び負圧破壊性能を有することを確認します |
| 4 | ○(正しい) | 湯水混合水栓で同一の仕様の凍結防止機構が水側と湯側についている場合は、いずれか一方で行えばよいとされます |
基準の解説が、限定しないことを明記しています。
耐寒性能基準の解説(凍結防止の方法)
また、型式承認基準においては、適用できる凍結防止方法を最も確実な機械的な水抜きに限定してきた。しかしながら、構造が複雑で水抜きが必ずしも容易でない給水用具等においては、例えば通水時にヒータで加熱する等種々の凍結防止方法の選択肢が考えられることから、耐寒性能基準においては、凍結防止の方法は水抜きに限定しないこととした。
アは改正前の姿を書いています。水抜きに限定していたのは型式承認基準の時代です。この肢は令和3年と令和6年のどちらも誤りでした。
耐寒性能基準の解説(適用の範囲)
耐寒性能基準は寒冷地仕様の給水用具か否かの判断基準であり、凍結のおそれがある場所において設置される給水用具がすべてこの基準を満たしていなければならないわけではない。なお、凍結のおそれがある場所においてこの基準を満たしていない給水用具を設置する場合は、別途、断熱材で被覆するなどの凍結防止措置を講じなければならない。
同じ論点を、正しい形と誤りの形の両方で出してきます。令和元年は「すべて満たしていなければならないわけではない」と正しい形で出ており、令和3年と令和6年は「すべて満たしていなければならない」と言い切って誤りでした。
この基準で覚える3つを並べます。どれも裏返した肢が出ます。
| 正しい形 | 誤りとして出た書き換え |
|---|---|
| 保持は零下20度±2度で1時間 | 24時間(令和元年) |
| 凍結のおそれがある場所の給水用具がすべて満たす必要はない | すべて満たしていなければならない(令和3年・令和6年) |
| 凍結防止の方法は水抜きに限定しない | 水抜きに限定している(令和3年・令和6年) |
1時間という保持時間には理由があります。給水用具内部の温度を直接測定するのは困難で、試験室内を零下20度±2度にしてから1時間たてば内部の温度も十分この温度に達すると考えられるためです。
詳細は耐寒性能基準とは?零下20度で1時間・すべての給水用具にはかからないで扱っています。
凍結防止の方法は水抜きに限られるか。
限られません。通水時にヒータで加熱する等の方法も選択できます。水抜きに限定しているとした肢は令和3年と令和6年のどちらも誤りでした。
凍結のおそれがある場所の給水用具はすべて耐寒性能基準を満たす必要があるか。
ありません。寒冷地仕様かどうかの判断基準で、満たさないものを設置する場合は断熱材で被覆するなどの凍結防止措置を講じます。
耐寒性能試験の温度と保持時間は。
零下20度プラスマイナス2度で1時間です。24時間とした肢は令和元年に誤りとして出題されています。
> 給水装置の構造及び性能のほかの論点は給水装置の構造及び性能のカテゴリにまとめています
法令・基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省およびe-Gov法令検索でご確認ください。給水装置の設置条件や施工方法は水道事業者ごとの基準によります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月