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主任技術者って、工事の間ずっと現場にいなきゃいけないのかな。
職務の範囲がどこまでなのか、条文で見たい。
この記事の要点
職務は水道法に4つあり、その四号「国土交通省令で定める職務」の中身が施行規則第23条の連絡調整3つです。
配水管との接続工事や道路下の配管工事に必ず立ち会う義務はありません。法が立会いを定めているのは、水道事業者が行う検査のときだけです。
事前調査、材料の確認、従事者の健康状態の管理は職務に入ります。技術的能力の評価と報告は入りません。
職務は2段になっています。
法に4つ並び、その4つ目が省令へ飛びます。飛んだ先が水道事業者との連絡調整です。
4つです。
水道法 第25条の4第3項
給水装置工事主任技術者は、次に掲げる職務を誠実に行わなければならない。
一 給水装置工事に関する技術上の管理
二 給水装置工事に従事する者の技術上の指導監督
三 給水装置工事に係る給水装置の構造及び材質が第十六条の規定に基づく政令で定める基準に適合していることの確認
四 その他国土交通省令で定める職務
同じ条の第4項で、給水装置工事に従事する者は主任技術者がその職務として行う指導に従わなければならないと定められています。
三号の確認は「政令で定める基準」に対して行います。この三号をそのまま述べた記述は、令和7年に正しい肢として出ています。
誰が選任して誰に届け出るかは職務とは別の話です。主任技術者の選任と指名で条文から整理しています。
四号の中身は、水道事業者との連絡調整です。
水道法施行規則 第23条(給水装置工事主任技術者の職務)
法第二十五条の四第三項第四号の国土交通省令で定める給水装置工事主任技術者の職務は、水道事業者の給水区域において施行する給水装置工事に関し、当該水道事業者と次の各号に掲げる連絡又は調整を行うこととする。
一 配水管から分岐して給水管を設ける工事を施行しようとする場合における配水管の位置の確認に関する連絡調整
二 第三十六条第一項第二号に掲げる工事に係る工法、工期その他の工事上の条件に関する連絡調整
三 給水装置工事(第十三条に規定する給水装置の軽微な変更を除く。)を完了した旨の連絡
二号は条番号で別の条を引いています。飛び先の第36条第1項第2号に書かれている工事は、配水管から分岐して給水管を設ける工事及び給水装置の配水管への取付口から水道メーターまでの工事です。
三号は完了の連絡ですが、給水装置の軽微な変更は対象から除かれています。同じ除外は工事記録の作成と保存にもあります。
配水管の布設位置の確認に関する連絡調整と、工事を完了した旨の連絡は、令和元年にどちらも職務に該当するものとして出ています。
工法や工期は、事業者側にも守るべき基準があります。施行規則第36条第3号は、あらかじめ当該水道事業者の承認を受けた工法、工期その他の工事上の条件に適合するように工事を施行することを求めています。
「公道下の配管工事について工事の時期、時間帯、工事方法等をあらかじめ水道事業者から確認を受ける」とした記述は、令和4年に正しい肢として出ています。
ありません。
「配水管と給水管の接続工事や道路下の配管工事については、必ず現場に立ち会い施行上の指導監督を行わなければならない」とした肢は、令和元年と令和6年の2年度とも誤りとして出ています。
法が立会いという言葉を使っているのは1か所だけです。
水道法 第25条の9(給水装置工事主任技術者の立会い)
水道事業者は、第十七条第一項の規定による給水装置の検査を行うときは、当該給水装置に係る給水装置工事を施行した指定給水装置工事事業者に対し、当該給水装置工事を施行した事業所に係る給水装置工事主任技術者を検査に立ち会わせることを求めることができる。
主語は水道事業者で、しかも求めることができるという書き方です。工事のたびに主任技術者が現場に張り付くことを求めた条文ではありません。
「検査にあたり、水道事業者の求めに応じて検査に立ち会う」とした記述は、令和元年に正しい肢として出ています。
では現場に置くのは誰かというと、施行規則第36条第2号が定めています。配水管から分岐して給水管を設ける工事と、取付口から水道メーターまでの工事では、配水管や他の地下埋設物に異常を生じさせないよう適切に作業を行うことができる技能を有する者を従事させ、又はその者に他の者を実施に監督させることになっています。
主任技術者の位置づけは、平成9年の通知が給水装置工事の技術上の総括者と書いています。作業そのものに立ち会う者としては定められていません。
現場と、手続きの両方です。
現場側は地形や地質だけでは足りません。「地形、地質はもとより既存の地下埋設物の状況等について、十分調査を行わなければならない」とした記述は、令和元年に正しい肢として出ています。
手続き側は法令の調べものが入ります。「必要となる官公署等の手続きを漏れなく確実に行うことができるように、水道事業者の供給規程のほか関係法令等も調べる必要がある」とした記述は、令和元年と令和6年の2年度で正しい肢として出ています。
調べる対象に供給規程が入っている点が独特です。水道事業者ごとに中身が違うためです。
基準に適合しないものは使えません。
「基準に適合していない場合でも、現場の状況に合ったものを使用することができる」とした肢は、令和4年に誤りとして出ています。
法第25条の4第3項第三号が、構造及び材質の基準への適合を確認することを職務にしているためです。適合しない材料を使えば、確認のしようがありません。
「使用できない理由を明確にして施主に説明しなければならない」とした記述は、令和元年に正しい肢として出ています。
その材料が基準に適合しているかどうかの調べ方は、自己認証と第三者認証にまとめています。
します。理由は水道水の汚染を防ぐためです。
「工事従事者の安全を確保し、労働災害の防止に努めるとともに、水系感染症に注意して水道水を汚染しないよう、工事従事者の健康状態を管理しなければならない」とした記述は、令和元年・令和4年・令和6年の3年度で正しい肢として出ています。
労働災害の防止と、水系感染症による汚染の防止が同じ文に並んでいます。工事の安全と水質が地続きだという整理です。
一方で、同じ「人を見る」話でも職務に入らないものがあります。「現場ごとに従事者の技術的能力の評価を行い、指定給水装置工事事業者に報告しなければならない」とした肢は、令和元年に誤りとして出ています。
法にあるのは技術上の指導監督で、能力を採点して会社へ報告することではありません。
水道法が定める主任技術者の職務を4つ挙げよ。
技術上の管理、従事する者の技術上の指導監督、構造及び材質が政令で定める基準に適合していることの確認、その他国土交通省令で定める職務です。これらを誠実に行わなければなりません。
施行規則第23条が定める職務の中身は何か。
水道事業者との連絡又は調整で、配水管の位置の確認、工法・工期その他の工事上の条件、工事を完了した旨の連絡の3つです。完了の連絡からは給水装置の軽微な変更が除かれます。
配水管と給水管の接続工事に、主任技術者は必ず立ち会わなければならないか。
必ず立ち会えという規定はなく、そのように述べた肢は令和元年と令和6年に誤りとして出ています。法が立会いを定めているのは、水道事業者が行う給水装置の検査のときだけです。
施主から基準に適合しない給水用具を指定されたらどうするか。
使用できない理由を明確にして施主に説明します。現場の状況に合っていても、基準に適合しないものは使えません。
従事者について、職務に入るものと入らないものは何か。
技術上の指導監督と、労働災害や水系感染症を防ぐための健康状態の管理は入ります。技術的能力を評価して指定給水装置工事事業者へ報告することは入りません。
> 誰を選んで誰に届け出るのかは主任技術者の選任と指名で条文から整理しています
工事の着手前に必要な協議や届出の様式は、水道事業者ごとに定められています。実務では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が19問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの19問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置の概要
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
「必ず」「常に」が付いた記述は、条文に戻ると根拠が見つからないことがあります。
立会いを定めた条文は法第25条の9だけで、対象は水道事業者が行う検査です。接続工事や道路下の配管工事に必ず立ち会えという規定は、法にも施行規則にもありません。
職務に入るものと入らないものの線引きも狙われます。健康状態の管理は入り、技術的能力の評価と報告は入りません。