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水道技術管理者って、主任技術者と何が違うんだろう。
台帳を作るという話も出てきて、範囲が見えない。
この記事の要点
水道技術管理者は水道事業者が1人置くもので、水道法第19条第2項の9つの事務に従事します。
作るのは水道施設の台帳です。「予算・決算台帳」とした肢は令和3年に誤りでした。
給水開始前の検査は配水施設以外の水道施設又は配水池が対象です。「配水施設を含む」とした肢は令和5年に誤りです。
9つの事務のうち、差し替えられるのは決まった2か所です。
どれも条文に条番号つきで並んでいるので、元の条を見れば判断できます。
水道事業者です。1人と決まっています。
水道法 第19条第1項
水道事業者は、水道の管理について技術上の業務を担当させるため、水道技術管理者一人を置かなければならない。ただし、自ら水道技術管理者となることを妨げない。
担当するのは水道の管理について技術上の業務です。経営や会計ではありません。
ただし書で、水道事業者が自ら水道技術管理者となることも認められています。
9つあり、他の職員を監督する立場でもあります。
同 第19条第2項(柱書)
水道技術管理者は、次に掲げる事項に関する事務に従事し、及びこれらの事務に従事する他の職員を監督しなければならない。
| 号 | 事務 |
|---|---|
| 一 | 水道施設が第5条の施設基準に適合しているかどうかの検査(第22条の2第2項の点検を含む) |
| 二 | 第13条第1項の規定による水質検査及び施設検査 |
| 三 | 給水装置の構造及び材質が第16条の政令で定める基準に適合しているかどうかの検査 |
| 四〜六 | 第20条第1項の水質検査/第21条第1項の健康診断/第22条の衛生上の措置 |
| 七 | 第22条の3第1項の台帳の作成 |
| 八・九 | 第23条第1項の給水の緊急停止/第37条前段の給水停止 |
検査・水質・衛生・停止と、技術と安全に関わるものが並びます。
なかでも三号の給水装置の基準適合検査は、令和3年から令和6年までの4年度とも正しい肢として出ています。令和6年は「この事務に従事する他の職員を監督しなければならない」まで含めた形でした。
水道施設の台帳です。
同 第22条の3(水道施設台帳)
水道事業者は、水道施設の台帳を作成し、これを保管しなければならない。
「水道事業の予算・決算台帳の作成に関する事務」とした肢は、令和3年に誤りとして出ています。
七号が指しているのは第22条の3第1項なので、中身は水道施設の台帳に限られます。
令和5年は同じ論点を「水道施設の台帳の作成に関する事務」と書いており、こちらは正しい肢です。
配水施設は入りません。
同 第13条第1項(給水開始前の届出及び検査)
水道事業者は、配水施設以外の水道施設又は配水池を新設し、増設し、又は改造した場合において、その新設、増設又は改造に係る施設を使用して給水を開始しようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣にその旨を届け出て、かつ、環境省令の定めるところにより水質検査を行い、及び国土交通省令の定めるところにより施設検査を行わなければならない。
対象は配水施設以外の水道施設又は配水池です。配水池だけが名指しで加えられています。
「配水施設を含む水道施設を新設し、増設し、又は改造した場合」とした肢は、令和5年に誤りとして出ています。
令和3年は同じ文を「配水施設以外の水道施設又は配水池」と書いており、正しい肢でした。
検査の記録は水質検査と同じく5年間の保存が必要です(同条第2項)。水道施設の区分もあわせて押さえます。
政令で定められています。
同 第19条第3項
水道技術管理者は、政令で定める資格(当該水道事業者が地方公共団体である場合にあつては、当該資格を参酌して当該地方公共団体の条例で定める資格)を有する者でなければならない。
その政令が施行令第7条です。学校で修めた課程と水道に関する技術上の実務経験の年数の組み合わせで定められています。
土木工学科等を卒業した場合は3年・5年・7年以上、それ以外の工学・理学・農学・医学・薬学の課程では4年・6年・8年以上と、学校の区分ごとに年数が変わります。
学歴によらない道もあり、10年以上水道に関する技術上の実務に従事した経験を有する者も資格に含まれます。
水道事業者が地方公共団体の場合は、この資格を参酌して条例で定めます。
置く人も、見る範囲も違います。
| 水道技術管理者 | 給水装置工事主任技術者 | |
|---|---|---|
| 置く人 | 水道事業者 | 指定給水装置工事事業者 |
| 根拠 | 法第19条 | 法第25条の4 |
| 人数 | 1人 | 事業所ごとに選任 |
水道技術管理者は水道施設と水質の側を、主任技術者は給水装置工事の側を担当します。
ただし三号のとおり、水道技術管理者も給水装置の構造及び材質の基準適合の検査には関わります。給水装置に一切触れないわけではありません。
水道事業者の側にはもう一人、水道施設をつくる工事のほうを見る立場がいます。布設工事の監督業務を行う者です。
水道法 第12条(技術者による布設工事の監督)
水道事業者は、水道の布設工事(当該水道事業者が地方公共団体である場合にあつては、当該地方公共団体の条例で定める水道の布設工事に限る。)を自ら施行し、又は他人に施行させる場合においては、その職員を指名し、又は第三者に委嘱して、その工事の施行に関する技術上の監督業務を行わせなければならない。
2 前項の業務を行う者は、政令で定める資格(当該水道事業者が地方公共団体である場合にあつては、当該資格を参酌して当該地方公共団体の条例で定める資格)を有する者でなければならない。
自ら施行する場合も他人に施行させる場合も、監督業務を行わせる義務があります。あてるのはその職員を指名するか、第三者に委嘱するかのどちらかです。
この条文をそのまま書いた肢が令和3年 問9で正しい肢として出ています。布設工事は水道施設が対象なので、給水装置工事とは別の工事です。
水道技術管理者は誰が何人置くか。
水道事業者が1人置きます。水道事業者が自ら水道技術管理者となることもできます。
作成に従事するのは何の台帳か。
水道施設の台帳です(法第22条の3第1項)。「予算・決算台帳」とした肢は令和3年に誤りでした。
給水開始前の水質検査・施設検査の対象はどこか。
配水施設以外の水道施設又は配水池です。「配水施設を含む」とした肢は令和5年に誤りでした。
水道技術管理者は給水装置に関わるか。
関わります。給水装置の構造及び材質が基準に適合しているかどうかの検査が三号に挙げられています。
資格はどう定められているか。
政令(施行令第7条)で、学校の課程と実務経験年数の組み合わせ、または10年以上の実務経験として定められています。地方公共団体はこれを参酌して条例で定めます。
> 工事側の技術者は主任技術者の職務、事業者の指定は指定給水装置工事事業者の指定と更新で扱っています
水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管されました。令和5年以前の出題にある省庁名は現行と異なる場合があります。
解説の中でこの記事を参照している過去問が6問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの6問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
水道行政
給水装置工事事務論
給水装置の構造及び性能
給水装置の概要
給水装置施工管理法
まちがえやすいポイント
9つの事務はどれも条番号つきなので、条を見れば範囲が決まります。
台帳は水道施設の台帳、給水開始前の検査は配水施設以外。この2か所だけが差し替えられています。
予算や決算は技術上の業務ではありません。第19条第1項が担当を「技術上の業務」と限っています。