T
水道法の主任技術者とは別に、建設業法の主任技術者が出てくる。
この資格が実務でどう使えるのかも気になる。
この記事の要点
監理技術者を置くのは、発注者から直接請け負った特定建設業者です。
金額の基準は政令にあり、出題当時から改正されています。
給水装置工事主任技術者は、免状の交付を受けた後1年で管工事業の技術者になれます。
水道法の主任技術者と、建設業法の主任技術者は別のものです。
ここを混ぜると条文が読めなくなります。
原則は主任技術者です。
建設業法 第26条第1項・第2項(抜粋)
建設業者は、その請け負つた建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。
2 発注者から直接建設工事を請け負つた特定建設業者は、当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が二以上あるときは、それらの請負代金の額の総額)が第三条第一項第二号の政令で定める金額以上になる場合においては、前項の規定にかかわらず、(中略)監理技術者を置かなければならない。
令和元年には、この条文の「特定建設業者」「監理技術者」を空欄にした穴埋め問題が出ています。
置くのは発注者から直接請け負った特定建設業者です。下請けとして入った業者ではありません。
令和4年は、この2人の職務を「工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理、その他の技術上の管理や工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行う者」とした肢が正しい肢として出ています。
許可を出すのは、2以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣、1つの都道府県だけなら当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事です(法第3条第1項)。これを「本店のある管轄の都道府県知事」とした肢は令和4年に誤りでした。
政令で定める軽微な建設工事だけを請け負う者は、許可が要りません。令和4年は建築一式工事1,500万円未満か延べ面積150m²未満の木造住宅、それ以外は500万円未満という形で正しい肢に使われています。
5,000万円です。
建設業法施行令 第2条
法第三条第一項第二号の政令で定める金額は、五千万円とする。ただし、同項の許可を受けようとする建設業が建築工事業である場合においては、八千万円とする。
令和元年の問題では4,000万円が正しい選択肢でした。金額は法律ではなく政令にあり、その後に改正されています。
古い問題集の数字をそのまま覚えると、現行の値とずれます。条文に「政令で定める金額」と書いてある項目は、改正を疑ってください。
金額の基準がもう1つあります。
建設業法施行令 第27条第1項(抜粋)
法第二十六条第三項の政令で定める重要な建設工事は、次の各号のいずれかに該当する建設工事で工事一件の請負代金の額が四千五百万円(当該建設工事が建築一式工事である場合にあつては、九千万円)以上のものとする。
対象は国又は地方公共団体が注文者である施設や、学校・病院・共同住宅などの多数の者が利用する施設です。
監理技術者を置く基準(5,000万円)と、専任が必要な基準(4,500万円)は別の政令の条にあります。混同しやすいところです。
なれます。ただし条件があります。
建設業法施行規則 第7条の3 第2号の表「管工事業」五
水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第二十五条の五第一項の規定による給水装置工事主任技術者免状の交付を受けた後管工事に関し一年以上実務の経験を有する者
令和3年には、これを「給水装置工事主任技術者試験に合格した後、管工事に関し1年以上の実務経験を有する者」として、誤りの肢が作られています。
規則が求めているのは免状の交付を受けた後の1年です。試験に合格しただけでは起算されません。
免状の交付については指定給水装置工事事業者の指定と更新でも触れています。
同じ表に6つ並んでいます。
| 号 | 資格と必要な実務経験 |
|---|---|
| 一 | 管工事施工管理の1級又は2級の第二次検定に合格(実務経験の上乗せなし) |
| 二 | 技術士の第二次試験のうち機械部門(一部の選択科目)、上下水道部門、衛生工学部門、総合技術監理部門(一部) |
| 三 | 技能検定(建築板金・冷凍空気調和機器施工・配管)の1級。2級は実務3年 |
| 四 | 建築設備士となった後 実務1年 |
| 五 | 給水装置工事主任技術者免状の交付を受けた後 実務1年 |
| 六 | 登録計装試験に合格した後 実務1年 |
技術士の部門、建築設備士の1年、登録計装試験の1年は、令和3年にいずれも正しい肢として出ています。
現行の条文は「営業所技術者」です。
建設業法第7条第2号は、営業所ごとに置く者を営業所技術者と呼んでいます。過去問では「専任技術者」と書かれていますが、指しているものは同じです。
試験対策としては、営業所に置くのが営業所技術者、工事現場に置くのが主任技術者・監理技術者と押さえてください。
監理技術者を置かなければならないのは誰か。
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者です。下請契約の請負代金の総額が政令で定める金額以上になる場合に置きます。
その政令で定める金額は現在いくらか。
5,000万円で、建築工事業の場合は8,000万円です。令和元年の出題時は4,000万円でした。
給水装置工事主任技術者が管工事業の技術者になる要件は。
免状の交付を受けた後、管工事に関し1年以上の実務経験です。試験に合格した後ではありません。
管工事業で認められる技術士の部門は。
上下水道部門、衛生工学部門などです。機械部門と総合技術監理部門は選択科目に限りがあります。
専任の主任技術者・監理技術者が必要な金額はいくらか。
工事一件の請負代金が4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)です。監理技術者を置く基準とは別の条にあります。
> 水道法側の職務は主任技術者の職務で扱っています
金額や資格要件は改正されます。最新の内容は建設業法・同施行令・同施行規則の本文をご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が10問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの10問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
水道行政
給水装置の構造及び性能
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
給水装置の概要
まちがえやすいポイント
水道法の給水装置工事主任技術者と、建設業法の主任技術者は別の制度です。
水道法のほうは主任技術者の選任と指名で扱っています。
金額は政令にあるので改正されます。「4,000万円」で覚えていると、いまの値とずれます。