給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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直結給水システムの計画・設計とは?逆流防止に吸排気弁は出てこない

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逆流防止の器具名が並ぶと、どれが正しいのか迷います。

吸排気弁も水抜き栓も、それらしく見えてしまいます。

この記事の要点

算定するのは同時使用水量です。一日使用水量とした肢が令和6年に誤りとして出ています。

末端給水用具の直近上流側に吸排気弁や水抜き栓を設置するとした肢は、3年度で誤りです。

階高4階程度以上は基本的に直結増圧式ですが、配水管の水圧に余力があれば直結直圧式でも給水できます。

直結給水システムの計画・設計は令和元年・5年・6年・7年の4年度で出ています。計画論のなかでも定位置の論点です。

問われるのは手順と器具名なので、その2つを図で押さえます。

直結給水システムの計画・設計で問われる点を整理した図。左は計画・設計の順序で、水道事業者の基準に従い3階建以上は事前協議から施工まで基準どおりに行うこと、同時使用水量を算定し一日使用水量ではないこと、給水管の口径とポンプ揚程を決め末端最高位の給水用具に余裕水頭を加えた高さを確保すること、階高4階程度以上は基本的に直結増圧式だが配水管の水圧に余力があれば直結直圧式でもよいことを示している。右は逆流防止措置の器具で、各戸検針用の水道メーターは前又は後に逆止弁を設置するのが正しく、末端給水用具の直近上流側に吸排気弁や水抜き栓を設置すること、立て配管の最上部に空気弁を設置することは誤りとして出たこと、配水管側・建物内・末端給水用具のそれぞれに措置を講じることを示している。
手順は事業者の基準から。器具名は差し替えて出される。※公表された正答から、正誤の分かれ目を整理した図。

計画・設計は何から始めるのか

水道事業者の基準を見ることからです。

給水システムの計画・設計は、当該水道事業者の直結給水システムの基準に従い、同時使用水量の算定、給水管の口径決定、ポンプ揚程の決定等を行います。この記述は令和元年と令和7年に正しい肢として出ています。

令和6年には、3階建以上の建物へ直結給水を行う場合は、事前協議から給水装置の設計・施工までを基準等に従って行うという記述も正しい肢として出ました。

既設建物を受水槽式から直結式に切り替える工事では、当該水道事業者の担当部署に建物規模や給水計画等の情報を持参して協議します。これも令和元年と令和5年に正しい肢です。

算定するのは一日使用水量か

違います。同時使用水量です。

給水装置標準計画・施工方法 2.4 給水管の口径の決定 3.直結増圧式給水における口径決定

直結増圧式給水の場合には、増圧給水設備や取り出し給水管の給水能力が、建物内の使用水量の変動と直接的に影響し合うことから、口径の決定にあたっては、使用実態に沿った同時使用水量を的確に把握する必要がある。

令和6年は「算定した一日使用水量が給水装置に流れたとき、その末端最高位の給水用具に一定の余裕水頭を加えた高さまで水位を確保する能力」として出ていて、誤りです。

同じ文が令和元年には一日使用水量という語を含まない形で出ていて、そちらは正しい肢でした。語がひとつ足されただけで誤りになります。

何階から直結増圧式になるのか

4階程度以上が基本です。ただし例外があります。

直結給水システムにおける対象建築物の階高が4階程度以上の給水形態は、基本的には直結増圧式給水です。

ただし配水管の水圧等に余力がある場合は、直結直圧式で給水することができます。この記述は令和3年と令和5年に、どちらも正しい肢として出ています。

令和3年は給水方式の決定を問う問題のなかで、「特例として直結直圧式で給水することができる」という形でした。

標準計画も、直結直圧式は各水道事業者で定める配水管の水圧及び給水高さの範囲で水理計算上可能なものに適用するとしていて、範囲は逐次拡大されています。

ポンプユニットは直列か並列か

どちらもあります。

直結加圧形ポンプユニット1台では給水が不可能な大規模な集合住宅等への給水形態は、複数のユニットを直列又は並列に設置します。この記述は令和6年に正しい肢として出ています。

高層階への給水形態としてユニットを直列に設置するという記述も、令和5年に正しい肢として出ました。設備そのものは直結加圧形ポンプユニットで扱っています。

逆流防止措置はどこに講じるのか

3か所です。ひとつではありません。

直結給水システムの逆流防止措置については、配水管側への逆流防止、建物内の逆流防止、末端給水用具の逆流防止のそれぞれに対応した措置を講ずる必要があります。この記述は令和6年に正しい肢として出ています。

建物の高層階へ直結給水する場合は、配水管の事故等により負圧発生の確率が高くなることから、逆流防止措置を講じます。令和5年の正しい肢です。

集合住宅で各戸検針用の水道メーターを設置する場合は、逆流防止措置として水道メーターの前又は後に逆止弁を設置します。令和7年の正しい肢です。

末端に付けるのは何か

吸排気弁ではありません。ここが繰り返し狙われています。

「末端の給水用具又は末端給水用具の直近の上流側において、吸排気弁の設置が義務付けられている」とした肢は、令和元年と令和5年のどちらも誤りです。

令和7年は同じ位置に水抜き栓を置き換えて出し、これも誤りでした。立て配管の最上部に空気弁を設置するとした肢も、同じ年に誤りとして出ています。

器具名だけが差し替えられているので、位置の説明が正しくても油断できません。逆流を止める働きを持つ器具かどうかで判断します。

誤りとして出た記述 出題年度
末端給水用具の直近の上流側に吸排気弁の設置が義務付けられている 令和元年・令和5年
末端給水用具の直近の上流側に水抜き栓を設置する 令和7年
建物内の立て配管の最上部に空気弁を設置する 令和7年
算定した一日使用水量が給水装置に流れたときの水位を確保する能力 令和6年

まちがえやすいポイント

手順の説明は正しく書かれていて、名詞だけが入れ替わります。

算定するのは同時使用水量で、一日使用水量ではありません。末端に付けるのも吸排気弁や水抜き栓ではありません。

逆に、水道事業者の基準に従うという趣旨の記述は毎回正しい側です。事業者ごとに違うと書いてあれば素直に正と判断できます。

理解度チェック

Q.

直結給水システムの計画・設計で最初に従うものは何か。

当該水道事業者の直結給水システムの基準です。3階建以上では事前協議から設計・施工までを基準等に従って行います。

Q.

口径やポンプ揚程の決定にあたって算定するのは何か。

同時使用水量です。一日使用水量とした肢は令和6年に誤りとして出題されています。

Q.

階高4階程度以上でも直結直圧式にできるか。

できます。基本は直結増圧式ですが、配水管の水圧等に余力がある場合は直結直圧式で給水できます。

Q.

逆流防止措置はどこに対して講じるか。

配水管側への逆流防止、建物内の逆流防止、末端給水用具の逆流防止のそれぞれです。

Q.

末端給水用具の直近上流側に吸排気弁を設置する義務はあるか。

ありません。この記述は令和元年と令和5年のどちらも誤りとして出題されています。

まとめ

  • 計画・設計は当該水道事業者の基準に従う。3階建以上は事前協議から施工まで。
  • 算定するのは同時使用水量。一日使用水量とした肢は令和6年で誤り。
  • 階高4階程度以上は基本的に直結増圧式。水圧に余力があれば直結直圧式も可。
  • ポンプユニットは直列又は並列に設置できる。
  • 末端に吸排気弁・水抜き栓、立て配管の最上部に空気弁とした肢はいずれも誤り

> 受水槽を使う側の方式は受水槽式給水の3方式と読み比べると違いが見えます

直結給水の対象範囲、必要な事前協議、逆流防止器の形式は水道事業者ごとの基準で定められています。実務では所管の水道事業者にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が8問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの8問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」2.2 給水方式の決定/2.4 給水管の口径の決定(PDF)。直結直圧式と直結増圧式の区分、直結直圧式が各水道事業者の定める範囲で適用されること、直結増圧式の口径決定で同時使用水量を把握することは同節によります。
  • ※ 逆流防止措置に用いる器具の具体名や、階高の目安を定めた記述は、給水装置標準計画・施工方法には見当たりませんでした。本記事の正誤は、公表された正答から確定したものです。
  • ※ 誤りとして出題された記述の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号により、正しい肢・誤りの肢を確認したものです。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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