給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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水質基準とは?水道法第4条の6つの要件と「消毒による臭味」の扱い

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水質基準の条文は、どれももっともらしく見えます。

どこが書き換えられているのか見分けられません。

この記事の要点

第5号は「異常な臭味がないこと」ですが、ただし書きで消毒による臭味が除かれます。これを外した肢が2年度で誤りです。

「その許容量を超えて」が付くのは第3号です。第1号の病原生物に許容量を付けた肢は誤りです。

一般細菌の基準値は100以下で、「検出されないこと」は大腸菌の基準です。

水質基準は令和元年・3年・4年の3年度で出ています。公衆衛生概論は3問しかないので、出れば配点が重い分野です。

問われ方は条文の書き換えなので、法と省令の役割から押さえます。

水質基準を法の要件と省令の数値に分けて整理した図。左は水道法第4条が求める要件で、第1号の病原生物は汚染され又は汚染されたことを疑わせる生物若しくは物質を含むものでないこと、第3号の銅・鉄・弗素・フェノール等はその許容量を超えて含まないことで許容量が出てくるのはこちら、第5号は異常な臭味がないことでただし消毒による臭味を除くことを示している。右は省令が定める基準値の例で、一般細菌は1mLの検水で形成される集落数が100以下、大腸菌は検出されないこと、総トリハロメタンは0.1mg/L以下で個別の4物質にも基準値があること、味と臭気は異常でないこと、pH値は5.8以上8.6以下であり、水質基準は52項目で味・臭気・色度・濁度も入っていることを示している。
法が要件を並べ、省令が数値を定める。※条文と省令の値を整理した図。

法と省令はどう分かれているのか

法が要件を並べ、省令が数値を決めます。

水道法(昭和32年法律第177号)第4条(水質基準)

水道により供給される水は、次の各号に掲げる要件を備えるものでなければならない。
一 病原生物に汚染され、又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと。
二 シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと。
三 銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質をその許容量を超えて含まないこと。
四 異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと。
五 異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く。
六 外観は、ほとんど無色透明であること。

第2項が「前項各号の基準に関して必要な事項は、環境省令で定める」としていて、これを受けたのが水質基準に関する省令です。

消毒による臭味は基準違反か

違反になりません。ただし書きで除かれています。

第5号は「異常な臭味がないこと」で終わりではなく、ただし、消毒による臭味を除くと続きます。塩素のにおいは基準の対象外です。

「消毒による臭味がないこと」とした肢は、令和元年と令和3年のどちらも誤りです。ただし書きを落とすと意味が反転します。

塩素消毒はむしろ義務づけられているので、消毒のにおいを排除する条文にはなりません。詳しくは残留塩素で扱っています。

「許容量」が付くのはどの号か

第3号です。第1号ではありません。

第3号は「銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質をその許容量を超えて含まないこと」で、量の話をしています。

第1号の病原生物は量ではなく、「汚染され、又は汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと」という書き方です。

「病原生物をその許容量を超えて含まないこと」とした肢は、令和元年に誤りとして出ています。号をまたいで語句を移した形です。

要件
第1号 病原生物に汚染され、又は汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を含むものでないこと
第2号 シアン、水銀その他の有毒物質を含まないこと
第3号 銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質をその許容量を超えて含まないこと
第4号 異常な酸性又はアルカリ性を呈しないこと
第5号 異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く
第6号 外観は、ほとんど無色透明であること

一般細菌の基準値は何か

100以下です。「検出されないこと」ではありません。

水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)表

一 一般細菌  1mlの検水で形成される集落数が100以下であること。
二 大腸菌  検出されないこと。

「一般細菌の基準値は、『検出されないこと』とされている」とした肢は、令和4年に誤りとして出ています。これは隣の大腸菌の基準です。

並んだ2項目を入れ替えるだけなので、順番ごと覚えておくと崩れません。

味や臭気は水質基準に入るのか

入っています。数値でない項目もあります。

省令の表は52項目で、味と臭気は「異常でないこと」、色度は5度以下、濁度は2度以下と定められています。pH値は5.8以上8.6以下です。

「味や臭気は、水質基準項目に含まれている」という記述は、令和4年に正しい肢として出ています。

トリハロメタンはいくつ定められているのか

総量と個別の両方です。

省令は総トリハロメタンを0.1mg/L以下と定め、その内訳としてクロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、ブロモホルムを挙げています。

この4物質にも各々の基準値があり、クロロホルムは0.06mg/L以下、ブロモジクロロメタンは0.03mg/L以下です。

「総トリハロメタンとともに、トリハロメタン類のうち4物質について各々基準値が定められている」という記述は、令和4年に正しい肢として出ています。

水質基準が最新の科学的知見に照らして改正されることも、同じ年に正しい肢として出ています。

まちがえやすいポイント

条文の一部を隣の号から借りてくる、という作り方をしています。

「許容量」は第3号のもので、第1号の病原生物には付きません。第5号は「ただし、消毒による臭味を除く」まで読んでください。

省令のほうは、一般細菌が100以下で、検出されないのは大腸菌です。並び順で覚えると入れ替えに気づけます。

理解度チェック

Q.

消毒による臭味は水質基準に違反するか。

違反しません。第5号のただし書きで消毒による臭味は除かれています。

Q.

「その許容量を超えて含まないこと」はどの号か。

第3号で、銅、鉄、弗素、フェノールその他の物質が対象です。第1号の病原生物に付けた肢は令和元年に誤りとして出ています。

Q.

一般細菌の基準値は何か。

1mlの検水で形成される集落数が100以下であることです。「検出されないこと」は大腸菌の基準です。

Q.

味や臭気は水質基準項目に含まれるか。

含まれます。どちらも「異常でないこと」と定められていて、令和4年に正しい肢として出ています。

Q.

トリハロメタンの基準はどう定められているか。

総トリハロメタンが0.1mg/L以下で、内訳の4物質にも各々基準値があります。

まとめ

  • 水道法第4条は6つの要件を並べ、数値は水質基準に関する省令が定める。
  • 第5号は「異常な臭味がないこと。ただし、消毒による臭味を除く」。ただし書きを外した肢は2年度とも誤り。
  • 「その許容量を超えて」が付くのは第3号。第1号の病原生物には付かない。
  • 一般細菌は100以下、大腸菌は検出されないこと。入れ替えが出る。
  • 省令の表は52項目で、味・臭気・色度・濁度・pH値も入っている。

> 定めた基準をどう確かめるかは水質検査の頻度と記録に続きます

水質基準は最新の科学的知見に照らして改正されます。実務では、そのときの省令と所管の水道事業者の情報をご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が6問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの6問で全部、という意味ではありません。

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参考資料

  • 水道法(昭和32年法律第177号)第4条(e-Gov法令検索)。6つの要件と、第5号のただし書き、第2項の委任は同条によります。
  • 水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表(e-Gov法令検索)。一般細菌・大腸菌・総トリハロメタン・味・臭気・色度・濁度・pH値の基準値と、項目数は同令の表を全項目集計して確認したものです。同令は条を置かず、本文と表だけで構成されています。
  • ※ 誤りとして出題された記述の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号により、正しい肢・誤りの肢を確認したものです。
  • ※ 水質基準の所管は2024年4月に厚生労働省から環境省へ移りました。省令の名称は当時のままで、条文中の定める主体は現行に合わせて読む必要があります。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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