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耐圧は1.75MPaだけ覚えておけばいいのかな。
20キロパスカルという数字も出てきて混乱する。
この記事の要点
原則は1.75MPaの静水圧を1分間です。ただし号ごとに条件が違い、加圧装置だけ数値が変わります。
加圧装置とその下流側は当該加圧装置の最大吐出圧力です。1.75MPaを当てた肢は令和元年に誤りでした。
パッキンを水圧で圧縮する構造の給水用具は20kPaを1分間も加わります。100kPaを5分間とした肢は令和6年に誤りです。
数値そのものを差し替える問題なので、号ごとに覚えるしかありません。
4つの号を並べると、変わっているのは1か所だけだと分かります。
水道の水圧で給水装置が壊れることを防ぐための基準です。
適用対象は原則としてすべての給水管及び給水用具ですが、条文の柱書に除外が書かれています。
給水装置の構造及び材質の基準に関する省令 第1条第1項(柱書)
給水装置(最終の止水機構の流出側に設置されている給水用具を除く。以下この条において同じ。)は、次に掲げる耐圧のための性能を有するものでなければならない。
国土交通省の解説は、除外の理由を2つ挙げています。最終の止水機構を閉止することにより漏水等を防止できること、そして高水圧が加わらないことです。
具体例として大気圧式バキュームブレーカ、シャワーヘッド等が挙げられています。
この記述は令和元年に正しい肢として出ています。
令和4年は逆向きに「最終の止水機構の流出側に設置される給水用具を含め、耐圧性能基準に適合したものを用いる」とした肢が誤りでした。除外されるものを対象に入れた形です。
止水機構を有する器具で、通常の使用状態において流出側が大気に開口されているものの2次側も同じ扱いです。解説は例として水栓のカランの部分を挙げています。
号ごとに4通りあります。
同 第1条第1項(各号・抜粋)
一 給水装置(次号に規定する加圧装置及び当該加圧装置の下流側に設置されている給水用具並びに第三号に規定する熱交換器内における浴槽内の水等の加熱用の水路を除く。)は、耐圧性能試験により一・七五メガパスカルの静水圧を一分間加えたとき、水漏れ、変形、破損その他の異常を生じないこと。
二 加圧装置及び当該加圧装置の下流側に設置されている給水用具(次に掲げる要件を満たす給水用具に設置されているものに限る。)は、耐圧性能試験により当該加圧装置の最大吐出圧力の静水圧を一分間加えたとき、水漏れ、変形、破損その他の異常を生じないこと。
四 パッキンを水圧で圧縮することにより水密性を確保する構造の給水用具は、第一号に掲げる性能を有するとともに、耐圧性能試験により二〇キロパスカルの静水圧を一分間加えたとき、水漏れ、変形、破損その他の異常を生じないこと。
三号は熱交換器内における浴槽内の水等の加熱用の水路で、接合箇所(溶接によるものを除く)を有せず、1.75MPaを1分間です。
加圧装置は水圧の値そのものが変わり、パッキンは試験が1つ増えます。
「加圧装置は、耐圧性能試験により1.75メガパスカルの静水圧を1分間加えたとき」とした肢は、令和元年に誤りとして出ています。
加圧装置に当てるのは当該加圧装置の最大吐出圧力です。装置ごとに数値が違うので、1.75MPaという固定値にはなりません。
令和6年は同じ文を正しい肢として出しています。こちらは「最大吐出圧力の静水圧を1分間」と書かれていました。
同じ年に、パッキンの低水圧試験を「100キロパスカルの静水圧を5分間」とした肢が誤りでした。
正しくは20kPaを1分間です。水圧も時間も差し替えられているので、両方を覚えます。
どちらも解説に理由が書かれています。
1.75MPaは、通常の使用状態における水圧やウォーターハンマーによる水撃圧等を考慮して、日本の水道の使用圧力において給水装置に加わり得る最大水圧として設定されたものです。
従来の型式承認基準では1.72MPaとしているものと1.75MPaとしているものがありました。17.5kgf/cm²を国際単位系に換算したときの丸め方の違いで、実質的な差異はありません。
1分間という時間は経験則によります。1分間で変形・破損が認められなければそれ以上試験しても結果はほぼ変わらず、水漏れが起こっていれば1分以内に確認できるためです。
判定基準の「変形」は異常な形状の変化を指します。フレキシブル継手等に水圧を加えたとき、その仕様の範囲内で形状が変化してもここでいう変形には当たりません。
どちらも特例があります。
貯湯湯沸器は、減圧弁や逃し弁等を設置して貯湯部に加わる水圧を水頭圧10m以下又は0.1MPa以下に保つ措置を講じています。
そこに安全率を見込んで、試験水圧は0.3MPaが採用されました。貯湯湯沸器と併用される逃し弁や給湯加圧装置にも同じ試験水圧が適用されます。
ただし一缶二水路型貯湯湯沸器の二次側水路は別扱いです。破損すると風呂の残り湯等が給湯経路に流入して給湯水を汚染するおそれがあります。
そのため給湯用の水と接触するおそれのある熱交換器内に限り、水路は接合部分を有しないこととし、1.75MPaで試験します。ネジ接合部の緩み等による汚水の流入を防ぐ趣旨です。
この加熱用水路の記述は、令和3年と令和6年に正しい肢として出ています。令和6年は「接合箇所を有せず」まで含めた形でした。
溶接による接合はこのおそれがないため、条文の括弧書きで除かれています。
Oリング等を水圧で接続部に密着させて水密性を保つ伸縮継手等は、低水圧時にかえって密着力が低下して漏水するおそれがあります。だから20kPaの低水圧試験も併せて行います。
同じOリングを使う器具でも、ネジ等で締め付けて水密性を確保しているものは対象になりません。
竣工検査で耐圧試験を行います。基準の試験とは別のものです。
標準計画は、給水装置の使用開始前に管内を洗浄するとともに、通水試験・耐圧試験・水質試験(残留塩素測定等)を行うこととしています。
その試験水圧は原則として1.75MPaとすることが望ましいと書かれています。省令が給水管・給水用具そのものに求める性能とは、位置づけが違います。
「配管工事後の耐圧性能試験の水圧は省令で定められており、水道事業者が独自に定めることができない」とした肢は、令和7年に誤りとして出ています。
手順も決まっています。給水栓等を閉めて充水し、わずかに開いて空気を抜いてから閉め、1.75MPaに達したらバルブを閉めて1分間以上その状態を保持します。
「柔軟性のある合成樹脂管や分水栓等の給水用具を損傷するおそれがあるため、加圧圧力や加圧時間を適切な大きさ、長さにする必要がある」とした記述は、令和7年に正しい肢として出ています。
もう1つ、条文には配管の経路の決まりもあります。家屋の主配管は構造物の下の通過を避ける等により、漏水時の修理を容易に行えるようにします(同条第3項)。
標準計画は主配管を「枝管が取り付けられる口径や流量が最大の給水管」とし、家屋の基礎の外回りに布設することを原則としています。
耐圧性能基準の対象から外れるのはどんな給水用具か。
最終の止水機構の流出側に設置されるものです。大気圧式バキュームブレーカやシャワーヘッド等が該当します。
加圧装置に加える静水圧はいくらか。
当該加圧装置の最大吐出圧力です。1.75MPaとした肢は令和元年に誤りでした。
パッキンを水圧で圧縮する構造の給水用具に求められる試験は。
1.75MPaを1分間に加えて、20kPaの静水圧を1分間です。100kPaを5分間とした肢は令和6年に誤りでした。
貯湯湯沸器の試験水圧はいくらか。
0.3MPaです。減圧弁等で貯湯部の水圧を0.1MPa以下に保つ措置に、安全率を見込んだ値です。
配管工事後の耐圧試験の水圧はどう決まるか。
標準計画が原則として1.75MPaとすることが望ましいとしています。省令で定められていて独自に定められない、とした肢は令和7年に誤りでした。
> ほかの性能基準は浸出性能基準・耐久性能基準・耐寒性能基準で扱っています
配管工事後の検査の内容や試験水圧は、水道事業者の設計施工指針によって異なる場合があります。実際の工事では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が20問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの20問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置の構造及び性能
給水装置の概要
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置工事事務論
まちがえやすいポイント
4つの号のうち3つは1.75MPa・1分間なので、違うところだけを覚えます。
加圧装置は最大吐出圧力、パッキンは20kPaを1分間。この2つが例外です。
低水圧の試験があるのは、パッキンやOリングが低い水圧でこそ漏れやすいからです。高いほうだけ調べても足りません。