給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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残留塩素とは?遊離0.1mg/Lと結合0.4mg/Lの使い分けとDPD法

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水道水のカルキ臭って、消毒に使った塩素が残っているんだよね。

それって残っていていいの? むしろ残さないとダメなの?

この記事の要点

残留塩素は、有効塩素が殺菌消毒や有機物の酸化分解をした後も水中に残っている塩素です。残っていてよいのではなく、法令で残すことが義務づけられています。

給水栓における水は遊離残留塩素0.1mg/L以上、結合残留塩素なら0.4mg/L以上。病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合は、それぞれ0.2mg/Lと1.5mg/Lに上がります。

消毒効果は遊離のほうが強く、残留効果は結合のほうが持続します。この向きを入れ替えた肢が繰り返し出ています。

塩素は、仕事を終えたあとも水中に残っていなければなりません。

途中で無くなると、そこから先の管の中で汚染が起きたときに対抗できないからです。

残留塩素とは、消毒効果のある有効塩素が水中の微生物を殺菌消毒したり、有機物を酸化分解した後も水中に残留している塩素のことをいいます。

どこに義務が書かれているのか

根拠は2段階です。水道法が「措置を講じろ」と定め、施行規則が中身を定めています。

水道法 第22条(衛生上の措置)

水道事業者は、環境省令の定めるところにより、水道施設の管理及び運営に関し、消毒その他衛生上必要な措置を講じなければならない。

その環境省令が水道法施行規則で、第17条に3つの措置が並んでいます。3つめが塩素消毒です。

なお受水槽以下の設備には別の管理基準があり、簡易専用水道として扱われます。

水道法施行規則 第17条第1項第3号

給水栓における水が、遊離残留塩素を〇・一mg/l(結合残留塩素の場合は、〇・四mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。ただし、供給する水が病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合又は病原生物に汚染されたことを疑わせるような生物若しくは物質を多量に含むおそれがある場合の給水栓における水の遊離残留塩素は、〇・二mg/l(結合残留塩素の場合は、一・五mg/l)以上とする。

測る場所は給水栓です。浄水場の出口でも配水池でもありません。

遊離と結合はどちらがどちらなのか

残留塩素は遊離残留塩素と結合残留塩素に分かれます。

遊離残留塩素と結合残留塩素の対比図。遊離は次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンからなり消毒効果が強い。結合は残留効果が持続する。給水栓で保持すべき濃度は平常時が遊離0.1mg/L以上と結合0.4mg/L以上、病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合は遊離0.2mg/L以上と結合1.5mg/L以上。
効果が強いのは遊離、持続するのは結合。濃度は結合のほうが高い値を求められる。※条文の記載を整理した図。

遊離残留塩素には次亜塩素酸次亜塩素酸イオンがあります。

2つの性質は反対向きです。消毒効果は遊離残留塩素のほうが強く、残留効果は結合残留塩素のほうが持続します。

だから濃度の基準は結合のほうが高く設定されています。効きが弱いぶん、多く残す必要があるためです。

pHが低いと消毒効果が高まるのはなぜか

遊離残留塩素の中身の比率が変わるからです。

pH値が低いほど次亜塩素酸の存在比が高くなり、一般にpH値が低いほど消毒効果が高まります。

同じ遊離残留塩素でも、次亜塩素酸の存在比が高いほど消毒効果が高いという関係です。

どんな消毒剤が使われているのか

水道で使用されている塩素系消毒剤は3つです。

  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • 液化塩素(液体塩素)
  • 次亜塩素酸カルシウム

このうち次亜塩素酸ナトリウムは、光や温度の影響を受けて徐々に分解し、有効塩素濃度が低下します。保管の条件で濃度が落ちる、という点が問われます。

濃度はどうやって測るのか

簡易な測定法としてDPD法があります。

ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)と反応して生じる桃〜桃赤色を、標準比色液と比較して測定する方法です。

この色を「青色」「青白〜青色」とすり替えた肢が複数の年度で出ています。桃色系と覚えてください。

工事のあとに何を確認するのか

給水装置工事の品質管理として、サドル付分水栓などによる不断水分岐作業の終了後には水質確認を行います。

確認する項目は5つです。

  • 残留塩素の測定
  • におい
  • 濁り

この5つの組合せで問われます。pH値やTOCを混ぜた組合せは誤りです。

まちがえやすいポイント

入れ替えて出されるものが3つあります。

①遊離0.1と結合0.4を逆にする ②消毒効果と残留効果の強い側を逆にする ③DPD法の呈色を青色にする。どれも実際に誤りの肢として出題されています。

覚え方としては、効きが弱い結合のほうが高い濃度を求められる、と数値と性質をつないでおくと取り違えません。

理解度チェック

Q.

残留塩素とは何か。

消毒効果のある有効塩素が水中の微生物を殺菌消毒したり、有機物を酸化分解した後も水中に残留している塩素のことです。

Q.

給水栓における水が保持すべき残留塩素の濃度は。

遊離残留塩素を0.1mg/L以上、結合残留塩素の場合は0.4mg/L以上です。病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合等は、それぞれ0.2mg/L以上と1.5mg/L以上に上がります。

Q.

消毒効果と残留効果は、遊離と結合のどちらが優れるか。

消毒効果は遊離残留塩素のほうが強く、残留効果は結合残留塩素のほうが持続します。両方を同じ側に寄せた肢は誤りです。

Q.

DPD法では何色を標準比色液と比較するか。

ジエチル-p-フェニレンジアミン(DPD)と反応して生じる桃〜桃赤色です。青色や青白〜青色としている肢は誤りです。

Q.

不断水分岐作業の終了後に確認する水質項目5つを挙げよ。

残留塩素の測定、におい、濁り、色、味の5つです。pH値やTOCを含めた組合せは誤りになります。

まとめ

  • 残留塩素は、有効塩素が殺菌消毒や有機物の酸化分解をした後も水中に残っている塩素
  • 根拠は水道法第22条と施行規則第17条第1項第3号。測る場所は給水栓
  • 平常時は遊離0.1mg/L以上・結合0.4mg/L以上。病原生物に著しく汚染されるおそれがある場合は0.2mg/L・1.5mg/L以上
  • 消毒効果は遊離が強く、残留効果は結合が持続する。pH値が低いほど次亜塩素酸の存在比が高く消毒効果が高まる。
  • DPD法の呈色は桃〜桃赤色。工事後の水質確認は残留塩素・におい・濁り・色・味の5項目。

> 工事で汚染を防ぐ仕組みはバキュームブレーカを確認する

> 塩素が効きにくい相手については水系感染症を引き起こす病原微生物で扱っています

残留塩素の測定頻度や記録の方法など運用の詳細は、水道事業者ごとに定められています。実務では所管の水道事業者にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が12問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの12問で全部、という意味ではありません。

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参考資料

  • 水道法(昭和32年法律第177号)第22条 衛生上の措置(e-Gov法令検索
  • 水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第17条 衛生上必要な措置(e-Gov法令検索)。0.1・0.4・0.2・1.5mg/Lの各数値は同条によります。
  • 遊離残留塩素と結合残留塩素の性質、pH値と消毒効果の関係、塩素系消毒剤の種類、DPD法で生じる色については、水道法施行規則に記述がありません。これらは、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号から確定できたものです(令和元年 問1、令和4年 問3、令和5年 問2、令和6年 問2)。
  • ※ 水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管されました。水質・衛生に関することは環境省の所管となり、法第22条の委任先も現行条文では「環境省令」、残留塩素の検査方法を定めるのは「環境大臣」です。令和5年以前の過去問では厚生労働省令・厚生労働大臣と書かれています。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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