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「技能を有する者」の穴埋め、毎回どこかで間違えます。
似た語ばかり並んでいて、どれが正しいのか決められません。
この記事の要点
第36条は6つの運営基準を並べた条で、根拠は水道法第25条の8です。
試験に出るのはほぼ第2号で、「適切に作業を行うことができる技能を有する者」の定義が4年度で穴埋めになっています。
入る語は穿孔・水道メーター・配水管・正確な作業の4つです。
この定義は条文本体ではなく、平成9年8月11日 衛水第217号の通知に書かれています。
出題文はその通知をほぼそのまま写しているので、通知の一文を覚えれば4年度分が同時に取れます。
法が「省令で定める」と書き、その省令が第36条です。
水道法 第25条の8(事業の基準)
指定給水装置工事事業者は、国土交通省令で定める給水装置工事の事業の運営に関する基準に従い、適正な給水装置工事の事業の運営に努めなければならない。
努めなければならない、という努力義務の書き方です。この一文をそのまま使った肢が令和5年 問36で正しい肢として出ています。
受ける相手は指定給水装置工事事業者であって、主任技術者個人ではありません。主任技術者を主語にした肢は同じ年の別の肢で誤りでした。
人・工事・記録の3つに分かれます。
| 号 | 内容 |
|---|---|
| 一号 | 給水装置工事ごとに、選任した主任技術者のうちから職務を行う者を指名する |
| 二号 | 技能を有する者を従事させ、又はその者に他の者を実施に監督させる |
| 三号 | あらかじめ水道事業者の承認を受けた工法、工期その他の工事上の条件に適合させる |
| 四号 | 施行技術の向上のために研修の機会を確保するよう努める |
| 五号 | 令第6条の基準に適合しない給水装置の設置と、適さない機械器具の使用を行わない |
| 六号 | 工事ごとに記録を作成させ、3年間保存する |
一号と四号と六号は別の記事で扱っているので、ここでは二号を中心に見ます。
条文は定義を書いていません。書いているのは通知です。
水道法施行規則 第36条第2号
配水管から分岐して給水管を設ける工事及び給水装置の配水管への取付口から水道メーターまでの工事を施行する場合において、当該配水管及び他の地下埋設物に変形、破損その他の異常を生じさせることがないよう適切に作業を行うことができる技能を有する者を従事させ、又はその者に当該工事に従事する他の者を実施に監督させること。
この「技能を有する者」が何を指すのかを、次の通知が説明しています。
平成9年8月11日 衛水第217号(厚生省生活衛生局水道環境部水道整備課長通知)第4の5(2)
規則第36条第2号に規定する「適切に作業を行うことができる技能を有する者」とは、配水管への分水栓の取付け、配水管のせん孔、給水管の接合等の配水管から給水管を分岐する工事に係る作業及び当該分岐部から水道メーターまでの配管工事に係る作業について、配水管その他の地下埋設物に変形、破損その他の異常を生じさせることがないよう、適切な資機材、工法、地下埋設物の防護の方法を選択し、正確な作業を実施することができる者をいうこと。
試験の出題文は、この一文がそのまま骨格になっています。通知は「せん孔」とかなで書いていますが、出題では「穿孔」の字が使われます。
入れ替えられる語は決まっています。
| 空欄 | 正しい語 | 誤りの肢に入っていた語 |
|---|---|---|
| ア | 配水管の穿孔 | 維持管理/点検 |
| イ | 水道メーターまで | 止水栓 |
| ウ | 配水管その他の地下埋設物 | 給水管 |
| エ | 正確な作業を実施 | 技術上の管理/技術上の監理 |
アは分岐する工事の作業を並べた場所なので、管に穴をあける穿孔が入ります。維持管理や点検は分岐の作業ではありません。
ウを給水管とした肢が繰り返し出ますが、分岐のときに壊すと困るのは本管である配水管の側です。
後半の3語が空欄になっています。
令和4年 問10はア=水道メーター、イ=資機材、ウ=工法、エ=防護で、正答は(3)でした。他の3年度が前半を隠すのに対し、この年は「適切な資機材、工法、地下埋設物の防護の方法を選択し」を隠しています。
語の位置で覚えていると、この年に対応できません。定義の一文をひとつながりで覚えるほうが確実です。
同じ通知が3つ挙げています。
平成9年8月11日 衛水第217号 第4の5(2)(続き)
これらの技能を有する者としては、これまでに、水道事業者等によって行われた試験や講習により資格を与えられた配管工(配管技能者、その他類似の名称のものを含む。)、職業能力開発促進法第62条に規定する配管技能士、同法第24条に規定する都道府県知事の認定を受けた職業訓練校の配管科の課程の修了者等が想定される
いずれも配管の技能を身につけた人で、主任技術者の免状とは別の資格です。主任技術者が技能を有する者を兼ねなければならない、という決まりはありません。
この従事状況は、指定の更新のときに水道事業者が確認する4項目のひとつになっています。項目は指定給水装置工事事業者の指定と5年更新で扱っています。
配水管を壊すと、工事の依頼者以外にも被害が及ぶからです。
配水管は多数の需要者へ水を送る本管なので、分岐のときに変形や破損を起こせば断水や濁水が広い範囲に出ます。二号が求めているのは、その一区間だけを技能で守ることです。
だから対象は配水管から分岐して給水管を設ける工事と、取付口から水道メーターまでの工事に限られていて、メーターより先の宅地内の配管は入っていません。
事業の運営の基準を定めている省令の条は何か。
水道法施行規則第36条です。根拠は水道法第25条の8で、6つの基準が並んでいます。
技能を有する者を従事させる工事の範囲はどこまでか。
配水管から分岐して給水管を設ける工事と、取付口から水道メーターまでの工事です。
定義の「配水管の( )」に入る語は何か。
穿孔です。維持管理や点検とした肢は誤りでした。
変形や破損を生じさせてはならない相手は何か。
配水管その他の地下埋設物です。給水管とした肢は誤りでした。
技能を有する者として想定されているのはどんな人か。
水道事業者等の試験や講習で資格を与えられた配管工、配管技能士、職業訓練校の配管科の修了者などです。
> 指定そのものの要件は指定給水装置工事事業者の指定と5年更新で扱っています
工事上の条件の具体的な内容は水道事業者ごとに異なります。実務では給水区域の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が11問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの11問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置施工管理法
給水装置の構造及び性能
給水装置の概要
給水装置工事事務論
水道行政
まちがえやすいポイント
エに「技術上の管理」が来たら誤りです。技術上の管理は主任技術者の職務の語で、技能を有する者の定義には出てきません。
イの終点は水道メーターです。止水栓ではありません。
ウは配水管その他の地下埋設物です。給水管に差し替えた肢が繰り返し出ています。