給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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建築基準法に基づく飲料水の配管設備とは?給水タンクの構造と止水弁

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水道の試験なのに、どうして建築基準法が出てくるんでしょう。

受水槽の話だと聞いたのですが、よく分かりません。

この記事の要点

飲料水の配管設備は、他の配管設備と直接連結させないのが原則です。弁を付ければよいとした肢が令和3年と令和7年に誤りとして出ています。

給水立て主管からの主要な分岐管には、分岐点に近接した部分に止水弁を設けます。安全弁ではありません。

給水タンク等の天井・底・周壁は、建築物の他の部分と兼用しません。兼用できるとした肢が令和元年に誤りとして出ています。

この論点は令和元年・3年・5年・7年の4年度で出ています。工事事務論と施工管理法のどちらの科目でも出題されました。

根拠は建築基準法施行令と、その委任を受けた告示です。まず全体像を図で押さえます。

建築基準法が定める給水タンクと給水管の構造を示した図。左は建築物の内部に設けた給水タンクで、天井・底・周壁を建築物の他の部分と兼用しないこと、内部に飲料水以外の配管設備を設けないこと、保守点検のためのマンホールを設けること、上にポンプやボイラー等を置くときは汚染防止の措置を講ずること、最下階の床下等では浸水を検知し警報する装置を設けることを示している。右は給水立て主管から各階へ分岐する配管で、分岐点に近接した部分に止水弁を設けること、安全弁と書いてあれば誤りであること、ウォーターハンマーのおそれがあればエアチャンバー等を設けることを示している。
問われるのは給水タンク等の構造と、分岐管に付ける弁の種類。※各部の位置関係をつかむための模式図。

なぜ給水装置の試験に建築基準法が出るのか

建築物の中の飲料水の配管設備を規制しているのが建築基準法だからです。

建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の4第2項

建築物に設ける飲料水の配管設備(水道法第三条第九項に規定する給水装置に該当する配管設備を除く。)の設置及び構造は、前項の規定によるほか、次に定めるところによらなければならない。

括弧の中を読むと、給水装置に該当する部分は除かれています。給水装置は水道法がみるので、二重に規制しない形です。

裏を返せば、受水槽以下のように給水装置に当たらない部分は建築基準法がみます。主任技術者は境目の両側を扱うので、試験でも問われます。

他の配管設備とつないでよいのか

つなぎません。弁を付ければよい、にはなりません。

同 第129条の2の4第2項第1号

飲料水の配管設備(これと給水系統を同じくする配管設備を含む。以下この項において同じ。)とその他の配管設備とは、直接連結させないこと。

令和7年は「連結点に近接した部分に止水弁を設けること」、令和3年は「仕切弁及び逆止弁を設置するなど逆流防止の措置を講ずる」という形で出ていて、どちらも誤りです。

条文が禁じているのは連結そのものなので、弁を挟んでも許されません。水道法の側から同じ禁止を定めているのがクロスコネクションの規定です。

同じ第2項は、あふれ面と水栓の開口部との垂直距離を適当に保つこと、給水管の凍結による破壊のおそれのある部分に防凍の措置を講ずることも定めています。

給水タンク及び貯水タンクにさび止めの措置を講ずることも同じ項です。この3つは令和7年に正しい肢として出ています。

分岐点に近接して付けるのは何弁か

止水弁です。安全弁ではありません。

昭和50年建設省告示第1597号 第一 一(給水管)

イ ウォーターハンマーが生ずるおそれがある場合においては、エアチャンバーを設ける等有効なウォーターハンマー防止のための措置を講ずること。
ロ 給水立て主管からの各階への分岐管等主要な分岐管には、分岐点に近接した部分で、かつ、操作を容易に行うことができる部分に止水弁を設けること。

目的は、その階だけを止めて修理できるようにすることです。圧力を逃がす安全弁とは働きが違います。

令和5年は「安全弁を設けること」と書き換えた肢が誤りとして出ました。ウォーターハンマー防止の記述は令和3年と令和5年に正しい肢として出ており、詳しくは水撃作用と水撃限界性能基準で扱っています。

給水タンクの天井は建物と兼用できるのか

兼用できません。ここが令和元年の誤りの肢です。

同 第一 二 イ(建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける場合)

(1) 外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
(2) 給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。

建物の壁や床をタンクの一部に使うと、外側から六つの面を点検できません。「給水タンク等の天井は、建築物の他の部分と兼用できる」とした肢は、令和元年に誤りとして出ています。

同じイは、保守点検を容易かつ安全に行える位置に直径60cm以上の円が内接できるマンホールを設けることも定めています。

タンクの中に他の配管を通してよいのか

通しません。防護すればよい、にもなりません。

同 第一 二 イ

(3) 内部には、飲料水の配管設備以外の配管設備を設けないこと。

「給水タンク内部に飲料水以外の配管を設置する場合には、さや管などにより、防護措置を講ずる」とした肢は、令和3年に誤りとして出ています。直接連結の禁止と同じで、条件を付けて認める書き方が誤りの形です。

この規定は令和元年と令和5年には、そのままの形で正しい肢として出ています。

タンクの上に機械を置いてよいのか

置けます。ただし汚染を防ぐ措置が要ります。

同 第一 二 イ

(9) 給水タンク等の上にポンプ、ボイラー、空気調和機等の機器を設ける場合においては、飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講ずること。

ここまで見てきた3つと違い、禁止ではありません。だから令和元年と令和5年のどちらでも、正しい肢として出ています。

最下階の床下など浸水でオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所では、浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じます。これも令和元年に正しい肢として出ています。

誤りの肢はどう作られているのか

公表された正答と照らすと、条件を足して禁止をゆるめる形が繰り返されています。

誤りとして出た記述 出題年度 正しくは
その他の配管設備と直接連結する場合は、連結点に近接した部分に止水弁を設ける 令和7年 直接連結させない
飲料水の配管と消火用の配管を直接連結する場合は、仕切弁及び逆止弁を設置する 令和3年 直接連結させない
主要な分岐管には、分岐点に近接した部分に安全弁を設ける 令和5年 止水弁を設ける
給水タンク等の天井は、建築物の他の部分と兼用できる 令和元年 天井・底・周壁を兼用しない
タンク内部に飲料水以外の配管を設置する場合はさや管で防護する 令和3年 内部に設けない

まちがえやすいポイント

誤りの肢は、どれも技術的にはもっともらしい措置を書いてきます。

「弁を付ければ連結してよい」「さや管で防護すれば通してよい」は、条文が禁止そのものを定めているので成り立ちません。

迷ったら、条文が禁止で終わっているか、措置を求めているかで分けてください。タンクの上の機器だけは措置を求める側です。

理解度チェック

Q.

飲料水の配管設備とその他の配管設備は、弁を設ければ直接連結できるか。

できません。令第129条の2の4第2項第1号が直接連結させないことと定めています。

Q.

給水立て主管からの主要な分岐管には、分岐点に近接した部分に何を設けるか。

止水弁です。安全弁とした肢は令和5年に誤りとして出題されています。

Q.

給水タンク等の天井は、建築物の他の部分と兼用できるか。

できません。天井・底・周壁のいずれも建築物の他の部分と兼用しないことと定められています。

Q.

給水タンクの内部に、さや管で防護した上で他の配管を通せるか。

通せません。内部には飲料水の配管設備以外の配管設備を設けないことと定められています。

Q.

給水タンク等の上にポンプやボイラーを設けてよいか。

設けられます。ただし飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講じます。

まとめ

  • 対象は給水装置に該当しない部分。給水装置は水道法がみるので除かれている。
  • 他の配管設備とは直接連結させない。弁を付けても認められない。
  • 主要な分岐管には分岐点に近接した部分に止水弁。安全弁ではない。
  • 給水タンク等の天井・底・周壁は建築物の他の部分と兼用しない。マンホールは直径60cm以上。
  • タンク内部に飲料水以外の配管設備は設けない。上に機器を置く場合は汚染防止の措置を講ずる。

> 受水槽そのものの方式と容量は受水槽式給水の3方式で扱っています

建築確認や検査の運用、受水槽まわりに必要な離隔は特定行政庁や水道事業者ごとに定められています。実務では所管の窓口にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が10問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの10問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第129条の2の4(e-Gov法令検索)。給水装置に該当する配管設備を除くこと、直接連結の禁止、逆流防止、防凍、さび止めは同条第2項によります。
  • 昭和50年建設省告示第1597号「建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備の構造方法を定める件」(PDF・国土交通省)。ウォーターハンマー防止、止水弁、給水タンク等の兼用禁止、マンホール、内部の配管、上部の機器、浸水警報は同告示 第一 によります。
  • ※ 同告示は根拠条文を「建築基準法施行令第129条の2の5」と表記していますが、現行の該当条は第129条の2の4です(第129条の2の5は換気設備の規定)。本文は現行の条番号で書き、引用は原文のまま載せています。
  • ※ 誤りとして出題された記述の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号により、正しい肢・誤りの肢を確認したものです。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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