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散水栓にホースをつなぐと逆流するって聞いたけど、水は上から下に流れるよね。
どうして逆に戻るの?
この記事の要点
バキュームブレーカは、給水管内に負圧が生じたときに負圧部分へ自動的に空気を取り入れる給水用具です。空気を入れることで、逆サイホン作用で吸い上げられる流れを断ちます。
種類は圧力式と大気圧式の2つ。圧力式は上流側、大気圧式は最終の止水機構の下流側に付けます。取付け高さはどちらも越流面から150mm以上です。
試験では、この150mmと、負圧破壊性能試験の数値の入れ替えが毎年のように問われます。
水が逆に流れるのは、給水管の中が負圧になるからです。
断水や漏水で管内の圧力が下がると、ストローを吸うのと同じことが起きます。これを逆サイホン作用といいます。
バキュームブレーカは、この負圧の部分に空気を入れて流れを断ち切る給水用具です。
給水装置標準計画・施工方法 3.9.4 逆流防止 4.バキュームブレーカ(国土交通省)
給水管内に負圧が生じたとき、逆サイホン作用により使用済みの水その他の物質が逆流し水が汚染されることを防止するため、負圧部分へ自動的に空気を取り入れる機能を持つ給水用具。
負圧を生じるおそれがあるものは、大きく2つに分かれます。
1つが洗浄弁等です。大便器用洗浄弁を直結して使用する場合、便器が閉塞し、汚水が便器の洗浄孔以上に溜まると、給水管内に負圧が生じて便器内の汚水が逆流するおそれがあります。
もう1つがホースを接続して使用する水栓等です。
とくに給水栓をホースに接続して使う洗車、池、プールへの給水は、ホースの使用方法によって給水管内に負圧が生じ、使用済みの水や洗剤等が逆流するおそれがあります。
ホースの先が汚れた水に浸かっている状態で管内が負圧になる、という場面を思い浮かべると分かりやすいです。
種類は圧力式と大気圧式の2つです。違いは付ける場所です。
| 種類 | 設置場所 | かかる圧力 |
|---|---|---|
| 圧力式 | 給水用具の上流側 | 常時圧力のかかる配管部分 |
| 大気圧式 | 給水用具の最終の止水機構の下流側 | 常時圧力のかからない配管部分 |
どちらも取付け高さは同じで、水受け容器の越流面から150mm以上高い位置に取り付けます。
ここで注意したいのが、圧力式に常時かかるのは水圧であって逆圧ではないという点です。
圧力式は、常時水圧は掛かるが逆圧の掛からない配管部分に設置します。逆圧(背圧)がかかるところには設置できません。
この150mmは省令の条文そのものです。
給水装置の構造及び材質の基準に関する省令 第5条第1項第1号(抜粋)
水が逆流するおそれのある場所に設置されている給水装置は、次の各号のいずれかに該当しなければならない。一 次に掲げる逆流を防止するための性能を有する給水用具が、水の逆流を防止することができる適切な位置(ニに掲げるものにあっては、水受け容器の越流面の上方一五〇ミリメートル以上の位置)に設置されていること。
カッコの中の「ニ」がバキュームブレーカです。つまり150mm以上という数字はバキュームブレーカだけに掛かる条件です。
ほかの逆流防止給水用具には、この高さの指定はありません。
同じ省令第5条に、性能の数値が定められています。
同 第5条第1項第1号ニ
バキュームブレーカは、負圧破壊性能試験により流入側からマイナス五四キロパスカルの圧力を加えたとき、バキュームブレーカに接続した透明管内の水位の上昇が七五ミリメートルを超えないこと。
覚えるのは3つです。流入側からマイナス54kPa、水位の上昇が75mmを超えない。
同じ条に並ぶ他の給水用具と比べると、数字の位置が見えてきます。
| 給水用具 | 負圧破壊性能試験 | 判定 |
|---|---|---|
| バキュームブレーカ(ニ) | 流入側から−54kPa | 水位の上昇が75mmを超えない |
| 減圧式逆流防止器(イ) | 流入側から−54kPa | 水位の上昇が3mmを超えない |
| 負圧破壊装置を内部に備えた給水用具(ホ) | 流入側から−54kPa | 水位の上昇が垂直距離の2分の1を超えない |
| 水受け部と吐水口が一体の構造のもの(ヘ) | 流入側から−54kPa | 吐水口から水を引き込まない |
圧力はすべて流入側から−54kPaで共通です。変わるのは判定のほうだけです。
なお減圧式逆流防止器には、これとは別に逆流防止性能試験(3kPa及び1.5MPaの静水圧を1分間)も課されています。
試験で繰り返し出るのが、この区別です。
| 呼び方 | 中身 | 取付け高さ・位置 |
|---|---|---|
| バキュームブレーカ | 器具単独で販売されるもの | 施工時に変更できる |
| 負圧破壊装置を内部に備えた給水用具 | 製品に組み込まれているもの | 施工時に変更できない |
単独の器具は施工者が高さを決めるので、150mm以上という条件が効いてきます。
内蔵型は製品の仕様として位置が決まっているため、施工時には動かせません。
バキュームブレーカは選択肢の1つです。逆流を生じるおそれのある箇所ごとに、次の3つのいずれかを講じます。
吐水口空間の確保が困難な場合、あるいは給水栓などにホースを取り付ける場合に、逆止弁やバキュームブレーカを使います。
なお吐水口を有していても、消火用スプリンクラのように逆流のおそれのない場合には、特段の措置を講じる必要はありません。
バキュームブレーカはどんな機能を持つ給水用具か。
給水管内に負圧が生じたとき、逆サイホン作用により使用済みの水その他の物質が逆流して水が汚染されることを防ぐため、負圧部分へ自動的に空気を取り入れる機能を持つ給水用具です。
圧力式と大気圧式は、それぞれどこに設置するか。
圧力式は給水用具の上流側(常時圧力のかかる配管部分)、大気圧式は給水用具の最終の止水機構の下流側(常時圧力のかからない配管部分)です。どちらも水受け容器の越流面から150mm以上高い位置に取り付けます。
バキュームブレーカの負圧破壊性能基準を、圧力・方向・判定の3つで答えよ。
負圧破壊性能試験により流入側からマイナス54キロパスカルの圧力を加えたとき、バキュームブレーカに接続した透明管内の水位の上昇が75ミリメートルを超えないことです。減圧式逆流防止器は同じ圧力・方向で3ミリメートルなので、判定値を取り違えないでください。
圧力式バキュームブレーカは、逆圧(背圧)がかかる場所に設置できるか。
設置できません。常時水圧は掛かるが逆圧の掛からない配管部分に設置するもので、「圧力式だから逆圧でもよい」と読み替えないでください。
単独で販売されるバキュームブレーカと、負圧破壊装置を内部に備えた給水用具の違いは。
バキュームブレーカは器具単独で販売され、水受け容器からの取付け高さを施工時に変更できるものです。負圧破壊装置を内部に備えた給水用具は製品に組み込まれており、施工時に位置を変更できません。
> 逆流防止の全体像は給水装置の構造及び性能の記事から確認する
逆流防止措置の具体的な選定や、給水装置の設計の可否は、水道事業者ごとの供給規程で定められています。実際の設計・施工では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が14問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの14問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置の概要
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
最も狙われるのが、負圧破壊性能試験の数値のすり替えです。
「流入側」を「流出側」に、「−54kPa」を「−20kPa」に、バキュームブレーカの「75mm」を減圧式逆流防止器の「3mm」に入れ替えた肢が繰り返し出ています。3つとも省令の条文どおりかを見てください。
もう1つが150mmです。100mmに緩めた肢が出ますが、省令は越流面の上方150mm以上で、「端の数字を緩める」型の引っかけだと分かれば見抜けます。