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指定するのは水道事業者だよね。じゃあ基準も水道事業者が決めるのかな。
この言い方、正しそうに見えるんだけど。
この記事の要点
指定するのは水道事業者です。しかし基準は水道法が定めていて全国一律で、水道事業者が独自に決めることはできません。
指定の有効期間は5年です。令和元年10月1日より前は無期限でした。
更新のとき水道事業者が確認する項目は4つです。受注実績は入りません。
「指定するのは水道事業者」と「基準を決めるのも水道事業者」は、別のことです。
ここを混ぜた肢が2年度出ています。制度の成り立ちを見れば理由が分かります。
指定するのは水道事業者です。基準を決めるのは水道法です。
水道法(昭和32年法律第177号)第16条の2第1項
水道事業者は、当該水道によつて水の供給を受ける者の給水装置の構造及び材質が前条の規定に基づく政令で定める基準に適合することを確保するため、当該水道事業者の給水区域において給水装置工事を適正に施行することができると認められる者の指定をすることができる。
指定という行為は水道事業者が行います。しかし何を満たせば指定するかは、次の条が定めています。
水道法 第25条の3第1項(指定の基準)
水道事業者は、第16条の2第1項の指定の申請をした者が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の指定をしなければならない。
適合していれば指定をしなければならないという書き方です。水道事業者に、独自の基準を足す余地はありません。
「指定の基準は水道事業者ごとに定められている」とした肢は、令和元年と令和6年に誤りとして出ています。
改正前がそうではなかったからです。
厚生省 平成9年8月11日 衛水第216号 第一の一
今回の水道法の一部改正は、従来より行われてきた水道事業者による給水装置の水道指定工事店制度において、その指定要件が水道事業者ごとに異なること及び参入制限的な指定要件の設定や運用が散見されることから、給水装置工事事業者の円滑な事業活動を確保するため、水道法に水道事業者による給水装置工事事業者の指定制度を新たに設け、明確かつ一律の指定の基準を定めたものであること。
「事業者ごとに異なる」ことが直そうとした問題そのものでした。指定給水装置工事事業者に係る規定が施行されたのは平成10年4月1日です。
同じ通知は、指定の基準や申請手続、遵守事項、取消しについて水道事業者が別に独自の内容を供給規程に定めることはできないとも述べています。
申請書の様式も施行規則が定めているため、手続きは全国で統一されています。
3つです。人と、道具と、欠格要件です。
| 要件 | 内容(法第25条の3第1項) |
|---|---|
| 人 | 事業所ごとに、給水装置工事主任技術者として選任されることとなる者を置く者であること |
| 道具 | 国土交通省令で定める機械器具を有する者であること |
| 欠格 | 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、指定を取り消されて2年を経過しない者などに該当しないこと |
機械器具は施行規則第20条が4つ挙げています。管の切断用、加工用、接合用の機械器具と、水圧テストポンプです。
5年です。3年ではありません。
水道法 第25条の3の2第1項(指定の更新)
第16条の2第1項の指定は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。
この更新制が始まったのは令和元年10月1日で、それより前の指定に期限はありませんでした。
「3年間の有効期間が設けられている」とした肢は、令和7年に誤りとして出ています。
更新するのは事業者の指定であって、主任技術者ではありません。主任技術者にも更新があるとした肢は、令和4年と令和7年の2回とも誤りです。
4つです。実績のうち、確認されないものが1つあります。
| 確認する項目 | 見るもの |
|---|---|
| 事業者講習会の受講実績 | 水道事業者が実施する講習会を過去5年以内に受けたか |
| 業務内容 | 営業日と営業時間、修繕対応時間、漏水等の修繕に対応できるか、対応する工事の種別 |
| 主任技術者等の研修受講実績 | 研修会名、実施団体、受講年月日 |
| 技能を有する者の状況 | 分水栓の取付け・穿孔と給水管の接合の経験があるか、配管技能士などの資格を持つか |
令和4年には、この4つに「指定給水装置工事事業者の受注実績」を混ぜた肢が誤りとして出ています。見られるのは仕事の量ではなく、適正に施行できる状態が続いているかです。
法が8つ挙げています。求めに応じないことも含まれます。
水道事業者は給水装置の検査を行うとき、その工事を施行した事業所の主任技術者を検査に立ち会わせることを求められます。正当な理由なくこれに応じないと、指定の取消し事由になります。
施行した給水装置工事に関する報告又は資料の提出を求められたときも同じです。応じない場合と、虚偽の報告をした場合の両方が取消し事由です。
ほかに、事業の運営の基準に従った運営ができないと認められるとき、変更の届出をしないとき、不正の手段で指定を受けたときなどがあります。
指定給水装置工事事業者の指定の基準は誰が定めているか。
水道法です。第25条の3が全国一律に定めており、「水道事業者ごとに定められている」とした肢は令和元年と令和6年に誤りとして出ています。
申請者が指定の基準に適合しているとき、水道事業者はどうするか。
指定をしなければなりません。第25条の3第1項が「指定をしなければならない」と定めており、断る裁量はありません。
指定の有効期間は何年か。
5年です。令和元年10月1日に更新制が導入されるまでは無期限でした。
更新時に水道事業者が確認することが望ましい事項に、受注実績は含まれるか。
含まれません。確認するのは事業者講習会の受講実績、業務内容、主任技術者等の研修受講実績、技能を有する者の従事状況の4つです。
給水装置の検査で主任技術者の立会いを求められ、正当な理由なく応じないとどうなるか。
指定の取消し事由になります。報告又は資料の提出の求めに応じない場合も同じです。
> 水道事業者が守らせる相手の範囲は専用水道・簡易専用水道を確認する
> 指定を受けた後に守る運営の基準は水道法施行規則第36条(事業の運営の基準)で扱っています
更新の手続きや提出書類の様式は水道事業者ごとに案内が異なります。実務では指定を受けている水道事業者の案内をご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が20問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの20問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
水道行政
給水装置の概要
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
主語をすり替えた肢が繰り返し出ます。
指定を「する」のは水道事業者ですが、基準を「定める」のは水道法です。水道事業者ごとに基準があるという記述は、平成8年改正の前の姿です。
数字も入れ替わります。有効期間は5年で3年ではなく、更新するのは指定で主任技術者ではありません。