給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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硬質ポリ塩化ビニル管とは?耐衝撃性・耐熱性との違いと接着後24時間

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塩ビ管は強いのか弱いのか、肢によって書き方が逆になります。

似た名前の管も3つあって、どれがどれか混ざります。

この記事の要点

強いのは耐食性と耐電食性で、引張降伏強さも他の樹脂管に比べれば大きいほうです。

弱いのは熱と衝撃です。この強弱を入れ替えた肢が繰り返し出ています。

接着接合のあとは24時間以上おいてから通水や水圧試験を行います。

この管は6年度すべてに顔を出し、概要科目だけで12問に関わっています。

聞かれ方は決まっていて、性質の強弱か、3兄弟の取り違えか、数字の差し替えのどれかです。

硬質ポリ塩化ビニル管の出題の型を示す図。左は誤りとして出た記述で、引張降伏強さが小さいとしたもの(令和5年問42(4)・令和7年問42(2))と、接着後12時間で通水試験としたもの(令和3年問43(4))。右は正しい肢で、引張降伏強さは比較的大きく弱いのは熱と衝撃のほう(令和3年問41(2))、接着後は24時間以上おく(令和6年問41(4))。下段は3種類の比較で、硬質ポリ塩化ビニル管は耐食性・耐電食性に優れ熱と衝撃に比較的弱い、耐衝撃性は衝撃強度を高めたが直射日光に長く当たると低下する、耐熱性は90度以下の給湯配管に使えるが伸縮量が大きいので吸収が要る。
強弱と数字と名前。この3つが入れ替えられる。※公表正答から整理した図。

何に強くて、何に弱いのか

強いのは腐食で、弱いのは熱と衝撃です。

金属ではないので錆びず、電食も起こしません。土のなかの迷走電流で侵食される心配がないので、金属管の侵食で問題になる話が当てはまりません。

いっぽうで「難燃性であるが、熱及び衝撃には比較的弱い」という肢は令和3年に正しい肢として出ています。燃えにくいことと熱に強いことは別だ、という書き分けです。

引張降伏強さは大きいのか小さいのか

比較的大きいほうです。

「他の樹脂管に比べると引張降伏強さが小さい」とした肢は、令和5年 問42と令和7年 問42の2年度とも誤りでした。

どちらの肢も、耐食性と耐電食性の部分は正しいまま置いてあります。最後の1語だけを裏返す型なので、前半を読んで正しいと決めると落とします。

耐衝撃性と耐熱性は何を変えたのか

もとの管の弱点を、1つずつ直したものです。

種類 性質と、出題での扱われ方
硬質ポリ塩化ビニル管 耐食性・耐電食性に優れる。熱と衝撃には比較的弱い
耐衝撃性 衝撃強度を高めたもの。長期間、直射日光に当たると耐衝撃強度が低下することがある
耐熱性 90℃以下の給湯配管に使用できる。金属管より温度による伸縮量が大きい

耐衝撃性を「直射日光に当たっても耐衝撃強度が低下することはない」とした肢は令和5年に誤りで、逆に「低下することがある」と書いた令和7年の肢は正しい肢でした。

耐熱性のほうは伸縮量が大きいので、配管方法で伸縮を吸収する必要があります。「瞬間湯沸器用の配管に適している」とした肢は令和5年に誤りでした。

継手と接合方法は何があるのか

継手は2つの材質、接合は2つの方法です。

給水装置標準計画・施工方法 3.8 配管工事 5)硬質塩化ビニル管・耐衝撃性硬質塩化ビニル管の接合(国土交通省)

ビニル管の接合は、接着剤を用いたTS継手、ゴム輪形継手、メカニカル継手を使用する。

(1)TS継手による接合 i)接着剤は、均一に薄く塗布する。ii)接着剤を塗布後、直ちに継手に挿し込み、管の戻りを防ぐため、口径50mm以下は30秒以上、口径75mm以上は60秒以上そのまま保持すること。iii)はみ出した接着剤は、直ちに拭きとる。

継手の材質は硬質ポリ塩化ビニル製とダクタイル鋳鉄製の2つで、接合方法は接着剤によるTS接合とゴム輪によるRR接合です。この組み合わせを書いた肢は令和5年 問43と令和7年 問43の2年度とも正しい肢でした。

令和元年 問43はここを穴埋めにしていて、正答は(1)、TS接合の空欄に入る語は接着剤でした。ろう付とした選択肢は誤りです。

接着したあと、どれくらい置くのか

24時間以上です。

「接着後12時間以上経過してから」とした肢は令和3年 問43で誤りでした。同じ文の数字を24時間にした令和6年 問41の肢は正しい肢です。

令和6年 問41で誤りとされたのは別の肢で、保持したあと管路を密閉し十分養生すると書いた部分です。同じ文が令和3年にはこの一句なしで正しい肢として出ています。

なぜ有機溶剤に触れさせてはいけないのか

管とゴム輪が侵されて、漏水と水質の事故になるからです。

ガソリン、灯油、油性塗料、クレオソート、シロアリ駆除剤などに長期間接すると、亀裂や膨潤軟化が起こります。この記述は令和3年と令和7年の2年度とも正しい肢として出ています。

だから浸透のおそれがある場所では、この管を避けて金属管を使うか、さや管で防護します。場所ごとの扱いは水道水の汚染防止で扱っています。

まちがえやすいポイント

引張降伏強さは大きいほうです。小さいと書いてあったら誤りで、弱いのは熱と衝撃のほうです。

耐衝撃性は直射日光で強度が落ちます。落ちないと書いた肢は誤りでした。

通水や水圧試験は接着後24時間以上。12時間は誤りの数字です。

理解度チェック

Q.

硬質ポリ塩化ビニル管の引張降伏強さは、他の樹脂管と比べてどうか。

比較的大きいほうです。小さいとした肢は令和5年と令和7年の2年度とも誤りでした。

Q.

この管が弱いのは何か。

熱と衝撃です。難燃性であることと熱に強いことは別に書き分けられています。

Q.

耐衝撃性硬質ポリ塩化ビニル管は直射日光に強いか。

長期間当たると耐衝撃強度が低下することがあります。低下しないとした肢は誤りでした。

Q.

接合方法は何と何か。

接着剤によるTS接合と、ゴム輪によるRR接合です。継手は硬質ポリ塩化ビニル製とダクタイル鋳鉄製があります。

Q.

接着接合のあと、通水試験はいつから行えるか。

接着剤の施工要領を厳守したうえで、接着後24時間以上経過してからです。

まとめ

  • 強いのは耐食性と耐電食性、弱いのは熱と衝撃。
  • 引張降伏強さは比較的大きい。小さいとした肢は2年度とも誤り。
  • 耐衝撃性は直射日光で強度が低下することがある
  • 耐熱性は90℃以下の給湯配管に使え、伸縮量が大きい。
  • 接合はTS接合(接着剤)とRR接合(ゴム輪)。通水は接着後24時間以上

> 接合作業そのものの手順は給水管の接合で扱っています

接着剤の保持時間や養生時間は製品ごとの施工要領によります。実務では使用する接着剤と継手の要領書にしたがってください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が13問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの13問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」3.8 配管工事 5)硬質塩化ビニル管・耐衝撃性硬質塩化ビニル管の接合。継手の種類、TS継手の接着剤の塗布と保持時間(口径50mm以下は30秒以上、75mm以上は60秒以上)、ゴム輪形継手の手順は同資料によります。
  • ※ 管の性質(引張降伏強さ、耐電食性、直射日光による耐衝撃強度の低下、耐熱性の使用温度と伸縮量)については、同資料に記述がありません。これらは各年度に出題された記述と、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した正答番号から確定したものです。
  • ※ 正誤の判定に用いた出題と正答は次のとおりです。令和元年 問42=(1)、令和元年 問43=(1)、令和3年 問41=(5)、令和3年 問43=(4)、令和5年 問42=(4)、令和5年 問43=(2)、令和6年 問41=(3)、令和7年 問42=(2)、令和7年 問43=(1)。
  • ※ 令和6年 問41(3)がどの語で誤りになったかは、令和3年 問43(2)にある同じ文と比べて、末尾の「管路を密閉し十分養生する」の一句が加わっている点から判断しました。正しい養生の方法そのものを定めた記述は、上記資料には見あたりません。
  • ※ 硬質塩化ビニルライニング鋼管(SGP-VA・VB・VD)は別の管です。ライニング鋼管と管端防食で扱っています。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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