給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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洗浄弁と洗浄タンクの違いは?大便器の洗浄弁だけ桁が違う理由

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洗浄弁と洗浄タンクで何が変わるんだろう。

口径の数字も出てきて混乱する。

この記事の要点

大便器の洗浄弁は70〜130L/minで、対応する口径は25mmです。

ほかの便器はすべて13mmです。

便器の閉塞による逆流を防ぐため、バキュームブレーカを備えます。

洗浄弁はタンクに貯めず、直接まとめて流します。

だから瞬間の水量が桁違いに大きくなります。

洗浄弁と洗浄タンクの使用水量と口径を示す表。小便器の洗浄タンクは12から20L毎分で口径13mm、小便器の洗浄弁は15から30L毎分で口径13mm、1回4から6秒の吐水量は2から3L。大便器の洗浄タンクは12から20L毎分で口径13mm、大便器の洗浄弁は70から130L毎分で口径25mm、1回8から12秒の吐水量は13.5から16.5L。便器が詰まると汚水がたまり管内が負圧になると逆流するおそれがあるため、バキュームブレーカを備えた洗浄弁を用いる。過去問で誤りとされた記述は、配管は口径20mm以上としなければならない(令和3年)と、ミキシングバルブが設定流量の湯を吐水する(令和元年)。
大便器の洗浄弁だけ数字が違う。※関係をつかむための模式図。

洗浄弁と洗浄タンクで何が変わるのか

必要な水量が変わります。

標準計画の表を見ると、便器4種のうち大便器(洗浄弁)だけが他と大きく違います。

用途 使用水量(L/min) 対応する口径(mm)
小便器(洗浄タンク) 12〜20 13
小便器(洗浄弁) 15〜30 13
大便器(洗浄タンク) 12〜20 13
大便器(洗浄弁) 70〜130 25

備考欄には、小便器(洗浄弁)が1回(4〜6秒)の吐水量2〜3L、大便器(洗浄弁)が1回(8〜12秒)の吐水量13.5〜16.5Lと記されています。

口径は何mm以上なのか

表では25mmです。

「大便器洗浄弁は…洗浄管を介して大便器に直結されるため、瞬間的に多量の水を必要とするので配管は口径20mm以上としなければならない」とした肢は、令和3年に誤りとして出ています。

標準計画の表-2.3.2は、大便器(洗浄弁)に対応する給水用具の口径を25mmとしています。20mmではありません。

口径の決め方そのものは所要水頭と口径決定で扱っています。

なぜバキュームブレーカが要るのか

便器が詰まったときに逆流するからです。

水道施設設計指針 9.3 逆流防止「1)洗浄弁など」

給水管に大便器用洗浄弁を直結して使用する場合、便器が閉塞し、汚水が便器の洗浄孔以上に溜まり、給水管内に負圧が生じ、便器内の汚水が逆流するおそれがある。この対策として、バキュームブレーカを備えた洗浄弁を用いて、便器内汚水の逆流を防止する。

「大便器洗浄弁は、大便器の洗浄に用いる給水用具であり、バキュームブレーカを付帯するなど逆流を防止する構造となっている」は、令和元年に正しい肢として出ています。

バキュームブレーカそのものはバキュームブレーカで扱っています。

小便器の側はどうなっているのか

洗浄弁でも13mmです。

小便器は1回の吐水量が2〜3Lなので、大便器のような大きな口径は要りません。設計指針は小便器用洗浄弁と小便器洗浄水栓が直結で使用されることにも触れています。

小便器洗浄弁の手動式は、ピストン式とダイヤフラム式の2つです。令和3年はこの形が正しい肢で、令和4年は「ピストン式」をニードル式に差し替えた肢が誤りでした。

自動式と手動式の2種類がある点はどちらの年度でも共通です。変えられたのは手動式の弁構造だけでした。

吐水量が少ない分、故障の現れ方も変わります。処置は給水用具の故障と対策で扱っています。

ミキシングバルブはどう問われたか

吐水するものが差し替えられました。

「ミキシングバルブは、湯・水配管の途中に取付けて、湯と水を混合し、設定流量の湯を吐水するための給水用具であり、ハンドル式とサーモスタット式がある」とした肢は、令和元年に誤りとして出ています。

令和3年も「設定温度の湯を吐水する給水用具であり、2ハンドル式とシングルレバー式がある」とした肢が誤りでした。2年度とも誤りで、差し替えられた箇所が両年度で違います。

誤りと確定できるのはこの記述全体についてであり、どの語が正しい形なのかは公表された正答からは確定できません。本記事では踏み込んでいません。

同じ問題では、2ハンドル式の混合水栓について「湯側・水側の2つのハンドルを操作し、吐水・止水、吐水量の調整、吐水温度の調整ができる」が正しい肢として出ています。

まちがえやすいポイント

大便器の洗浄弁だけが70〜130L/min・25mm。ほかの3つは12〜30L/min・13mmです。

「口径20mm以上」は誤りとされています。表の値は25mmです。

洗浄弁にバキュームブレーカが要るのは、便器が詰まったときを想定しているためです。

理解度チェック

Q.

大便器(洗浄弁)の使用水量と口径は。

70〜130L/minで、対応する給水用具の口径は25mmです。

Q.

大便器(洗浄タンク)ではどうか。

12〜20L/minで口径は13mmです。小便器はタンク式も洗浄弁式も13mmです。

Q.

なぜ洗浄弁にバキュームブレーカを備えるのか。

便器が閉塞して汚水が溜まり、給水管内に負圧が生じると便器内の汚水が逆流するおそれがあるためです。

Q.

大便器洗浄弁の1回の吐水量は。

1回(8〜12秒)で13.5〜16.5Lです。小便器洗浄弁は1回(4〜6秒)で2〜3Lです。

Q.

2ハンドル式の混合水栓では何ができるか。

湯側・水側の2つのハンドルを操作し、吐水・止水、吐水量の調整、吐水温度の調整ができます。

まとめ

  • 大便器(洗浄弁)=70〜130L/min・口径25mm。ほかの便器は12〜30L/min・13mm。
  • 1回の吐水量は大便器洗浄弁が13.5〜16.5L、小便器洗浄弁が2〜3L。
  • 「配管は口径20mm以上」とした肢は誤り。
  • 便器の閉塞による逆流を防ぐためバキュームブレーカを備えた洗浄弁を用いる。
  • ミキシングバルブを「設定流量の湯を吐水する」とした肢は誤り。

> 同時使用水量の計算は同時使用水量の算定方法で扱っています

表の値は標準的な目安です。実際の設計は水道事業者の基準にしたがってください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が6問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの6問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」(PDF)表-2.3.2 種類別吐水量と対応する給水用具の口径。使用水量・口径・1回の吐水量は同表によります。抽出テキストでは列がずれるため、同ページを画像化して4列(用途/使用水量/口径/備考)の対応を目視で確認しました。
  • 厚生労働省「水道施設設計指針」抜粋(PDF)9.3 逆流防止。バキュームブレーカを備えた洗浄弁を用いる理由は同資料によります。
  • ※ 正誤の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号によります(令和元年 問45、令和3年 問46・問47、令和4年 問45)。
  • ※ ミキシングバルブについては、誤りとされた記述のどの語が正しい形なのかを確定できないため、正しい説明を記していません。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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