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逆止弁って名前がいくつもあるけど、何がどう違うんだろう。
リフト式とスイング式は、いつもどっちがどっちか分からなくなる。
この記事の要点
逆止弁はばね式・リフト式・スイング式・ダイヤフラム式の4つに分けられます。ばね式はさらに5種類に分かれます。
出題の中心はリフト式とスイング式の入れ替えです。垂直に作動するのがリフト式で、これをスイング式と書いた肢は令和6年に誤りでした。
逆止弁付メーターパッキンはスプリング式です。「スイング式」と書いた肢が令和7年に誤りとして出ています。
同じ説明文を別の名前に付け替える問題が、5年度つづけて出ています。
構造の説明を1行ずつ名前と結んでおけば、付け替えられてもその場で気づけます。
弁体の動かし方です。国土交通省の給水装置標準計画・施工方法が4つに分けています。
給水装置標準計画・施工方法 3.9.4(逆止弁の種類)
(1) ばね式 弁体がばねによって弁座を押しつけ、逆止機能を高めた構造である。
(2) リフト式 弁体が弁箱又は蓋に設けられたガイドによって弁座に対し垂直に作動し、弁体の自重で閉止の位置に戻る構造である。
(3) スイング式 弁体がヒンジピンを支点として自重で弁座面に圧着し、通水時に弁体が押し開かれ、逆圧によって自動的に閉止する構造である。
(4) ダイヤフラム式 ゴム製のダイヤフラムが流れの方向によりコーンの内側に収縮したとき通水し、密着したとき閉止となる構造である。
ダイヤフラム式は逆流防止のほかに、水撃作用や給水栓の異常音の緩和にも用いられます。
設置のときは向きの制約もみます。同3.9.4は水平取付けのみのものや立て取付け可能なものがあるとして、適切なものを選ぶことと、維持管理が容易な箇所に設置することを挙げています。
弁体の数と、点検のしやすさです。
給水装置標準計画・施工方法 3.9.4(ばね式)
i) 単式逆止弁 1個の弁体をばねによって弁座に押しつける構造のもので給水管に取り付けて使用する。
ii) 複式逆止弁 個々に独立して作動する二つの逆止弁が組み込まれ、その弁体は、それぞればねによって弁座に押しつけられているので、二重の安全構造となっているもの。
iii) 二重式逆流防止器 複式逆止弁と同じ構造であるが、各逆止弁のテストコックによる性能チェック及び作動不良時の逆止弁の交換が、配管に取付けたままできる構造である。
複式逆止弁と二重式逆流防止器は構造が同じで、違うのはテストコックの有無だけです。
この2つを説明した肢は、令和3年・令和6年に正しい肢として出ています。差し替えられていないので、そのまま覚えて構いません。
残る2つは中間室を持つ型です。中間室大気開放式は、逆サイホン作用が生じると二つの逆止弁が閉止し通気弁が開いて中間室が大気開放となるため、バキュームブレーカとして働きます。
減圧式逆流防止器は、第1逆止弁と第2逆止弁に加えて漏れ水を自動的に排水する逃し弁をもつ中間室を組み合わせた構造です。
令和4年は、この逃し弁と中間室の説明に「中間室大気開放型逆流防止器」を当てた選択肢が誤りでした。逃し弁が出てきたら減圧式です。
リフト式です。この2つの型式名は令和3年・4年・6年の3年度で入れ替えられています。
令和3年は「弁体が弁箱又は蓋に設けられたガイドによって弁座に対し垂直に作動し、弁体の自重で閉止の位置に戻る」の空欄を埋める問題で、公表正答はリフト式逆止弁でした。
令和6年は同じ説明文を「スイング式逆止弁は」で書き出しており、これが誤りの肢です。
スイング式のほうは、弁体がヒンジピンを支点として自重で弁座面に圧着します。令和4年の空欄補充でも、この文の答えはスイング式逆止弁でした。
使い分けは損失水頭で決まります。標準計画3.9.4は次のように書き分けています。
| 型式 | 損失水頭 | 取付けと留意点 |
|---|---|---|
| リフト式 | 比較的大きい | 水平に設置する制約を受けるが、故障を生じる割合が少ないので湯沸器の上流側に用いられる |
| スイング式 | リフト式に比べ小さい | 立て方向の取付けが可能で使用範囲が広い。長期間の使用でスケールによる機能低下や、水撃圧等による異常音がある |
単式逆止弁については、I形が逆流防止性能の維持状態を確認できる点検孔を備え、II形は点検孔のないものだとした肢が令和3年に正しい肢として出ています。
逆止弁が2つとも故障しても逆流を止められるからです。
標準計画3.9.4は、逆流圧力が一次側圧力より高くなる場合はダイヤフラムの働きで逃し弁が開き、中間室内の設定圧力に低下するまで排水されるとしています。第1、第2の両逆止弁が故障しても、逆流防止ができる構造です。
そのぶん構造が複雑で、機能を良好な状態に確保するための管理が必要になります。通気口は完全に管理し、汚染物が内部に入らないようにしなければなりません。
「逆止弁に比べ損失水頭が大きいが、逆流防止に対する信頼性は高い。構造が複雑であり、テストコックを用いた定期的な性能確認及び維持管理が必要」とした記述は、令和5年に正しい肢として出ています。
令和3年にも「構造が複雑であり、テストコックを用いた定期的な性能確認及び維持管理が必要」という短い形で、正しい肢として出ています。
性能基準の側でも、減圧式は別扱いです。省令第5条は逆止弁のうち減圧式逆流防止器だけに、逆流防止性能に加えてマイナス54キロパスカルの負圧破壊性能を求めています。
国土交通省の解説は、その理由を逆流防止機能と負圧破壊機能を併せ持つ装置であることに置いています。設置場所の考え方も一次資料に書かれています。
化学薬品工場やめっき工場など有毒物等を取り扱う場所では、最も確実な逆流防止措置として受水槽式とすることが原則です。減圧式を設置する場合は、ごみ等により機能が損なわれないよう維持管理を確実に行う必要があります。
直結加圧形ポンプユニットを使う直結増圧式でも、逆流防止機器は減圧式逆流防止器等の信頼性の高い逆止弁とすると定められています。
スプリング式です。水道メーターの接合部に使うパッキンに、逆流防止弁を兼ね備えた構造になっています。
逆流防止機能が必要な既設配管の内部に、新たに設置できる点が利点です。この記述は令和4年と令和6年に正しい肢として出ています。
令和7年はこれを「スイング式の逆流防止弁を兼ね備えた」と書いており、誤りの肢です。パッキンの中に収まる大きさなので、ヒンジピンで回る型ではありません。
令和3年は型式を「スプリング式」と正しく書いたうえで、末尾に「構造が複雑で2年に1回交換する必要がある」と付け足して誤りの肢にしていました。交換の周期は定められていません。
逆止弁を付けたことをもって逆流防止措置とはしません。
国土交通省の逆流防止性能基準の解説は、水が逆流するおそれのある場所では、逆流防止性能基準か負圧破壊性能基準に適合する給水用具の設置、または規定の吐水口空間の確保のいずれかひとつを確実に行うことを求めています。
そのうえで、基準を満たさない逆止弁等を付加的に設置することは妨げないとしています。付け足すのは自由でも、それが本体の措置にはならないという整理です。
「ばね式、リフト式、スイング式逆止弁を、水を受ける容器や施設に給水するための構造材質基準に基づく逆流防止措置とすることは避ける必要がある」とした記述は、令和7年に正しい肢として出ています。
井戸水配管など水道以外の管との連結は、逆止弁の有無にかかわらず禁止です。こちらはクロスコネクションで扱っています。
弁体がガイドによって弁座に対し垂直に作動し、自重で閉止の位置に戻るのはどの型式か。
リフト式です。この文をスイング式として出した肢は令和6年に誤りでした。
複式逆止弁と二重式逆流防止器の違いは何か。
構造は同じで、二重式は各逆止弁のテストコックによる性能チェックと交換が、配管に取り付けたままできます。
第1逆止弁と第2逆止弁の間に、差圧で作動する逃し弁を備えた中間室を持つのはどれか。
減圧式逆流防止器です。令和4年はここに中間室大気開放型を当てた選択肢が誤りでした。
逆止弁付メーターパッキンの逆流防止弁は何式か。
スプリング式です。令和7年に「スイング式」とした肢が誤りとして出ています。
水が逆流するおそれのある場所で求められる措置は何か。
逆流防止性能基準か負圧破壊性能基準に適合する給水用具の設置、または規定の吐水口空間の確保のいずれかひとつです。ばね式・リフト式・スイング式の逆止弁をこの措置とすることは避けます。
> 吐水口空間の数値は吐水口空間で、負圧を破壊する側の用具はバキュームブレーカで整理しています
給水用具の選定や設置位置の扱いは、水道事業者の供給規程や設計施工指針によって異なります。実際の施工では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が11問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの11問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置の概要
給水装置の構造及び性能
水道行政
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
まちがえやすいポイント
名前と構造の説明文が1対1で結ばれています。文だけを読んで正誤を決めると、付け替えに気づけません。
垂直に動くのがリフト式、ヒンジピンで回るのがスイング式です。
損失水頭までセットで覚えると迷いません。リフト式が比較的大きく、スイング式はそれより小さいほうです。