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浸出性能基準は、給水装置の全部にかかるものだと思っていました。
ふろの水栓が対象外になる理由が分かりません。
この記事の要点
対象になるのは、通常の使用状態で飲用に供する水が接触する給水管と給水用具です。
ふろ用や食器洗浄用の水栓、食器洗い機、散水栓は対象外です。含まれるとした肢が令和6年に誤りとして出ています。
基準値は設置位置で変わり、末端の給水用具ほど厳しくなります。ただし、すべての項目が10分の1になるわけではありません。
浸出性能基準は令和4年・5年・6年の3年度で出ています。うち2年度は「対象外になる給水用具はどれか」を直接聞いています。
判断の基準はひとつなので、そこを図で押さえます。
給水装置から溶け出したものが水を汚すのを防ぐためです。
浸出性能基準は、給水装置から金属などが浸出し、飲用に供される水が汚染されることを防止するためのものです。この説明は令和6年に正しい肢として出ています。
給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号)第2条第1項
飲用に供する水を供給する給水装置は、国土交通大臣及び環境大臣が定める浸出に関する試験(以下「浸出性能試験」という。)により供試品(…)について浸出させたとき、その浸出液は、別表第一の上欄に掲げる事項につき、水栓その他給水装置の末端に設置されている給水用具にあっては同表の中欄に掲げる基準に適合し、それ以外の給水装置にあっては同表の下欄に掲げる基準に適合しなければならない。
冒頭の「飲用に供する水を供給する給水装置は」が、対象を決めています。
飲用に供する水が触れるものです。
洗面所の水栓、継手類、バルブ類は対象になります。令和5年は、この3つを対象になる側の選択肢として並べました。
受水槽用ボールタップと冷水機も対象です。令和4年は、この2つを対象外の組み合わせに含めない形で出題されています。
対象外です。ここが最も問われています。
「浸出性能試験の適用対象は、通常の使用状態において飲用に供する水が接触する可能性のある給水管及び給水用具に加えて、ふろ用、食器洗浄用の水栓も含まれる」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。
令和5年は「浸出性能基準の適用対象外となる給水用具」を選ばせる問題で、答えはふろ用の水栓でした。
令和4年は組み合わせを選ばせる形で、対象外は食器洗い機と散水栓です。どちらも飲用の水が触れる前提の器具ではありません。
洗浄弁・洗浄装置付便座・ロータンク用ボールタップも対象外で、こちらは水の汚染防止の問題のなかで3年度にわたり問われています。令和3年は「対象となる」として誤り、令和4年は「対象外である」として正しい肢、令和7年は対象に洗浄弁を混ぜて誤りの形でした。
国土交通省の解説資料が、代表例を対象と対象外に分けて挙げています。
| 扱い | 器具の例 |
|---|---|
| 対象 | 給水管/継手類/バルブ類/受水槽用ボールタップ/先止め式瞬間湯沸器及び貯湯湯沸器/台所用・洗面所用等の水栓/元止め式瞬間湯沸器及び貯蔵湯沸器/浄水器/自動販売機/冷水機 |
| 対象外 | ふろ用・洗髪用・食器洗浄用等の水栓/洗浄弁/洗浄装置付き便座/散水栓/水洗便所のロータンク用ボールタップ/ふろ給湯専用の給湯機及びふろがま/自動食器洗い器 |
ボールタップは受水槽用が対象で、水洗便所のロータンク用は対象外です。同じ名前でも、その先の水を飲むかどうかで分かれます。
この一覧は通常の使用状態を前提にした判断の目安で、個別の判断は当該器具の使用状態に即して行う必要があるとされています。
器具の全部ではありません。
自動販売機や製氷機は、給水管との接続口から給水用具内の水受け部への吐水口までの間の部分について評価を行えばよいとされています。この記述は令和6年に正しい肢として出ています。
その先は飲用に供する水が接触する経路から外れる、という切り分けです。
末端の給水用具のほうが厳しくなります。
同 別表第一(抜粋)
鉛及びその化合物 末端に設置されている給水用具:鉛の量に関して、〇・〇〇一mg/l以下であること。/それ以外の給水装置:鉛の量に関して、〇・〇一mg/l以下であること。
別表第一は44項目あり、そのうち末端の給水用具の値が10分の1になっているのは32項目です。
残りは同じではありません。アミン類、エピクロロヒドリン、酢酸ビニル、スチレン、トルエンジアミン類、ブタジエン類の8項目は中欄と下欄が同じ値です。
非イオン界面活性剤は4倍、有機物(全有機炭素の量)は6倍で、味と臭気はどちらも「異常でないこと」と定められています。
材料そのものの試験はできません。
浸出性能試験では、最終製品で行う器具試験のほか、部品試験や材料試験も選べます。
国土交通省「浸出性能基準」1.基準の考え方
浸出性能試験としては、最終製品で行う器具試験のほか、部品試験や材料試験も選択できる。ただし、金属材料については材料試験を行うことはできない。これは、金属の場合、最終製品と同じ材質の材料を用いていても、表面加工方法、冷却方法等が異なると金属等の浸出量が大きく異なるとされているためである。
この内容は令和6年に、そのままの形で正しい肢として出ています。
浸出性能試験に供されるのは、器具そのもの、その部品、又は金属以外の材料です。省令の括弧書きが供試品をそう定めています。
浸出性能基準の適用対象を決めているのは何か。
通常の使用状態において飲用に供する水が接触するかどうかです。省令第2条第1項が「飲用に供する水を供給する給水装置は」と定めています。
ふろ用の水栓は適用対象か。
対象外です。ふろ用や食器洗浄用の水栓も含まれるとした肢は、令和6年に誤りとして出題されています。
食器洗い機と散水栓の扱いはどうなるか。
どちらも適用対象外です。令和4年に、この2つの組み合わせが対象外として出題されています。
末端の給水用具と、それ以外とで基準値はどう違うか。
末端のほうが厳しく、鉛なら0.001mg/Lと0.01mg/Lです。別表第一の44項目のうち32項目が10分の1で、8項目は同じ値です。
金属材料の材料試験は行えるか。
行えません。表面加工方法や冷却方法等が異なると浸出量が大きく異なるためです。
> 同じ省令が定める他の性能は耐久性能基準から順に見ると早いです
個々の製品が基準に適合しているかどうかは、認証の有無や試験成績によって確かめる必要があります。実務ではメーカーの資料と所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が15問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの15問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置の構造及び性能
給水装置の概要
給水装置施工管理法
給水装置工事事務論
水道行政
まちがえやすいポイント
器具の名前を覚えるのではなく、飲用に供するかどうかで切ってください。
ふろ用と食器洗浄用の水栓は、水栓であっても対象外です。逆に受水槽用ボールタップや冷水機は対象になります。
数値のほうも、すべてが10分の1ではない点に注意してください。同じ値の項目が8つあります。