給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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主任技術者の選任と指名はどう違う?事業所ごとと工事ごとの使い分け

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主任技術者って、工事のたびに決めるものなのかな。

それとも会社に1人いればいいの?

この記事の要点

主任技術者の選任は事業所ごと指名は工事ごとです。2階建ての仕組みで、根拠になる条文も別です。

選任したときも解任したときも、届け出る相手は水道事業者。国ではありません。

5年ごとに更新するのは主任技術者ではなく、指定給水装置工事事業者の指定のほうです。

選任と指名は別の行為です。

まず事業所ごとに人を選び、その中から工事ごとに担当を決めます。段が2つあります。

主任技術者の選任と指名の違いを示す図。指定給水装置工事事業者は事業所ごとに主任技術者を選任し、選任した主任技術者のうちから工事ごとに職務を行う者を指名する。届出先は水道事業者で、選任のときも解任のときも遅滞なく届け出る。5年ごとの更新は指定給水装置工事事業者の指定のほう。
上段が選任(事業所ごと・法)、下段が指名(工事ごと・施行規則)。根拠が別の条文にある。

選任はどの単位で行うのか

事業所ごとです。

水道法 第25条の4第1項

指定給水装置工事事業者は、事業所ごとに、第三項各号に掲げる職務をさせるため、国土交通省令で定めるところにより、給水装置工事主任技術者免状の交付を受けている者のうちから、給水装置工事主任技術者を選任しなければならない。

選べるのは免状の交付を受けている者の中からです。

「工事ごとに選任しなければならない」とした肢は令和3年に誤りとして出ています。

指名はどの単位で行うのか

こちらが工事ごとです。根拠は法ではなく施行規則にあります。

水道法施行規則 第36条第1号(事業の運営の基準)

給水装置工事(第十三条に規定する給水装置の軽微な変更を除く。)ごとに、法第二十五条の四第一項の規定により選任した給水装置工事主任技術者のうちから、当該工事に関して法第二十五条の四第三項各号に掲げる職務を行う者を指名すること。

指名するのは指定給水装置工事事業者です。水道事業者ではありません。

対象から給水装置の軽微な変更は除かれる点もあわせて押さえてください。

届け出る相手は誰か

水道事業者です。

水道法 第25条の4第2項

指定給水装置工事事業者は、給水装置工事主任技術者を選任したときは、遅滞なく、その旨を水道事業者に届け出なければならない。これを解任したときも、同様とする。

届出は選任のときだけではありません。解任したときも同様です。

届出先を「国」とした肢が、令和3年と令和7年に誤りとして出ています。

主任技術者の職務は何か

法に4つ並んでいます。

職務(法第25条の4第3項)
給水装置工事に関する技術上の管理
給水装置工事に従事する者の技術上の指導監督
給水装置の構造及び材質が政令で定める基準に適合していることの確認
その他国土交通省令で定める職務

これらを誠実に行わなければならないとされています。また給水装置工事に従事する者は、主任技術者がその職務として行う指導に従わなければなりません。

三号の確認の方法と結果は、工事の記録に残す事項の1つでもあります。

四号が飛ぶ先の中身と、現場への立会いがどこまで求められるかは主任技術者の職務で扱っています。

5年ごとに更新するのは何か

指定給水装置工事事業者の指定です。

水道法 第25条の3の2第1項(指定の更新)

第十六条の二第一項の指定は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によつて、その効力を失う。

「主任技術者は5年ごとに更新を受けなければならない」とした肢は令和4年と令和7年に誤りとして出ています。

主任技術者免状は国土交通大臣及び環境大臣が交付するもので、条文に更新の規定はありません。なお試験を受けるには給水装置工事に関して3年以上の実務の経験が必要です。

研修の機会を確保するのは誰か

指定給水装置工事事業者で、しかも努力義務です。

施行規則第36条第4号は、主任技術者およびその他の給水装置工事に従事する者の施行技術の向上のために、研修の機会を確保するよう努めることを事業の運営の基準として挙げています。

「主任技術者が研修の機会を確保することを義務付けられている」とした肢は令和5年に誤りとして出ています。主体も義務の強さも違います。

まちがえやすいポイント

誰が誰に対して何をするのか、主語が入れ替えられます。

選任するのも指名するのも指定給水装置工事事業者で、届出先が水道事業者です。「水道事業者から指名される」とした肢は令和5年に誤りとして出ています。

指定の取消しを行うのは水道事業者で、免状の返納を命じるのは国土交通大臣及び環境大臣です。両方を「厚生労働大臣」とまとめた肢も誤りになっています。

理解度チェック

Q.

主任技術者の選任はどの単位で行うか。

事業所ごとで、免状の交付を受けている者のうちから選任します。「工事ごとに選任」とした肢は誤りです。

Q.

指名はどの単位で、誰が行うか。

給水装置工事ごとに、指定給水装置工事事業者が、選任した主任技術者のうちから指名します。給水装置の軽微な変更は対象から除かれます。

Q.

主任技術者を選任・解任したとき、誰に届け出るか。

水道事業者に、遅滞なく届け出ます。解任したときも同様で、届出先を国とした肢は誤りです。

Q.

5年ごとの更新が必要なのは何か。

指定給水装置工事事業者の指定です。主任技術者に更新の規定はなく、「主任技術者が5年ごとに更新」とした肢は誤りです。

Q.

主任技術者の職務を3つ挙げよ。

給水装置工事に関する技術上の管理、給水装置工事に従事する者の技術上の指導監督、給水装置の構造及び材質が政令で定める基準に適合していることの確認です。ほかに国土交通省令で定める職務があります。

まとめ

  • 選任は事業所ごと(法第25条の4第1項)、指名は工事ごと(施行規則第36条第1号)。段が2つある。
  • 選任も指名も行うのは指定給水装置工事事業者。届出先は水道事業者で、解任のときも届け出る。
  • 職務は技術上の管理・技術上の指導監督・構造及び材質の基準適合の確認など。
  • 5年ごとの更新は指定のほう。主任技術者に更新の規定はない。
  • 研修の機会の確保は指定事業者の努力義務。主任技術者の義務ではない。

> 実際の工事で守る基準はサドル付分水栓を確認する

> 指名と研修を定めている条そのものは水道法施行規則第36条(事業の運営の基準)で扱っています

指定の申請や届出の様式、提出先の窓口は水道事業者ごとに定められています。実務では所管の水道事業者にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が7問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの7問で全部、という意味ではありません。

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参考資料

  • 水道法(昭和32年法律第177号)第25条の3の2 指定の更新/第25条の4 給水装置工事主任技術者/第25条の5 免状/第25条の6 試験(e-Gov法令検索
  • 水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第36条 事業の運営の基準(e-Gov法令検索)。工事ごとの指名、軽微な変更の除外、研修の機会の確保は同条によります。
  • ※ 誤りとして出題された記述の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号によります。水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管され、令和5年以前の出題にある「厚生労働省令」「厚生労働大臣」は、現行条文では国土交通省令・国土交通大臣(水質に関する事項は環境省令・環境大臣)です。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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