給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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ダクタイル鋳鉄管とは?黒鉛が球状だから靱性に富む理由と継手の見分け方

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鋳鉄なのに靱性があると言われても、ぴんときません。

継手の形が図で出ると、どれがどれだか分からなくなります。

この記事の要点

黒鉛が球状だから靱性に富み衝撃に強い管です。「靱性がなく衝撃に弱い」とした肢は令和4年に誤りでした。

継手はメカニカル継手プッシュオン継手の2系統です。前者にA形・K形・SII形、後者にT形があります。

図で見分ける鍵は、ボルトと押輪があるか、ロックリングがあるかです。

ダクタイル鋳鉄管は6年度すべてに登場します。管そのもの、継手、分岐穿孔、防食と、場面を変えて出てきます。

この記事では管の性質と継手の形式を扱います。分岐の作業そのものは別の記事です。

ダクタイル鋳鉄管の性質と継手形式を整理した図。左は誤りとして出た記述で、黒鉛が球状のため靱性がなく衝撃に弱いとしたものが令和4年に誤り、K型メカニカル継手はすべての種類の異形管の接合箇所に管防護を必要としないとしたものが令和7年に誤り。右は正しい記述で、黒鉛が球状のため靱性に富み衝撃に強く強度が大で耐久性があること、NS形およびGX形継手は大きな伸縮余裕と曲げ余裕をとっているため管体に無理な力がかからず継手の動きで地盤の変動に適応できること。下段は継手3形式の見分け方で、T形はプッシュオン継手でゴム輪と受口と挿し口だけ、K形はメカニカル継手でゴム輪に加えボルトナットと押輪がある、GX形はゴム輪に加えロックリングホルダとロックリングと挿し口突部がある。
継手はボルトの有無とロックリングの有無で分かれる。※標準計画と公表正答から整理した図。

ダクタイル鋳鉄管は何が強いのか

黒鉛が球状だから、粘りがあります。

ふつうの鋳鉄は黒鉛が片状で、そこが割れの起点になります。ダクタイル鋳鉄はこの黒鉛を球状にした鋳鉄です。

「鋳鉄組織中の黒鉛が球状のため、靱性に富み衝撃に強く、強度が大であり、耐久性がある」は、令和3年に正しい肢として出ています。

令和4年は同じ文の途中を「靱性がなく衝撃に弱い」に差し替えた肢が誤りでした。球状であることは残したまま、結論だけ逆にしています。

継手にはどんな形式があるのか

2系統に分かれます。

給水装置標準計画・施工方法 3.8 配管工事 9)ダクタイル鋳鉄管の接合

ダクタイル鋳鉄管の継手は、メカニカル継手、プッシュオン継手等がある。

(1) メカニカル継手 メカニカル継手には、A形、K形、SII形等がある。

(2) プッシュオン継手 プッシュオン継手には、T形等がある。

ボルトで締めて止めるのがメカニカル継手、差し込むだけで止まるのがプッシュオン継手です。

GX形とNS形はこの2系統のどちらにも名前が挙がっていませんが、過去問には出てきます。

接合例の図はどう見分けるのか

部品の名前で分かります。

令和5年は3つの接合例の図を並べ、それぞれの形式を答えさせました。図に書かれた部品の名前が手がかりになります。

形式 図に出てくる部品 系統
T形 ゴム輪・受口・挿し口だけ プッシュオン継手
GX形 ゴム輪(直管用)・ロックリングホルダロックリング・挿し口突部 抜け出し防止機構つき
K形 ゴム輪・ボルトナット押輪 メカニカル継手

ボルトと押輪が描いてあればK形、ロックリングが描いてあればGX形、どちらも無ければT形です。

K形はどう接合するのか

押輪とゴム輪をセットしてから、T頭ボルトを平均に締めます。

同 (1)メカニカル継手 一 A形、K形継手による接合(抜粋)

iii) 挿し口外面及び受け口内面に滑剤を十分塗布する。

iv) ゴム輪の全面に継手用滑剤を塗り、押し口から20cm程度の位置まで挿入する。

viii) T頭ボルトを受け口から挿入し、平均に締め付けていくようにし、受け口と押し輪間隔が均一に確保されるようにする。

ここで使うのが継手用滑剤です。グリース等の油剤類は使いません。

滑剤の使い分けは給水管の接合で扱っています。

NS形とGX形は何が違うのか

過去問では同じ性質でまとめて出ます。

「NS形及びGX形継手は、大きな伸縮余裕、曲げ余裕をとっているため、管体に無理な力がかかることなく継手の動きで地盤の変動に適応することができる」は、令和4年と令和7年の2年度とも正しい肢です。

地震で地盤が動いても、継手が伸び縮みして管が折れないようにする考え方です。

K形は異形管の管防護が要らないのか

要ります。

令和7年は「K型メカニカル継手は、伸縮可とう性があり、管が地盤の変動に適応できるため、すべての種類の異形管の接合箇所に管防護を必要としない」とした肢が誤りでした。

前半の伸縮可とう性は正しく、「すべての種類の異形管」で管防護が要らないという言い切りが誤りです。曲がりや分岐には水圧で管を押し出す力がかかります。

まちがえやすいポイント

黒鉛が球状なのは正しく、そこから先の「靱性に富み衝撃に強い」を逆にしてきます。球状という語が正しいので読み流しがちです。

図の見分けはボルトと押輪ならK形、ロックリングならGX形。どちらも無ければT形です。

「すべての」「必要としない」のような言い切りが出たら、そこを疑ってください。

理解度チェック

Q.

ダクタイル鋳鉄管が靱性に富むのはなぜか。

鋳鉄組織中の黒鉛が球状だからです。「靱性がなく衝撃に弱い」とした肢は令和4年に誤りでした。

Q.

ダクタイル鋳鉄管の継手は大きく何に分かれるか。

メカニカル継手とプッシュオン継手です。メカニカル継手にはA形・K形・SII形、プッシュオン継手にはT形があります。

Q.

図にボルトナットと押輪が描かれていたら何形か。

K形です。ロックリングが描かれていればGX形、どちらも無ければT形になります。

Q.

NS形・GX形継手の特徴は。

大きな伸縮余裕と曲げ余裕をとっているため、管体に無理な力がかからず、継手の動きで地盤の変動に適応できます。

Q.

K形なら異形管の管防護は不要か。

不要ではありません。「すべての種類の異形管の接合箇所に管防護を必要としない」とした肢は令和7年に誤りでした。

まとめ

  • 黒鉛が球状だから靱性に富み衝撃に強い。「靱性がなく」は令和4年の誤り。
  • 継手はメカニカル継手(A形・K形・SII形)とプッシュオン継手(T形)。
  • 図の見分け=ボルトと押輪ならK形、ロックリングならGX形、どちらも無ければT形。
  • K形の接合はゴム輪に継手用滑剤を塗り、T頭ボルトを平均に締める。
  • NS形・GX形は大きな伸縮余裕・曲げ余裕で地盤の変動に適応する。

> 分岐の穿孔はサドル付分水栓と穿孔で扱っています

継手の形式や接合手順は製造者や口径によって異なります。実際の施工では製品の取扱説明書と水道事業者の指定にしたがってください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が2問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの2問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」(PDF)3.8 配管工事 9)ダクタイル鋳鉄管の接合。継手の2系統(メカニカル継手=A形・K形・SII形/プッシュオン継手=T形)とK形の接合手順は同項によります。
  • ※ GX形・NS形の名称と、黒鉛が球状であることによる性質は同資料に記述がありません(「GX形」「黒鉛」はいずれも0件)。本記事の記述は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した正答番号から確定したものです(令和3年 問41、令和4年 問19・問46、令和5年 問19、令和7年 問13・問43)。
  • ※ 令和5年 問19は接合例の図から形式を答える問題で、正答は(3)=ア:T形、イ:GX形、ウ:K形です。本記事の見分け方は、この問題の図に記された部品名によります。
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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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