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受水槽に貯めたあとの送り方が3つあるらしい。
名前は覚えたけど、どれがどれだったか混ざる。
この記事の要点
高置水槽式は自然流下、圧力水槽式は内部圧力、ポンプ直送式は運転台数の変更や回転数制御です。
この3つを入れ替えた肢が4年度にわたり誤りとして出ています。
配水管の水圧が高いときに設置するのは減圧弁・定流量弁等で、逆止弁ではありません。
受水槽までは同じで、そこから先の一押しが違います。
その一押しが方式の名前になっています。まず、どんなときに受水槽式にするかから見ます。
資料が4つ挙げています。
給水装置標準計画・施工方法 2.2 給水方式の決定(国土交通省)
(1)病院などで災害時、事故等による水道の断減水時にも、給水の確保が必要な場合。(2)一時に多量の水を使用するとき、又は使用水量の変動が大きいときなどに、配水管の水圧低下を引き起こすおそれがある場合。(3)配水管の水圧変動にかかわらず、常時一定の水量、水圧を必要とする場合。(4)有毒薬品を使用する工場など、逆流によって配水管の水を汚染するおそれのある場合。
需要者の必要とする水量、水圧が得られない場合のほかに、この4つが挙がっています。令和4年にはこのうち3つがそのまま正しい肢として出ています。
受水槽式は、配水管から一旦受水槽に受けて給水する方式で、配水管の水圧は受水槽以下には作用しません。
自然流下です。ポンプで押し込むのではありません。
受水槽に受水したのち、ポンプでさらに高置水槽へ汲み上げ、そこから自然流下により給水します。受水槽式給水の最も一般的な方式です。
「高置水槽式は、受水槽に受水した後、高置水槽へ汲み上げ、ポンプにより給水する方式である」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。汲み上げにポンプを使いますが、そこから先は自然流下です。
一つの高置水槽から適当な水圧で給水できる高さの範囲は10階程度です。高層建物では高置水槽や減圧弁を、高さに応じて多段に設置します。
水槽の内部圧力で送ります。
受水槽に受水したのち、ポンプで圧力水槽に貯え、その内部圧力によって給水します。小規模の中層建物に多く使われている方式です。
「圧力水槽式は、受水槽に受水した後、ポンプで高置水槽へ汲み上げ、自然流下により給水する方式である」とした肢は令和3年に、「圧力水槽へ汲み上げ、自然流下により給水」とした肢は令和7年に、いずれも誤りとして出ています。
圧力水槽に貯めるところまでは合っていても、そこから自然流下と書いてあれば誤りです。高い位置にないので自然には流れません。
途中に水槽を置きません。
受水槽に受水したのち、使用水量に応じてポンプの運転台数の変更や回転数制御によって給水します。こちらも小規模の中層建物に多い方式です。
「ポンプ直送式は、受水槽に受水した後、ポンプで高置水槽へ汲み上げ、自然流下により給水する方式である」とした肢は、令和5年に誤りとして出ています。
高置水槽式との違いは、高い位置に水を貯めるかどうかです。ポンプ直送式は貯めずに送り出します。
減圧弁や定流量弁です。逆止弁ではありません。
同 2.2 給水方式の決定 4)配水管の水圧が高いときの配慮事項
配水管の水圧が高いときは、受水槽への流入時に給水管を流れる流量が過大となって、水道メータの性能、耐久性に支障を与えることがある。したがって、このような場合には、減圧弁、定流量弁等を設置することが必要である。
困るのは水道メーターの性能と耐久性です。流れを止めるのではなく、流量や圧力を抑える器具を入れます。
「逆止弁を設置することが必要である」とした肢は令和元年と令和6年に、「支障をきたさなければ対策を講じる必要はない」とした肢は令和5年に、いずれも誤りとして出ています。
逆に「減圧弁などを設置する必要がある」という記述は、令和7年に正しい肢として出ています。
貯めることの裏表です。
| 向き | 内容 |
|---|---|
| 長所 | 配水管の水圧が変動しても給水圧・給水量を一定に保持できる/一時に多量の水使用が可能/断水時や災害時にも給水が確保できる/建物内の水使用の変動を吸収し配水施設への負荷を軽減する |
| 短所 | 管理が不十分な場合に衛生問題を生じる可能性がある/夏場の水温上昇や滞留時間の長時間化が水質への不安の要因になる/定期的な点検や清掃が必要 |
直結式の長所は逆で、配水管の圧力を利用するためエネルギーを有効に利用できる点です。この記述は令和5年に正しい肢として出ています。
なお受水槽の容量は計画一日使用水量から決めます。同時使用水量によって定めるとした肢は令和7年に誤りとして出ています。
点検と清掃が水道法で義務づけられるのは、水槽の有効容量の合計が10m³を超えるものです。これに当たると簡易専用水道になります。
「有効容量10m³以下の小規模受水槽は、定期的に清掃と点検を行うことが水道法で定められている」とした肢は、令和7年に誤りでした。10m³以下は簡易専用水道から除かれます。
ただし短所の欄にあるとおり、法の対象かどうかとは別に点検と清掃は要ります。区分の数字は専用水道・簡易専用水道で扱っています。
高置水槽式はどうやって給水するか。
受水槽に受水したのち、ポンプで高置水槽へ汲み上げ、自然流下により給水します。「ポンプにより給水」とした肢は令和6年に誤りとして出ています。
圧力水槽式の給水の力は何か。
圧力水槽の内部圧力です。ポンプで圧力水槽に貯えたあと、その圧力で給水するので、「自然流下」とした肢は誤りになります。
ポンプ直送式はどこが他の2つと違うか。
途中に高置水槽や圧力水槽を置かず、使用水量に応じてポンプの運転台数の変更や回転数制御によって給水します。
配水管の水圧が高いときは何を設置するか。
減圧弁、定流量弁等です。流入時の流量が過大になって水道メーターの性能や耐久性に支障が出るためで、逆止弁とした肢は誤りです。
一つの高置水槽で給水できる高さの範囲は。
10階程度です。高層建物では高置水槽や減圧弁を、高さに応じて多段に設置します。
> 配水管の圧力だけで中高層へ送る方式は直結加圧形ポンプユニットを確認する
> 受水槽そのものの構造を定めているのは建築基準法に基づく飲料水の配管設備のほうです
> 定流量弁の機構と減圧弁との違いは定流量弁で扱っています
どの給水方式を認めるかは、配水管の整備状況などにより水道事業者ごとに取扱いが異なります。計画に先立って所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が22問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの22問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置の構造及び性能
給水装置施工管理法
給水装置工事事務論
水道行政
給水装置の概要
まちがえやすいポイント
3つの説明文が、そっくり入れ替えられて出ます。
末尾だけ見てください。「自然流下」なら高置水槽式、「内部圧力」なら圧力水槽式、「運転台数の変更や回転数制御」ならポンプ直送式です。
水圧が高いときの器具も同じで、減圧弁・定流量弁等であって逆止弁ではありません。