給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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定水位弁とは?主弁と副弁のどちらを指すか・開閉させるのは圧力差

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定水位弁に主弁と副弁が出てきて、どちらが本体か分かりません。

ピストン式とダイヤフラム式も並んでいて、故障の話で混ざります。

この記事の要点

定水位弁は主弁のほうです。副弁には小口径のボールタップを使います。

開閉させているのは、副弁の開閉によって主弁内に生じる圧力差です。

この説明は令和3年に正しい肢として出ています。

定水位弁は6年度すべてで出ていますが、構造そのものを説明した肢は令和3年の1回だけです。残りは故障と対策の問題に出ます。

だから、構造を先に押さえてから故障の話に入ると迷いません。

定水位弁の構造と出題の型を示す図。上段は令和3年問45アで正しい肢とされた構造で、定水位弁は主弁に使用し、小口径ボールタップを副弁として組み合わせて使用するもので、副弁の開閉により主弁内に生じる圧力差によって開閉が円滑に行えるとされている。主弁が大きい側、副弁が小さいボールタップ側。中段は水が出ないときの原因3つで、ダイヤフラム式は流量調節棒が締め切った状態になっているのでハンドルを回して所定の位置にする(令和4年問51ウ・令和7年問51(2))、ピストン式はピストンのOリングが摩耗して作動しない(令和5年問53(1))、副弁付はストレーナに異物が詰まっているので分解して清掃する(令和5年問52(3))。下段は誤りとして出た2つで、ストレーナーに異物が詰まっていたので新品のピストン式定水位弁と取り替えたとしたもの(令和3年問54(2))と、直結加圧形ポンプユニットの構成に副弁付定水位弁を組み込んだとしたもの(令和元年問46イ・令和6年問48ア)。
主弁が定水位弁、副弁が小口径ボールタップ。※公表正答から整理した図。

定水位弁は何と何の組み合わせなのか

主弁と副弁の組み合わせです。

令和3年 問45アは、次の形で正しい肢として出ています。

令和3年 問45ア(正しい肢)

定水位弁は、主弁に使用し、小口径ボールタップを副弁として組み合わせて使用するもので、副弁の開閉により主弁内に生じる圧力差によって開閉が円滑に行えるものである。

定水位弁そのものは主弁の側です。副弁のほうが小口径ボールタップになります。

副弁は何をしているのか

主弁を動かすための圧力差をつくっています。

出題文の言い方は「副弁の開閉により主弁内に生じる圧力差によって開閉が円滑に行える」です。副弁が直接水を止めているのではありません。

この組み合わせを「副弁付定水位弁」と呼ぶ形でも出題されます。

ピストン式とダイヤフラム式はどう違うのか

出題では、故障の現れ方で書き分けられます。

形式 出題された故障と処置
ピストン式 水が止まらない=主弁座パッキンの摩耗→主弁座パッキンを取り替える(令和4年・令和7年の2年度とも正しい肢)
ダイヤフラム式 水が止まらない=主弁座への異物のかみ込み→分解して清掃する(令和3年・令和6年の2年度とも正しい肢)

止まらない側は、どちらも主弁座が舞台です。摩耗ならパッキン交換、異物なら清掃と分かれます。

処置の選び方そのものは給水用具の故障と対策で扱っています。

水が出ないときはどこを見るのか

形式ごとに見る場所が違います。

形式 原因と処置 出題
ダイヤフラム式 流量調節棒が締め切った状態→ハンドルを回して所定の位置にする 令和4年・令和7年
ともに正
ピストン式 ピストンのOリングの摩耗で作動しない 令和5年 問53(1)=正
副弁付 ストレーナに異物→分解して清掃する 令和5年 問52(3)=正

同じストレーナの詰まりでも、「新品のピストン式定水位弁と取り替えた」とした肢は令和3年に誤りとして出ています。詰まりは清掃で戻ります。

直結加圧形ポンプユニットの構成に入るのか

入りません。

副弁付定水位弁を直結加圧形ポンプユニットの構成機器として並べた肢は、令和元年 問46イと令和6年 問48アの2年度とも誤りでした。

定水位弁は受水槽などの水位を保つ側の用具で、加圧して送る側の構成には置かれていません。

水撃作用とはどうつながるのか

水撃作用が比較的少ないものとして挙げられています。

給水装置標準計画・施工方法 3.9.2 破壊防止(解説)

ボールタップの使用にあたっては、比較的水撃作用の少ない複式、親子2球式及び定水位弁等から、その給水用途に適したものを選定すること。

ボールタップは開閉時間が短く水撃作用を生じるおそれがある給水用具です。その中で選ぶ側に定水位弁が並んでいます。

水撃作用そのものは水撃作用と水撃限界性能基準で扱っています。

まちがえやすいポイント

定水位弁は主弁の側です。副弁が小口径ボールタップで、主弁内の圧力差をつくる役です。

水が出ないときの原因は形式で違います。ダイヤフラム式は流量調節棒、ピストン式はOリングです。

副弁付定水位弁をポンプユニットの構成に混ぜた肢は2年度とも誤りでした。

理解度チェック

Q.

定水位弁は主弁と副弁のどちらか。

主弁のほうです。副弁には小口径ボールタップを組み合わせて使用します。

Q.

何によって開閉しているか。

副弁の開閉により主弁内に生じる圧力差です。令和3年に正しい肢として出ています。

Q.

ダイヤフラム式定水位弁の水が出ないとき、何を見るか。

流量調節棒です。締め切った状態になっていれば、ハンドルを回して所定の位置にします。

令和4年と令和7年の2年度とも正しい肢でした。

Q.

ストレーナに異物が詰まっていたときの処置は。

分解して清掃します。「新品のピストン式定水位弁と取り替えた」とした肢は令和3年に誤りでした。

Q.

副弁付定水位弁は直結加圧形ポンプユニットの構成に入るか。

入りません。構成機器として並べた肢は令和元年と令和6年の2年度とも誤りでした。

まとめ

  • 定水位弁は主弁。副弁は小口径ボールタップ
  • 開閉させるのは、副弁の開閉により主弁内に生じる圧力差。令和3年に正しい肢。
  • 水が止まらない=主弁座。ピストン式はパッキンの摩耗、ダイヤフラム式は異物のかみ込み。
  • 水が出ない=ダイヤフラム式は流量調節棒、ピストン式はOリング、副弁付はストレーナ。
  • 副弁付定水位弁は直結加圧形ポンプユニットの構成に入らない。2年度とも誤り。

> 受水槽まわりの給水方式は受水槽式給水の3方式で扱っています

給水用具の選定や設置条件は水道事業者ごとの基準によります。実務では給水区域の水道事業者にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が2問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの2問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」(PDF)3.9.2 破壊防止(解説)。水撃作用が比較的少ないものとして「複式、親子2球式及び定水位弁等」から選定するという記述は同資料によります。
  • 定水位弁の内部構造を説明した記述は、同資料の全54ページを走査しても上記の1件だけで、「副弁」「主弁」はいずれも0件でした。このため構造の説明は、令和3年 問45アで正しい肢とされた出題文の記述によっています。ピストン式とダイヤフラム式で内部の機構がどう違うのかを説明した資料は見あたらないため、本記事では出題された故障の現れ方の違いだけを記し、機構そのものには踏み込んでいません。
  • ※ 正誤の判定に用いた出題と正答は次のとおりです。令和元年 問46=(4)、令和3年 問45=(2)・問54=(2)・問55=(1)、令和4年 問50=(5)・問51=(5)、令和5年 問52=(1)・問53=(3)、令和6年 問48=(3)・問50=(5)、令和7年 問51=(4)。いずれも設問文の「適当なもの」「不適当なもの」の別を確認したうえで各肢の正誤を判定しました。出典は公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号です。
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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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