給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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逆流防止性能基準とは?3kPaと1.5MPaはなぜ2つあるのか

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試験の圧力が2つあるのが分かりにくい。

しかも器具によっては別の値に読み替わる。

この記事の要点

原則は3kPa及び1.5MPaの静水圧を1分間です。

読み替わるのは高い側だけで、低い側の3kPaは動きません。

ここでいう「異常」はシート部の水漏れです。本体の水漏れは耐圧性能試験でみます。

2つの圧力は、それぞれ別の状況を想定しています。

そこが分かると、読み替えの4つも理由で覚えられます。

逆流防止性能基準の試験圧力を示す図。適用対象は逆止弁・減圧式逆流防止器・逆流防止装置を内部に備えた給水用具で、原則は3kPa及び1.5MPaの静水圧を1分間加えて水漏れ・変形・破損等がないこと。低い側は圧力差がないとき、高い側は水撃圧が加わったときを想定する。高い側が読み替わる区分は4つで、減圧弁は当該減圧弁の設定圧力、止水機構が無く大気に開口したものは3kPaだけ、浴槽に直結し自動給湯するものは50kPa、それに流出側の循環ポンプが付くものは最大吐出圧力か50kPaの高いほうとなる。
読み替わるのは高い側だけ。※関係をつかむための模式図。

どの給水用具に適用されるのか

3種類です。

国土交通省 逆流防止性能基準の解説「1.適用対象」

逆流防止性能基準の適用対象は、逆止弁、減圧式逆流防止器及び逆流防止装置を内部に備えた給水用具である。

令和6年に、この3つのうち「減圧式」を空欄にした穴埋め問題が出ています。

同じ問題の後半では、水が逆流するおそれのある場所で講じる措置として逆流防止性能基準・負圧破壊性能基準・規定の吐水口空間の確保の3つが示され、このうち吐水口空間が空欄になりました。

吐水口空間そのものは吐水口空間、負圧破壊の側はバキュームブレーカで扱っています。

なぜ圧力が2つあるのか

想定している状況が2つあるからです。

同解説「2.試験条件」

逆止弁等は、1次側と2次側の圧力差がほとんどないときも、2次側から水撃圧等の高水圧が加わったときも、ともに水の逆流を防止できるものでなければならない。

低い側の3kPaは圧力差がほとんどないときを、高い側の1.5MPaは水撃圧等の高水圧が加わったときを想定しています。

1.5MPaという値は、水撃圧の発生や諸外国の規格との整合に配慮して、最大静水圧0.75MPaの2倍として採用されたものです。3kPaのほうは型式承認基準に準じています。

令和元年には「3キロパスカル及び1.5メガパスカルの静水圧を1分間加えたとき、水漏れ、変形、破損その他の異常を生じないこと」が正しい肢として出ています。

令和3年は、この3・1.5・1分・マイナス54の4つを空欄にした穴埋めが出ています。数値だけを差し替えた選択肢が並ぶので、4つとも覚えておく必要があります。

圧力が読み替えられるのはどんな場合か

2次側に1.5MPaの高水圧がかかりえない場合です。

区分 読み替え後
減圧弁 1.5MPa → 当該減圧弁の設定圧力
流出側に止水機構が無く、大気に開口されているもの 3kPa及び1.5MPa → 3kPa
浴槽に直結し、かつ自動給湯する給湯機・給湯付きふろがま 1.5MPa → 50kPa
同上のうち、逆流防止装置の流出側に循環ポンプを有するもの 1.5MPa → 循環ポンプの最大吐出圧力又は50kPaのいずれか高い圧力

減圧弁は2次側の圧力が設定圧力以下に保たれるので、それ以上をかける意味がありません。シャワーヘッドのように2次側が大気に開いているものは、そもそも高水圧がかかりません。

浴槽に直結する自動給湯の50kPaは、浴槽が2階に設置された場合に加わることが想定される水圧等を考慮した値です。ここに循環ポンプが付くと、ポンプの吐出圧力も加わります。

解説によれば、浴槽に直結し自動給湯するものとは自動湯張り型自然循環式ふろがま・自動湯張り型強制循環式ふろがま・自動湯張り型高温水供給式給湯機を指します。

「異常」とはどこの水漏れか

シート部です。

同解説「3.判定基準」

判定基準にいう「水漏れ、変形、破損その他の異常」とは、逆止弁又は逆流防止装置のシート部に係る水漏れ等の異常をいう。
なお、逆止弁等の本体からの水漏れ等については、1の耐圧性能試験において確認することとする。

同じ「水漏れ」でも、みている場所が違います。本体からの漏れは耐圧性能基準の側で確認します。

減圧式逆流防止器だけ2つの性能が要るのはなぜか

逆流防止と負圧破壊の両方の機能を持つ装置だからです。

省令は減圧式逆流防止器について、逆流防止性能試験に加えて負圧破壊性能試験にも適合することを求めています。解説は、この装置が逆流防止機能と負圧破壊機能を併せ持つ装置であることから、両性能を有することを要件としたと説明しています。

令和元年には、この負圧破壊性能試験について「流出側から」とした肢が誤りとして出ています。正しくは流入側です。

同じ問題では、判定に使う水位の上昇の値も、減圧式逆流防止器とバキュームブレーカで入れ替えられていました。

数値そのものはバキュームブレーカで扱っています。器具の構造の違いは逆止弁の種類と構造を見てください。

まちがえやすいポイント

読み替えは高い側だけです。3kPaが別の値になる区分はありません。

「3kPaだけ」になる区分と、「50kPaになる」区分を取り違えないでください。前者は大気に開いているもの、後者は浴槽に直結するものです。

理解度チェック

Q.

逆流防止性能基準の適用対象は何か。

逆止弁、減圧式逆流防止器、逆流防止装置を内部に備えた給水用具の3つです。

Q.

逆流防止性能試験の圧力と時間はいくらか。

3kPa及び1.5MPaの静水圧を1分間です。低い側は圧力差がないとき、高い側は水撃圧が加わったときを想定しています。

Q.

減圧弁の場合、試験圧力はどう読み替えられるか。

1.5MPaが当該減圧弁の設定圧力に読み替えられます。2次側が設定圧力以下に保たれるためです。

Q.

判定基準にいう「異常」とはどこの水漏れか。

逆止弁又は逆流防止装置のシート部です。本体からの水漏れは耐圧性能試験で確認します。

Q.

水が逆流するおそれのある場所で講じる措置は何か。

逆流防止性能基準か負圧破壊性能基準に適合する給水用具の設置、又は規定の吐水口空間の確保のいずれか一つです。

まとめ

  • 適用対象=逆止弁・減圧式逆流防止器・逆流防止装置を内部に備えた給水用具
  • 原則=3kPa及び1.5MPaの静水圧を1分間。1.5MPaは最大静水圧0.75MPaの2倍。
  • 読み替わるのは高い側だけ。減圧弁=設定圧力/大気に開口=3kPaのみ/浴槽直結の自動給湯=50kPa/循環ポンプ付き=最大吐出圧力か50kPaの高いほう。
  • 「異常」=シート部の水漏れ。本体は耐圧性能試験。
  • 減圧式逆流防止器は逆流防止と負圧破壊の両方が要件。

> 逆流を防ぐもう一方の側はバキュームブレーカ吐水口空間で扱っています

基準は改正されることがあります。最新の条文は給水装置の構造及び材質の基準に関する省令をご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が7問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの7問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(平成9年厚生省令第14号)第5条(e-Gov法令検索)。適用対象・試験圧力・読み替えの4区分は同条第1項第1号によります。
  • 国土交通省「4.逆流防止性能基準」(PDF)。2つの圧力の趣旨、1.5MPaが最大静水圧の2倍であること、50kPaが2階の浴槽を想定した値であること、判定基準がシート部の水漏れであることは同資料によります。
  • ※ 同解説は試験を定める者を「厚生大臣」と表記していますが、現行の省令は「国土交通大臣」です。本文は現行の表記に合わせ、引用は原文のままとしました。
  • ※ 正誤の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号によります(令和元年 問22、令和3年 問22、令和6年 問24)。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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