給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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たて形軸流羽根車式とよこ形の違いは?整流器・螺旋状羽根車と損失水頭で決まる使い分け

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たて形の説明、垂直なのか水平なのかが年度によって違って見えます。

損失水頭が大きいのか小さいのかも決められません。

この記事の要点

羽根車は垂直に設置されます。ただし軸のほうは流れに平行で、ここは別の話です。

水は整流器を通って、下方から上方へ流れます。

メーター内で迂流するので、よこ形に比べて損失水頭はやや大きいです。

この論点は6年度中5年度で出ています。構造の説明はほぼ同じ文が使い回され、替えてくるのは決まった場所です。

穴埋めで出た2年度の正答を並べると、正しい形が一意に決まります。

たて形軸流羽根車式水道メーターの出題の型を示す図。左は誤りとして出た記述で、よこ形に比べ損失水頭が小さいとしたもの(令和元年問48イ・令和3年問53ア・令和7年問48ウ)と、水平に設置された螺旋状羽根車としたもの(令和元年問48イ)、流れに垂直な軸をもつ羽根車としたもの(令和5年問51(3))。右は穴埋めの正答で確定した形で、よこ形に比べ損失水頭がやや大きい(令和4年問48=正答(3)・令和6年問53=正答(1))、垂直に設置された螺旋状羽根車、流れに平行な軸をもつ羽根車。下段は水の道すじで、メーターケースに流入した水流が整流器を通り、垂直に設置された螺旋状羽根車に沿って下方から上方に流れ、水がメーター内で迂流するためよこ形に比べて損失水頭がやや大きくなる。
替えてくるのは損失水頭と、羽根車の向き。※公表正答から整理した図。

軸流羽根車式の軸はどちら向きか

流れに平行です。

軸流羽根車式は、管状の器内に設置された流れに平行な軸を持つ螺旋状の羽根車を回転させて、積算計量する構造です。この定義は令和4年 問48の柱書にそのまま書かれています。

「流れに垂直な軸をもつ螺旋状の羽根車」とした肢は、令和5年 問51で誤りでした。羽根車そのものは垂直に立ちますが、軸の向きは流れに平行です。

たて形は水流がどう流れるのか

整流器を通って、下方から上方へ流れます。

順序は決まっていて、メーターケースに流入した水流がまず整流器を通ります。そのあと垂直に設置された螺旋状羽根車に沿って下方から上方に流れ、羽根車を回転させます。

この流れは令和6年 問53の穴埋めで問われていて、正答は(1)、空欄は垂直・下方から上方でした。

「水平に設置された螺旋状羽根車」とした肢は令和元年 問48で誤りです。

損失水頭はたて形とよこ形でどちらが大きいのか

たて形のほうが、やや大きいです。

令和4年 問48と令和6年 問53はどちらも穴埋めで、損失水頭が空欄になっていました。令和4年の正答は(3)で「大きい」、令和6年の正答は(1)で「大きい」です。

この2つは選ぶ形の問題なので、正答から一意に決まります。ここを「小さい」に替えた肢が別の3年度で出ています。

なぜ迂流すると損失水頭が大きくなるのか

水の流れの向きが変わるからです。

出題文は「水の流れが水道メーター内で迂流するため損失水頭が…」という因果の形で書かれています。迂流とは、まっすぐ通り抜けずに回り道をする流れ方です。

たて形は下から上へ流れを立ち上げる構造なので、直進する場合より抵抗を受けます。迂流という語が出てきたら、損失水頭は大きい側と結びつけて読みます。

出題ではどこが裏返されるのか

5年度分を並べると、替えている場所が見えます。

出題 替えられた語 正誤
令和元年 問48イ 水平に設置+損失水頭が小さい(2か所)
令和3年 問53ア 垂直・迂流は正しく、損失水頭が小さい
令和4年 問48 穴埋め。正答(3)=垂直・迂流・大きい
令和5年 問51(3) 軸が流れに垂直(正しくは平行)
令和6年 問53 穴埋め。正答(1)=垂直・下方から上方・迂流・大きい
令和7年 問48ウ 垂直・下から上・迂流は正しく、損失水頭が小さい

誤りの3年度はいずれも損失水頭を裏返しています。構造の記述はそのまま置いてあるので、末尾まで読まないと判定できません。

まちがえやすいポイント

損失水頭はやや大きいほうです。小さいと書いてあったら誤りで、3年度とも同じ場所を替えています。

羽根車は垂直に設置、軸は流れに平行。この2つは別の話です。

水は下方から上方へ流れます。整流器を通るのはその前です。

理解度チェック

Q.

軸流羽根車式の軸は流れに対してどちら向きか。

平行です。垂直な軸とした肢は令和5年に誤りでした。

Q.

たて形の螺旋状羽根車はどう設置されるか。

垂直に設置されます。水平とした肢は令和元年に誤りでした。

Q.

水はメーター内をどの向きに流れるか。

整流器を通ったあと、螺旋状羽根車に沿って下方から上方へ流れます。

Q.

たて形とよこ形で損失水頭はどちらが大きいか。

たて形のほうがやや大きいです。穴埋めで出た令和4年と令和6年の正答で確定します。

Q.

損失水頭が大きくなる理由として出題文が挙げているものは何か。

水の流れがメーター内で迂流することです。回り道をするぶん抵抗を受けます。

まとめ

  • 軸は流れに平行、羽根車は垂直に設置。混ぜて出される。
  • 水は整流器を通り、下方から上方へ流れる。
  • 迂流するので、よこ形に比べ損失水頭はやや大きい
  • 「小さい」に替えた肢は令和元年・令和3年・令和7年の3年度とも誤り。
  • 穴埋めの令和4年 問48=正答(3)、令和6年 問53=正答(1)で正しい形が確定する。

> 計量方法の分類は流速式と容積式の違いで扱っています

> 接線流とのちがいは接線流羽根車式と軸流羽根車式の違いで扱っています

設置する器種は水道事業者ごとに定められています。実務では給水区域の水道事業者にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が8問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの8問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • ※ たて形軸流羽根車式の構造(整流器・螺旋状羽根車の向き・水の流れる向き・迂流と損失水頭の関係)は、国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」に記述がありません(「軸流羽根車」「接線流」「整流器」「迂流」の4語とも全ページで0件)。各年度に出題された記述と、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した正答番号から確定したものです。
  • ※ とくに損失水頭の大小は、穴埋めで出た令和4年 問48(正答(3))と令和6年 問53(正答(1))で「大きい」が選ばれていることから確定しました。正誤問題の3年度(令和元年 問48・令和3年 問53・令和7年 問48)はいずれも「小さい」として誤りにされています。
  • ※ 正誤の判定に用いた出題と正答は次のとおりです。令和元年 問48=(3)、令和3年 問53=(5)、令和4年 問48=(3)、令和5年 問51=(3)、令和6年 問53=(1)、令和7年 問48=(3)。
  • よこ形軸流羽根車式そのものの構造を説明した記述は、上記6問のいずれにもありません。出題はたて形との損失水頭の比較としてしか触れていないため、この記事でもよこ形の構造には踏み込んでいません。
  • 計量法施行令(平成5年政令第329号)第2条第5号イ(e-Gov法令検索)。縦型軸流羽根車式・横型軸流羽根車式という型式名は同令によります。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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