給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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給水装置工事の記録は何年保存?3年か5年か・様式は定められているか

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工事の記録って、何年とっておくんだろう。

決まった用紙に書かないといけないのかな。

この記事の要点

保存は作成の日から3年間です。5年と書いた肢が3年度にわたり誤りとして出ています。

決まった様式はありません。電子媒体でよく、申請書の写しを記録にすることもできます。

軽微な変更は記録の対象外です。単独水栓の取替えなどが当たります。

同じ試験の中に、3年と5年の両方が出てきます。

記録の保存が3年、事業者の指定の更新が5年です。まず記録の中身から見ます。

給水装置工事の記録に関する図。記録する7つは施主の氏名又は名称、施行の場所、施行完了年月日、給水装置工事主任技術者の氏名、竣工図、使用した給水管・給水用具に関する事項、構造材質基準への適合の確認方法と結果。様式の定めはなく、電子媒体で保存してよく、申請書の写しを記録にしてもよく、主任技術者の指導・監督の下なら他の従業員が作ってもよい。軽微な変更は記録の対象外。工事の記録の保存は作成の日から3年で、事業者の指定の更新は5年ごと。
中身は7つ決まっているが、形式は決められていない。数字の3と5は別のものを指す。

何を記録するのか

7つです。条文が列挙しています。

水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第36条第6号

施行した給水装置工事(第13条に規定する給水装置の軽微な変更を除く。)ごとに、第1号の規定により指名した給水装置工事主任技術者に次の各号に掲げる事項に関する記録を作成させ、当該記録をその作成の日から三年間保存すること。

記録する事項
イ〜ハ 施主の氏名又は名称/施行の場所/施行完了年月日
ニ・ホ 給水装置工事主任技術者の氏名/竣工図
ヘ・ト 使用した給水管及び給水用具に関する事項/構造材質基準への適合の確認の方法及びその結果

このほか、施行中に生じた技術的な問題点を整理して記録にとどめ、以後の工事に活用することが望ましいとされています。これは令和4年と令和7年に正しい肢として出ています。

何年保存するのか

3年です。5年ではありません。

条文の書き方は作成の日から三年間です。工事が完了した日ではありません。

「5年間保存しなければならない」とした肢は、令和元年・令和4年・令和6年の3回とも誤りとして出ています。

5年のほうは指定給水装置工事事業者の指定の更新です。同じ試験に出てくるので、どちらの数字かを取り違えないでください。

決まった様式はあるのか

ありません。

第36条第6号は記録する事項を挙げているだけで、様式を定めていません。「水道法施行規則に定められた様式に従い作成しなければならない」とした肢は令和4年に、「水道法で定められた様式に従い書面で作成し」とした肢は令和7年に、いずれも誤りとして出ています。

そのため、水道事業者に工事の施行を申請したときの申請書に、記録として残すべき事項が記載されていればその写しを記録として保存してもよいとされています。これは令和5年と令和6年に正しい肢として出ています。

なお指定の申請書には施行規則が様式を定めています。申請書には様式があり、工事の記録には様式がないという違いです。

紙でなければいけないのか

電子媒体でかまいません。

厚生省 平成10年3月31日 衛水第26-2号

水道法(昭和三二年法律第一七七号)に基づき水道事業者等に保存が義務づけられている記録(別紙参照)についても、電子媒体による保存が可能でありますので…

この通知の別紙は、対象となる記録の四番目に水道法施行規則第36条第6号の規定による給水装置工事に関する記録を挙げています。名指しで入っています。

「電子媒体のみで保存することは認められていない」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。

誰が作るのか

指名された主任技術者です。ただし本人が書く必要はありません。

条文は「指名した給水装置工事主任技術者に…記録を作成させ」と書いています。作成させる主体は指定給水装置工事事業者です。

「指導・監督のもとであっても他の従業員が行ってはならない」とした肢は令和6年に、「いかなる場合でも他の従業員が行ってはいけない」とした肢は令和4年に、それぞれ誤りとして出ています。

主任技術者の指導・監督の下であれば、他の従業員が作成してかまいません。

軽微な変更でも記録が要るのか

要りません。条文が明文で除いています。

水道法施行規則 第13条(給水装置の軽微な変更)

法第16条の2第3項の国土交通省令で定める給水装置の軽微な変更は、単独水栓の取替え及び補修並びにこま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取替え(配管を伴わないものに限る。)とする。

単独水栓の取替えや、こま・パッキンの取替えがこれに当たります。ただし配管を伴わないものに限るという条件が付いています。

「軽微な変更であっても記録を作成し、保存しなければならない」とした肢は、令和5年と令和7年の2回とも誤りです。

また、施主に記録の写しを提出する義務は水道法にありません。これを義務とした肢も令和5年に誤りとして出ています。

まちがえやすいポイント

数字と、義務の強さの両方が入れ替わります。

保存は3年で5年ではなく、様式は定められていません。「決まった用紙に、紙で、主任技術者本人が」という思い込みは、どれも条文にない縛りです。

逆に条文が明文で外しているのが軽微な変更です。単独水栓の取替えに記録は要りません。

理解度チェック

Q.

給水装置工事の記録は何年保存するか。

作成の日から3年間です。「5年間」とした肢は令和元年・令和4年・令和6年の3回とも誤りで、5年は事業者の指定の更新のほうです。

Q.

記録に決まった様式はあるか。

ありません。施行を申請したときの申請書に記録として残すべき事項が記載されていれば、その写しを記録として保存してもかまいません。

Q.

記録を電子媒体だけで保存してよいか。

よいです。平成10年の厚生省通知が電子媒体による保存を可能とし、その別紙に給水装置工事の記録が挙げられています。

Q.

記録の作成は主任技術者本人でなければならないか。

本人に限りません。指名された主任技術者の指導・監督の下であれば、他の従業員が作成してもかまいません。

Q.

単独水栓の取替えでも記録は必要か。

不要です。配管を伴わない単独水栓の取替えは施行規則第13条の軽微な変更に当たり、第36条第6号が明文で除いています。

まとめ

  • 保存は作成の日から3年間。5年は事業者の指定の更新。
  • 記録する事項は7つ。施主・場所・完了年月日・主任技術者名・竣工図・使用材料・適合確認。
  • 様式の定めはない。申請書の写しを記録にしてよく、電子媒体でもよい。
  • 作成させるのは指名した主任技術者。指導・監督の下なら他の従業員も可
  • 軽微な変更は対象外。施主への写しの提出義務も水道法にはない。

> 誰を指名するのかは主任技術者の選任と指名を確認する

記録の書式や提出の要否は水道事業者ごとに定めがあります。実務では指定を受けている水道事業者の案内をご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が11問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの11問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第13条・第36条第6号(e-Gov法令検索)。記録する7項目、作成の日から3年間の保存、軽微な変更の定義は同規則によります。
  • 水道法(昭和32年法律第177号)第25条の4第3項第3号、第25条の8(e-Gov法令検索)。構造材質基準への適合の確認が主任技術者の職務であること、事業の運営の基準が省令に委任されていることは同法によります。
  • 厚生省「水道法に基づく記録の保存における電子媒体の活用について」(平成10年3月31日衛水第26-2号)(厚生労働省)。電子媒体による保存が可能であること、別紙に施行規則第36条第6号の記録が挙げられていることは同通知によります。
  • ※ 誤りとして出題された記述の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号により、正しい肢・誤りの肢を確認したものです。水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管され、令和5年以前の出題にある「厚生労働省令」は現行条文では国土交通省令です。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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