令和7年度 学科試験1 問39は、給水装置工事に係る記録の作成・保存に関する問題です。4つの記述の正誤の組み合わせから、適当なものを1つ選びます。
誤りはアとイです。どちらも条文にない縛りを加えています。
アは様式が定められているとし、イは軽微な変更でも記録が要るとしています。条文はどちらも言っていません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 給水工事技術振興財団が公開している過去5年間の試験問題で確認できます。
正解:選択肢4(ア=誤/イ=誤/ウ=正/エ=正)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 記録に定められた様式はありません。施行規則第36条第6号は記録する事項を挙げているだけで、様式を定めていません。電子媒体でもよく、申請書の写しを記録にすることもできます |
| 2 | ×(誤り) | 配管を伴わない単独水栓の取替えや部品の取替えは「軽微な変更」で、記録の対象外です。第36条第6号が明文で除いています |
| 3 | ○(正しい) | 記録の作成は指名された主任技術者が行いますが、その指導・監督の下で他の従業員が行ってもかまいません |
| 4 | ○(正しい) | 施工時に生じた技術的な問題点等を整理して記録にとどめ、以後の工事に活用していくことが望ましいとされています |
条文が何を定めていないかを見ます。
水道法施行規則 第36条第6号(事業の運営の基準)
施行した給水装置工事(第13条に規定する給水装置の軽微な変更を除く。)ごとに、第1号の規定により指名した給水装置工事主任技術者に次の各号に掲げる事項に関する記録を作成させ、当該記録をその作成の日から三年間保存すること。
ア=様式。この条は記録する事項を挙げているだけで、様式を定めていません。「水道法施行規則に定められた様式に従い作成」とした肢は令和4年に、「水道法で定められた様式に従い書面で作成し」とした肢は令和7年に、いずれも誤りでした。「決まった用紙に、紙で、主任技術者本人が」という思い込みは、どれも条文にない縛りです。
イ=軽微な変更。括弧書きが明文で除いています。軽微な変更の中身は次のとおりです。
水道法施行規則 第13条(給水装置の軽微な変更)
法第16条の2第3項の国土交通省令で定める給水装置の軽微な変更は、単独水栓の取替え及び補修並びにこま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取替え(配管を伴わないものに限る。)とする。
「軽微な変更であっても記録を作成し、保存しなければならない」とした肢は、令和5年と令和7年の2回とも誤りです。
ウ=作成者。条文は「指名した主任技術者に記録を作成させる」と書いており、作成させる主体は指定給水装置工事事業者です。主任技術者の指導・監督の下であれば他の従業員が作成してかまいません。「他の従業員が行ってはならない」とした肢は令和6年に、「いかなる場合でも」とした肢は令和4年に誤りでした。
なお保存期間は作成の日から3年間です。「5年間」とした肢は令和元年・令和4年・令和6年の3回とも誤りで、5年は事業者の指定の更新のほうです。
詳細は給水装置工事の記録は何年保存?3年か5年か・様式は定められているかで扱っています。
給水装置工事の記録に決まった様式はあるか。
ありません。施行規則第36条第6号は記録する事項を挙げているだけで、様式を定めていません。
配管を伴わない単独水栓の取替えでも記録は必要か。
不要です。施行規則第13条の軽微な変更に当たり、第36条第6号が明文で除いています。
記録は主任技術者本人が作成しなければならないか。
本人に限りません。指名された主任技術者の指導・監督の下であれば、他の従業員が作成してもかまいません。
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法令・基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省およびe-Gov法令検索でご確認ください。給水装置の設置条件や施工方法は水道事業者ごとの基準によります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月