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この器具が基準に合っているって、誰がどう証明するんだろう。
JISマークが付いていれば大丈夫、ではないのかな。
この記事の要点
自己認証は製品試験機関等に委託して得たデータでもかまいません。委託できないとした肢は誤りです。
ただし設計段階で適合していることの証明だけでは足りません。ここを「足りる」とした肢が2年度出ています。
JISに適合していればすべて性能基準適合品、という肢も2年度とも誤りです。
証明のしかたは2つあり、どちらも製造業者の側が動きます。
水道事業者が事前に許可するのではありません。まず何を証明する制度かから見ます。
性能基準に適合していることです。
給水装置用材料が使えるかどうかは、給水装置の構造及び材質の基準に関する省令に適合しているかどうかで決まります。これを消費者、指定給水装置工事事業者、水道事業者等が判断できるよう、製品等に認証マークを表示しています。
給水装置に係る第三者認証機関の業務等の指針(平成9年6月 厚生省水道環境部水道整備課)3.第三者認証制度のあり方
性能基準に適合する製品であることを消費者、工事事業者等に証明する方法として、製造業者が自ら証明する自己認証の他に、第三者機関が、製造業者の希望に応じて製品が基準に適合することを認証し、認証マークの表示を認める第三者認証制度がある。
認証は製造業者の希望に応じて行われるもので、義務ではありません。
データは委託して得たものでかまいません。
自己認証は、製造業者等が自ら又は製品試験機関等に委託して得たデータや作成した資料等に基づき、性能基準適合品であることを証明するものです。
「自ら得たデータや作成した資料に基づいて証明しなければならず、製品試験機関等に委託して得たデータや作成した資料に基づいて行うことは出来ない」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。
もう一つ、範囲についての引っかけがあります。「基準適合性の証明には、各製品が設計段階で基準省令に定める性能基準に適合していることの証明で足りる」とした肢は令和元年に、「設計段階で証明することで認証品として使用できる」とした肢は令和5年に、いずれも誤りとして出ています。
基準適合性や品質の安定性を示す証明書等は、製品の種類ごとに消費者や指定給水装置工事事業者、水道事業者等に提出されます。この記述は令和6年と令和7年に正しい肢として出ています。
証明する主体が中立的な機関になります。
第三者認証は、中立的な第三者機関が製品や工場検査等を行い、基準に適合しているものについては基準適合品として登録し、認証製品であることを示すマークの表示を認める方法です。
使うのは、自己認証が困難な製造業者や、第三者の客観性に着目して第三者による証明を望む製造業者等です。どちらの制度を使うかは製造業者が選びます。
指針は、第三者認証機関が行う検査として自社検査方法と製品ロット検査方法のいずれかを製造業者が選択できる仕組みとしています。前者は品質管理が良好で大量生産を行う製造業者に、後者は検査対象数が少ない製造業者に利点があります。
すべてではありません。ここが最もよく出ます。
「日本産業規格(JIS規格)に適合している製品は、すべて性能基準適合品である」とした肢は令和7年に、「JIS規格に適合している製品及び日本水道協会による団体規格等の検査合格品は、全て性能基準適合品である」とした肢は令和5年に、どちらも誤りとして出ています。
一方で、証明方法としてJIS認証や団体規格等の検査合格品があること自体は正しいとされています。「自己認証、第三者認証以外に、構造材質基準省令と同等以上の基準に適合しているJIS認証及び日本水道協会による団体規格等の検査合格品がある」という記述は、令和6年に正しい肢として出ています。
制度として存在することと、適合していれば自動的にすべて基準適合品になることは別です。この差が問われています。
7項目です。5項目ではありません。
同 指針 2.(構造・材質基準の見直し)
…耐圧に関する基準、浸出等に関する基準、水撃限界に関する基準、防食に関する基準、逆流防止に関する基準、耐寒に関する基準及び耐久に関する基準が定められた。これらの基準においては、個々の給水管及び給水用具に係る基準として、7項目の性能に係る基準(以下「性能基準」という。)が定められた。
省令に置かれている基準は上の7つで、このうち個々の製品に係る性能基準が7項目です。耐圧・浸出・水撃限界・逆流防止・負圧破壊・耐寒・耐久で、この並びは令和元年に正しい肢として出ています。
「技術的細目である5項目の基準が定められている」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。
すべての製品に7項目が要るわけではありません。省令は条ごとに対象を決めており、水撃限界は水撃作用を生じるおそれのある給水用具、耐久は弁類が対象です。
「給水管は、耐久性能と浸出性能が必要」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。給水管に要るのは耐圧と浸出で、耐久は弁類の基準です。
データベースがあります。
制度の円滑な実施のために、製品ごとの性能基準への適合性に関する情報が全国的に利用できるよう給水装置データベースが構築されています。第三者認証機関のホームページでも基準適合品の情報提供サービスが行われています。
令和3年にはこのデータベースの構築主体を問う穴埋めが出ており、正解は厚生労働省でした。水道行政は2024年4月に国土交通省と環境省へ移管されているため、現在の所管は国土交通省です。
認証マークを表示するのは、使う側が判断できるようにするためです。工事の記録にも、使用した給水管・給水用具に関する事項と、構造材質基準への適合の確認方法と結果を残します。
自己認証のデータは自社で取ったものに限られるか。
限られません。自ら又は製品試験機関等に委託して得たデータや資料に基づいて証明でき、委託できないとした肢は令和6年に誤りとして出ています。
自己認証は設計段階の証明で足りるか。
足りません。「設計段階での証明で足りる」「設計段階の証明で認証品として使用できる」とした肢は、令和元年と令和5年にどちらも誤りとして出ています。
第三者認証では何を行うか。
中立的な第三者機関が製品や工場検査等を行い、基準に適合していれば基準適合品として登録し、認証製品であることを示すマークの表示を認めます。
JIS規格に適合していれば性能基準適合品といえるか。
すべてがそうとはいえません。「すべて性能基準適合品である」とした肢は令和5年と令和7年に誤りで、証明方法としてJIS認証があること自体は正しい肢として出ています。
性能基準は何項目で、給水管には何が要るか。
7項目で、耐圧・浸出・水撃限界・逆流防止・負圧破壊・耐寒・耐久です。給水管に要るのは耐圧と浸出で、耐久は弁類の基準です。
> 弁類に求められる10万回の開閉は水撃作用と水撃限界性能基準とあわせて確認する
> その開閉試験で何を保つのかは耐久性能基準に条文ごと整理しています
> 性能基準がどの条から下りてくるかは水道法第16条(給水装置の構造及び材質)で扱っています
使用できる材料を水道事業者が別に指定している場合があります。実務では所管の水道事業者の指定材料をご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が24問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの24問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置工事事務論
給水装置の構造及び性能
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置の概要
まちがえやすいポイント
「できる」を「できない」に、「一部」を「すべて」に変えて出してきます。
自己認証は委託して得たデータでもよく、JIS適合品がすべて性能基準適合品になるわけではありません。どちらも方向は逆ですが、限定の付け方をずらす同じ手口です。
数字も同じで、性能基準は7項目です。5項目とした肢が令和6年に出ています。