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作業員がけがをしたら公衆災害じゃないの?
交通誘導員の事故はどっちに入るんだろう。
この記事の要点
公衆災害は工事の関係者以外の第三者に生じた危害と迷惑です。要綱の第1が「公衆」をそう定義しています。
作業員や交通誘導員のけがは労働災害で、公衆災害には当たりません。この仕分けが4年度で問われました。
数値は交通対策に集まっています。車道幅員3m・5.5m、歩行者用通路0.9m、注意灯200mが中心です。
6年度すべてで出題され、年に2問出る年もあります。
覚えるのは「誰に起きたか」の線引きと、交通対策の数値の2つです。
第三者に対する危害と迷惑です。
建設工事公衆災害防止対策要綱(土木工事編)第1 目的
この要綱は土木工事の施工に当たって、当該工事の関係者以外の第三者(以下「公衆」という。)の生命、身体及び財産に関する危害並びに迷惑(以下「公衆災害」という。)を防止するために必要な計画、設計及び施工の基準を示し、もって土木工事の安全な施工の確保に寄与することを目的とする。
定義の中心は当該工事の関係者以外の第三者という一句です。ここを押さえれば仕分けができます。
解説は危害の例も挙げています。第三者が死亡または負傷した場合はもとより、第三者の所有する家屋や車両の破損等も含まれます。
さらに「ガス、水道、電気等の施設や公共の道路に与える損傷も公衆災害に含まれる」と明記されています。
だから水道管を毀損して断水させることも、架空線に接触して停電させることも公衆災害です。人がけがをしていなくても当たります。
労働災害です。この要綱の対象ではありません。
解説は、工事関係者に対する危害である労働災害の防止は労働安全衛生法等により体系的に整備されているとして、要綱では専ら工事関係者に対する危害を防止するための措置は対象としていないと書いています。
| 出題された事例 | 扱い |
|---|---|
| 水道管を毀損したため断水した | 公衆災害 |
| 仮舗装が陥没し、通行した自転車が転倒して運転者が負傷した | 公衆災害 |
| 歩行者が建設機械に接触し、転倒により負傷した | 公衆災害 |
| 架空線に建設機械が接触し、断線により停電した | 公衆災害 |
| 作業員が掘削溝に転落し負傷した/段差につまずき転倒し負傷した | 当たらない |
| 交通整理員・交通誘導員が交通事故に巻き込まれ死傷した | 当たらない |
| 建設機械が掘削溝に転落し、オペレーターが負傷した | 当たらない |
交通整理員や交通誘導員は工事の関係者なので、事故に遭っても公衆災害にはなりません。
この仕分けは令和3年・令和5年・令和6年・令和7年の4年度で出ています。事例の文言もほぼ同じものが使い回されています。
交通流に対する背面からです。
要綱は、作業場への車両の出入りをできるだけ交通の支障とならないよう交通流に対する背面から行わなければならないとしています。
交差点付近などでやむを得ない場合であっても、背面から出入りさせることが原則です。道路の側面で行う工事では、交通流に平行する部分からの出入りになります。
この記述は令和6年に正しい肢として出ています。正面から出入りさせないという言い方でも同じ内容です。
令和4年は「交通流に対する正面から車両を出入りさせなければならない」とした肢が誤りでした。背面と正面を入れ替えるのが誤りの作り方です。
作業場の交通流に対面する部分では、車両の進行方向に対して15度から30度の角度ですりつけ区間を設けます。
車道と歩行者用通路の2種類があります。
同 第25 一般交通を制限する場合の措置(抜粋)
一 制限した後の道路の車線が1車線となる場合にあっては、その車道幅員は3メートル以上とし、2車線となる場合にあっては、その車道幅員は5.5メートル以上とする。
1車線なら3m以上、2車線なら5.5m以上です。これより広くとることが望ましいとされています。
歩行者用通路は第27に定めがあります。車道とは別に幅0.90m以上、有効高さは2.1m以上を確保します。
高齢者や車椅子使用者等の通行が想定されない場合は幅0.75m以上でよく、歩行者の多い箇所では幅1.5m以上とします。
歩行者用通路には標識等を掲げ、夜間は照明を設けます。段差や路面の凹凸をなくし、必要に応じてスロープ、手すり、視覚障害者誘導用ブロック等を設けます。
3つあり、距離がそれぞれ違います。
| 対象 | 要綱の定め |
|---|---|
| 工事を予告する 道路標識・標示板等 |
工事箇所の前方50mから500mの間の路側又は中央帯のうち、視認しやすい箇所に設置 |
| 保安灯 | 夜間施工時、さく等に沿って高さ1m程度の位置に設置。夜間150m前方から視認できる光度 |
| 注意灯 | 交通量の特に多い道路で、必要に応じて夜間200m前方から視認できる回転式か点滅式の黄色又は赤色のもの |
令和7年は、この注意灯を「夜間100m前方から視認できる」とした肢が誤りでした。
保安灯の150mと取り違えないよう、注意灯は200mと覚えます。注意灯は標示板に近接した位置に設置します。
工事用の諸施設を設置する場合は、周囲の地盤面から高さ0.8m以上2m以下の部分について、通行者の視界を妨げない措置を講じます。
5%以内の勾配ですりつけます。
道路を掘削した箇所を車両の交通の用に供するときは、埋め戻したのち原則として仮舗装か覆工を行い、周囲の路面との段差を生じないようにします。
「10%以内の勾配ですりつける」とした肢は、令和4年と令和5年のどちらも誤りです。令和7年は「5%以内」と正しく書いた形で出ています。
やむを得ず段差が生じた場合は5%以内ですりつけ、標示板等を設置して段差の存在を通行車両にあらかじめ知らせます。
掘削や埋戻しそのものの決まりは施工計画書と現場管理で扱っています。
要綱がいう「公衆」とは誰か。
当該工事の関係者以外の第三者です。その生命・身体・財産に関する危害と迷惑が公衆災害になります。
交通誘導員が交通事故で負傷した。公衆災害か。
当たりません。工事の関係者なので労働災害で、作業員の転落や転倒も同じ扱いです。
水道管を毀損して断水させた。公衆災害か。
当たります。ガス・水道・電気等の施設や公共の道路に与える損傷も公衆災害に含まれます。
通行を制限して1車線にする場合、車道幅員はいくらか。
3m以上です。2車線となる場合は5.5m以上とします。
注意灯は夜間何メートル前方から視認できる必要があるか。
200mです。保安灯の150mと取り違えないようにします。
> 現場での協議・立会いの相手は安全管理で、道路の占用や明示は給水管の埋設深さと明示で扱っています
> 移動さくの設置のしかたは移動さくと安全ロープで扱っています
実際の交通規制の内容は、道路管理者及び所轄警察署長の指示に従います。本記事の数値は特に指示がない場合の標準です。
解説の中でこの記事を参照している過去問が16問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの16問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置施工管理法
給水装置の構造及び性能
給水装置の概要
水道行政
給水装置工事事務論
まちがえやすいポイント
事例問題は毎年ほぼ同じ文で出るので、1回仕分けを覚えれば取れます。
工事の関係者に起きたことは、どれだけ重大でも公衆災害ではありません。
交通誘導員は道路の上に立っているので第三者に見えますが、工事の関係者です。人ではなく施設への損傷(断水・停電)は公衆災害に入ります。