T
水道メーターって、置く場所も向きも決まっているのかな。
ただ管の途中に入れるだけじゃダメなの?
この記事の要点
水道メーターは原則として道路境界線に最も近接した敷地部分に置き、水平に取り付けます。傾けると計量精度や耐久性が落ちます。
器種によっては前後に直管部が要ります。ここを「曲管部」と書き替えた肢が誤りとして出ています。
羽根車式は流速に着目する方式です。水圧に着目するとした肢も誤りになっています。
水道メーターは料金の根拠になる計量器です。
だから置き方が細かく決められています。まず設置の決まりから見ます。
敷地の入口付近です。
給水装置標準計画・施工方法 3.5 水道メータの設置(国土交通省)
水道メータの設置位置は、原則として道路境界線に最も近接した敷地部分で、メータの点検及び取替作業が容易であり、かつ、メータの損傷、凍結等のおそれがない位置であること。
理由は2つあります。使用水量の計量と、メーター先における漏水の発生を検知するためです。
汚水や雨水が流入する場所、障害物が置かれやすい場所は避けて選びます。
中高層建物で使う直結加圧形ポンプユニットは、原則としてこのメーターの下流側に置きます。上流ではありません。
水平です。傾けてはいけません。
傾斜して取り付けると水道メーター性能、計量精度や耐久性を低下させる原因になります。逆方向に取り付けると正規の計量指針を表示しないため、表示されている流水方向の矢印を確認してから取り付けます。
なお電磁式については、取付姿勢が自由であることが令和6年に正しい肢として出ています。
直管部です。
適正な計量を確保するため、器種によっては水道メーターの前後に所定の直管部を確保します。大口径の羽根車式などが該当します。
これを「曲管部を確保する」と書き替えた肢が、令和6年に誤りとして出ています。まっすぐな区間が要るのであって、曲げるのではありません。
ますに入れることと、汚染の防止です。
地中に設置する場合は、鋳鉄製・プラスチック製・コンクリート製等のメータます又はメータ室に入れます。埋没や外部からの衝撃から防護し、その位置を明らかにしておきます。
あわせてメータ取り外し時の戻り水による汚染の防止を考慮します。防水処理または排水処理などの措置を講じます。
| 口径 | メータますの一般的な構造 |
|---|---|
| 13〜40mm | 鋳鉄製、プラスチック製、コンクリート製等のメータます |
| 50mm以上 | コンクリートブロック、現場打ちコンクリート、鋳鉄製等で、上部に鉄蓋を設置した構造 |
数戸に直結増圧式等で給水する場合は、取り替え時の断水を避けるメータバイパスユニットを設ける方法があります。取り替え中はバイパス側を通水させます。
この目的を「ウォーターハンマーを回避するため」とした肢は、令和5年 問14で誤りでした。避けるのは水撃ではなく断水です。
メーター周りを一体化したユニットは4つの形で出題されています。令和7年 問49はこの4つを並べたもので、正答は(2)でした。
| ユニットの種類 | 出題された説明 |
|---|---|
| メーターバイパスユニット | メーターボックスと一体化。バイパス管の中にパイロット管が内蔵され、水が循環して停滞水とならない |
| メーターユニット(埋設用) | 戸建て住宅のメーター周りの給水用具を一体化したもの。令和7年は部品を「減圧弁」として誤りになりました |
| メーターカートリッジ | 接続ねじ部にスプリングを内蔵したアダプタを取り付け、フレーム部に圧着方式で固定する |
| 地上式複式メーターユニット | 集合住宅用。検針の効率化と敷地の有効利用のため、縦型で複数台を一体化 |
埋設用のメーターユニットは、検定満期の取替え時の漏水事故防止と、取替え時間の短縮を目的に開発されたものです。この説明は令和5年 問14で正しい肢として出ています。
寒冷地では凍結破損を防ぐため、防寒措置や、取り付け深さを凍結深度より深くすることに配慮します。集合住宅の配管スペース内など外気の影響を受けやすい場所では、発泡ポリスチレンなどのカバーを施します。
羽根車式が主に使われています。
| 型式 | 構造 |
|---|---|
| 接線流羽根車式 | 計量室内に設置された羽根車に、ノズルから接線方向に噴射水流を当てて回転させる |
| 軸流羽根車式 | 管状の器内に設置された、流れに平行な軸を持つ螺旋状の羽根車を回転させる |
| 電磁式 | 給水管と同じ呼び径の直管で機械的可動部がないため耐久性に優れ、小流量から大流量まで広範囲な計測に適する |
計量法施行令には、接線流羽根車式・縦型軸流羽根車式・横型軸流羽根車式のほか、ベンチュリー管分流式・複合型・副管付・円板型・ロータリーピストン型といった型式名が出てきます。
羽根車式が着目しているのは流速です。「水圧と通過水量が比例することに着目して計量する」とした肢は、令和6年に誤りとして出ています。
計量法です。水道法ではありません。
計量法施行令は、特定計量器として口径が350mm以下の水道メーターを挙げています。料金算定の基礎になるため、検定に合格したものを設置します。
令和6年には「水道法に定める特定計量器の検定」とした肢が誤りとして出ています。根拠となる法律の名前が入れ替えられています。
水道メーターの設置位置はどこが原則か。
原則として道路境界線に最も近接した敷地部分で、点検及び取替作業が容易であり、損傷や凍結等のおそれがない位置です。
器種によってはメーターの前後に何を確保するか。
所定の直管部で、大口径の羽根車式などが該当します。「曲管部」とした肢は誤りです。
接線流羽根車式と軸流羽根車式の構造の違いは。
接線流はノズルから接線方向に噴射水流を当てて羽根車を回します。軸流は管状の器内で、流れに平行な軸を持つ螺旋状の羽根車を回します。
羽根車式は何に着目して計量しているか。
流速です。「水圧と通過水量が比例することに着目」とした肢は誤りとして出題されています。
水道メーターの検定は何法に基づくか。
計量法です。計量法施行令が口径350mm以下の水道メーターを特定計量器として挙げており、「水道法に定める特定計量器」とした肢は誤りになります。
> メーターまでの工事で使う器具はサドル付分水栓を確認する
> 計量方法の分類そのものは流速式と容積式の違いで扱っています
> たて形の構造と損失水頭はたて形軸流羽根車式とよこ形の違いで扱っています
> 2つの羽根車式の構造の違いは接線流羽根車式と軸流羽根車式の違いで扱っています
> 可動部の無い型は電磁式水道メーターで扱っています
> 表示方式と計量部・指示部の区分は円読式と直読式の違いで扱っています
> 検定の根拠と8年の交換は検定有効期間は8年で扱っています
> 呼び径を決めるときに見る流量は適正使用流量範囲と瞬時使用の許容流量で扱っています
水道メーターは水道事業者が設置するもので、器種・口径・設置方法は水道事業者ごとに定められています。実務では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が12問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの12問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置の概要
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
一字だけ変えて出してくる箇所があります。
前後に確保するのは「直管部」で「曲管部」ではなく、羽根車式が着目するのは「流速」で「水圧」ではありません。検定の根拠も「計量法」であって「水道法」ではありません。
設置位置も、道路の中ではなく道路境界線に最も近接した敷地部分です。境界線のどちら側かを読み違えないでください。