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マンションの上の階まで、配水管の水圧だけで届くのかな。
昔は屋上のタンクに一度ためていた気がするけど。
この記事の要点
直結加圧形ポンプユニットは、配水管の水圧では届かない中高層建物に直結給水するためのポンプ設備です。受水槽を置かずに上階まで送れます。
吐水圧は下流側の圧力損失・末端最高位の給水用具に必要な圧力・高低差の3つを足して決めます。
逆流防止装置はユニットの構成外機器で、通常は吸込側に付けます。ここと圧力タンクの目的が繰り返し問われます。
受水槽をやめて、配水管から直接ポンプで押し上げる方式です。
受水槽の管理が不十分だと衛生上の問題が生じます。省エネルギーの観点からも直結給水の推進が必要とされ、この設備で直結の範囲を広げてきました。
給水装置標準計画・施工方法 1.直結式 2)直結増圧式(国土交通省)
直結増圧式は、給水管の途中に増圧給水設備を設置し、圧力を増して直結給水する方法である。この方式は、給水管に直接増圧給水設備を連結し、配水管の水圧に影響を与えることなく、水圧の不足分を加圧して高位置まで直結給水するもので、水道水の安定供給の確保を基本とし、直結給水の範囲の拡大を図り、これにより受水槽における衛生上の問題の解消、省エネルギーの推進、設置スペースの有効利用などを目的としている。
同じものを2つの呼び方で書いているためです。
試験問題と製品規格は「直結加圧形ポンプユニット」、国土交通省の標準計画・施工方法は増圧給水設備と書いています。標準計画の側に「直結加圧形ポンプユニット」という語は出てきません。
製品規格はJWWA B 130:2005(水道用直結加圧形ポンプユニット)で、対象口径は20mm〜75mmです。
3つを足します。
同 2.4 増圧給水設備の吐水圧の設定
増圧給水設備の下流側の給水管及び給水用具の圧力損失、末端最高位の給水用具を使用するために必要な圧力、及び増圧給水設備と末端最高位の給水用具との高低差の合計が、増圧給水設備の吐水圧の設定値である。
この設備は、末端最高位の給水用具に一定の余裕水頭を加えた高さまで水位を確保する能力を持ち、安定かつ効率的な性能の機種を選びます。
使用実態に沿った同時使用水量からです。
手順は3段階です。始めに建物内の同時使用水量を把握し、その水量を給水できる性能を有する増圧給水設備を選定し、さらにその水量に応じた取り出し給水管の口径を決めます。
「一日使用水量」や「1日当たりの計画使用水量」から決めるとした肢は誤りです。一日当たりで考えるのは受水槽式のほうです。
同時使用水量の求め方そのものは同時使用水量で扱っています。
構成機器はユニットにまとめられています。
| 扱い | 機器 |
|---|---|
| ユニットの構成 | ポンプ、電動機、制御盤、バイパス管、圧力発信機、流水スイッチ、圧力タンク等 |
| 構成外の機器 | 逆流防止装置 |
| 組み込まれない | 副弁付定水位弁 |
副弁付定水位弁を構成に混ぜた肢が、令和元年と令和6年に誤りとして出ています。
通常はユニットの吸込側です。
ただし吸込圧力を十分確保できない場合は、ユニットの吐出側に設置してもよいとされています。この形は令和3年・6年・7年とも正しい肢として出ています。
なお近接して設置する逆流防止器の形式は、当該水道事業者の直結給水システムの基準等によります。
ポンプが停止した後の水圧保持のためです。
吐出側配管に設けますが、圧力タンクを設けなくても吐出圧力・吸込圧力・自動停止の性能を満足し、吐出圧力が保持できる場合はこの限りでないとされています。規格に定める性能に支障が生じなければ、設置する必要はありません。
「停電によりポンプが停止したときに水を供給するため」とした肢は、令和元年と令和3年に誤りとして出ています。
配水管に迷惑をかけないことが軸です。
1台では給水が不可能な大規模な集合住宅等では、複数のユニットを直列又は並列に設置します。
直結加圧形ポンプユニットは何のための設備か。
給水装置に設置して中高層建物に直接給水することを目的に開発されたポンプ設備で、その機能に必要な構成機器すべてをユニットにしたものです。標準計画・施工方法では増圧給水設備と呼んでいます。
吐水圧の設定値は何を足したものか。
増圧給水設備の下流側の給水管及び給水用具の圧力損失、末端最高位の給水用具を使用するために必要な圧力、増圧給水設備と末端最高位の給水用具との高低差の合計です。
直結増圧式の口径は何から決めるか。
使用実態に沿った同時使用水量からです。始めに建物内の同時使用水量を把握し、その水量を給水できる増圧給水設備を選定してから、取り出し給水管の口径を決めます。
逆流防止装置はユニットの構成に含まれるか。どこに設置するか。
構成外の機器です。通常はユニットの吸込側に設置しますが、吸込圧力を十分確保できない場合は吐出側に設置してもよいとされています。
圧力タンクの目的は何か。
ポンプが停止した後の水圧保持のためです。「停電によりポンプが停止したときに水を供給するため」とした肢は誤りとして出題されています。
> 元になる水量の求め方は同時使用水量を確認する
> このユニットを使うシステム全体の組み立ては直結給水システムの計画・設計で扱っています
> 吐水圧を求める計算問題は水頭の計算問題の解き方で扱っています
> 副弁付定水位弁そのものの構造は定水位弁で扱っています
直結給水システムの適用範囲、逆流防止器の形式、設置の可否は水道事業者ごとの基準で定められています。実際の計画・設計では所管の水道事業者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が13問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの13問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置工事事務論
給水装置施工管理法
水道行政
給水装置の概要
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
吸込側の水圧が異常低下したときの復帰は、書き方に注意が要ります。
「水圧が復帰した場合には手動で復帰させる」(令和4年・6年)も、「あらかじめ設定された時間を経過すると自動復帰し運転を再開する」(令和7年)も、どちらも誤りとして出題されています。断定した書き方の肢は疑ってください。
確実に押さえるのは、圧力タンクの目的が停電時の給水ではなく水圧保持であることと、逆流防止装置が構成外機器で通常は吸込側であることの2つです。