給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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専用水道と簡易専用水道の違いとは?100人・20m³・10m³の分かれ目

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マンションの屋上のタンクも「水道」って呼ぶのかな。

名前が似た区分がいくつもあって、どれがどれだか。

この記事の要点

水道法は水道をいくつかに区分し、人数と水量で線を引いています。専用水道は100人を超えるか、飲用等の水量が20m³を超えるものです。

簡易専用水道は、水道事業の水だけを水源とし、受水槽の有効容量の合計が10m³を超えるものを指します。

この10m³を100m³に入れ替えた肢が出ています。100m³は別の場所に出てくる数値です。

同じ「水道」でも、規模で呼び名と義務が変わります。

まず全体の区分を押さえます。数値は水道法第3条と、そこから委任された水道法施行令にあります。

水道法における水道の区分の図。水道事業は給水人口100人以下を除く、簡易水道事業は給水人口5000人以下、専用水道は100人を超えるか1日最大給水量のうち飲用等の水量が20立方メートルを超えるもの、簡易専用水道は受水槽の有効容量の合計が10立方メートル以下のものを除く。100立方メートルは専用水道のただし書きの数値。
10m³は簡易専用水道、100m³は専用水道のただし書き。似た数値が別の場所に出てくる。※条文の記載を整理した図。

専用水道とはどれを指すのか

寄宿舎・社宅・療養所等における自家用の水道などです。

水道法 第3条第6項

この法律において「専用水道」とは、寄宿舎、社宅、療養所等における自家用の水道その他水道事業の用に供する水道以外の水道であつて、次の各号のいずれかに該当するものをいう。ただし、他の水道から供給を受ける水のみを水源とし、かつ、その水道施設のうち地中又は地表に施設されている部分の規模が政令で定める基準以下である水道を除く。一 百人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの 二 その水道施設の一日最大給水量が政令で定める基準を超えるもの

2号の「政令で定める基準」が20m³です。人の飲用その他の国土交通省令で定める目的のために使用する水量で判断します。

ただし書きの除外にあたる基準は2つで、口径25mm以上の導管の全長が1,500m、水槽の有効容量の合計が100m³です。

専用水道の布設工事に要る手続きは認可ではなく確認です。事業ごとの手続きの違いは水道事業の認可で扱っています。

簡易専用水道はどこが違うのか

水源が水道事業の水だけである点です。

受水槽より下の設備、つまりビルやマンションの受水槽以下が該当します。

水道法 第3条第7項 / 水道法施行令 第2条

この法律において「簡易専用水道」とは、水道事業の用に供する水道及び専用水道以外の水道であつて、水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とするものをいう。ただし、その用に供する施設の規模が政令で定める基準以下のものを除く。/(施行令第2条)法第三条第七項ただし書に規定する政令で定める基準は、水道事業の用に供する水道から水の供給を受けるために設けられる水槽の有効容量の合計が十立方メートルであることとする。

つまり受水槽の有効容量の合計が10m³を超えるものが簡易専用水道です。

この10m³を100m³と書いた肢が令和4年に誤りとして出ています。100m³は専用水道のただし書きに出てくる別の数値です。

給水人口の数字はどれがどれか

人数の基準も3つ出てきます。

区分 人数 向き
水道事業 給水人口100人 100人以下を除く
簡易水道事業 給水人口5,000人 5,000人以下の水道事業
専用水道 100人 100人を超える

簡易水道事業を「1,000人以下」とした肢が令和6年に誤りとして出ています。5,000人です。

簡易専用水道の設置者は何をするのか

管理と検査の2つです。どちらも義務です。

水道法 第34条の2

簡易専用水道の設置者は、国土交通省令で定める基準に従い、その水道を管理しなければならない。2 簡易専用水道の設置者は、当該簡易専用水道の管理について、国土交通省令(簡易専用水道により供給される水の水質の検査に関する事項については、環境省令)の定めるところにより、定期に、地方公共団体の機関又は国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならない。

管理する主体は設置者です。水道事業者でも水道技術管理者でもありません。

基準の中身は水道法施行規則第55条にあり、4つ定められています。

  • 水槽の掃除を毎年1回以上定期に行うこと
  • 水槽の点検等、有害物・汚水等によって水が汚染されるのを防止するために必要な措置を講ずること
  • 給水栓における水の色、濁り、臭い、味その他の状態により供給する水に異常を認めたときは、必要な事項について検査を行うこと
  • 供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときは、直ちに給水を停止し、その水を使用することが危険である旨を関係者に周知させる措置を講ずること

検査のほうは施行規則第56条で、毎年1回以上定期に行うものとされています。

古い過去問と条文で書き方が違うのはなぜか

所管が移り、表現も変わったためです。

項目 令和元年の出題 令和6年の出題・現行条文
掃除・検査の頻度 1年以内ごとに1回 毎年1回以上
検査機関の登録先 厚生労働大臣 国土交通大臣及び環境大臣

現行の条文は右の列です。古い年度の過去問で覚えると、いまの条文とずれます。

まちがえやすいポイント

数字が似ているものが同じ問題に並びます。

10m³は簡易専用水道の線、100m³は専用水道のただし書きの線で、5,000人は簡易水道事業、100人は水道事業と専用水道の線です。どの区分の数字かをセットで覚えてください。

管理の主体も狙われます。簡易専用水道を管理するのは設置者で、水道事業者ではありません。

理解度チェック

Q.

専用水道に当たるのはどんな水道か。

寄宿舎・社宅・療養所等における自家用の水道その他水道事業の用に供する水道以外の水道で、100人を超える者にその居住に必要な水を供給するもの、または1日最大給水量のうち飲用等の水量が20m³を超えるものです。

Q.

簡易専用水道の線引きとなる受水槽の容量は。

受水槽の有効容量の合計が10m³です。10m³以下のものは簡易専用水道から除かれるので、10m³を超えるものが該当します。

Q.

100m³という数値はどこに出てくるか。

専用水道のただし書きの除外基準です。他の水道の水のみを水源とし、口径25mm以上の導管の全長が1,500m以下かつ水槽の有効容量の合計が100m³以下の水道は、専用水道から除かれます。

Q.

簡易水道事業の給水人口は何人以下か。

5,000人以下です。1,000人以下とした肢が令和6年に誤りとして出題されています。

Q.

簡易専用水道を管理する義務を負うのは誰か。掃除と検査の頻度は。

設置者です。水槽の掃除も、地方公共団体の機関または国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者の検査も、どちらも毎年1回以上定期に行います。

まとめ

  • 水道事業は給水人口100人以下を除く。簡易水道事業は給水人口5,000人以下
  • 専用水道は100人超、または1日最大給水量のうち飲用等の水量が20m³超
  • 簡易専用水道は水道事業の水のみを水源とし、受水槽の有効容量の合計が10m³超
  • 100m³は専用水道のただし書き(導管1,500m以下・水槽100m³以下)の数値。10m³と混同させる肢が出る。
  • 管理も検査も義務を負うのは設置者。どちらも毎年1回以上。登録先は現行では国土交通大臣及び環境大臣。

> 水質の基準そのものは残留塩素を確認する

専用水道の確認手続や簡易専用水道の検査機関は、都道府県・保健所設置市等によって窓口が異なります。実務では所管の窓口にご確認ください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が12問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの12問で全部、という意味ではありません。

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参考資料

  • 水道法(昭和32年法律第177号)第3条 用語の定義/第34条の2 簡易専用水道の管理(e-Gov法令検索
  • 水道法施行令(昭和32年政令第336号)第1条 専用水道の基準/第2条 簡易専用水道の適用除外の基準(e-Gov法令検索)。1,500m・100m³・20m³・10m³の各数値は同令によります。
  • 水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第55条 管理基準/第56条 検査(e-Gov法令検索)。掃除・検査の「毎年1回以上」は同条によります。
  • ※ 誤りとして出題された記述の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号によります。水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管されました。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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