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道路を掘る工事なら計画書が要るのは分かる。
でも、家の敷地の中だけの工事でも要るのかな。
この記事の要点
水道メーター以降の宅地内工事でも施工計画書は必要です。これを不要とした肢が2年度とも誤りとして出ています。
作るのは給水装置工事主任技術者で、周知する相手は工事従事者です。付近住民ではありません。
埋戻し土は道路管理者の承諾を受けて指定された土砂を使います。承諾の相手を水道事業者とした肢が3年度とも誤りとして出ています。
道路の上でも敷地の中でも、施工計画書は作ります。
試験はここを毎年のように突いてきます。まず責任者から見ます。
給水装置工事主任技術者です。
責任者は施工内容に沿った施工計画書を作成し、周知を図ります。工事の施行に当たっては工程管理を行い、公衆災害及び労働災害を防止するための安全対策を行います。
この責任者を「水道技術管理者」とした選択肢が、令和6年の穴埋め問題に誤りの組み合わせとして並んでいます。水道技術管理者は水道事業者側に置かれる人です。
現地調査と水道事業者等との協議に基づいて、7つを記載します。
| 分類 | 記載する事項 |
|---|---|
| 体制 | 作業の責任を明確にした施工体制/有資格者名簿 |
| やり方 | 施工方法/品質管理項目及び方法/安全対策 |
| 備え | 緊急時の連絡体制と電話番号/実施工程表 |
この記載事項は令和元年・令和3年・令和5年に、いずれも正しい肢として出ています。品質管理については、管理項目と管理方法に加えて管理担当者を定め、結果を記録にとどめ、実施状況を写真に撮って工事記録として残します。
書いたあとは、そのとおりに動きます。具体的には施工計画に基づく工程・作業時間・作業手順・交通規制等に沿って工事を施行します。
そして必要の都度、工事目的物の品質確認を行います。この一連の記述も同じ3年度で正しい肢として出ています。
進み具合は、施工計画時に作成した工程表と実績を比べて把握します。工程表そのものの種類は給水装置工事の工程管理で扱っています。
工事従事者です。付近住民ではありません。
作った施工計画書は工事従事者に周知します。周知先を「付近住民」とした選択肢が、令和6年の穴埋めで誤りの組み合わせに並んでいます。
工事の過程で作業従事者、使用機器、施工手順、安全対策等に変更が生じたときは、その都度施工計画書を修正し、工事従事者に通知します。これは令和3年に正しい肢として出ています。
付近住民に対しては別に説明が要りますが、工事着手に先立って行うもので着手後ではありません。「工事着手後速やかに」とした肢は令和元年に誤りとして出ています。
作ります。ここが最もよく出ます。
配水管からの分岐以降水道メーターまでの工事は道路上での工事を伴うため、施工計画書を作成して管理します。これに続けて「水道メーター以降の工事は、宅地内での工事であることから、施工計画書を作成する必要がない」とした肢が令和元年に、「その限りではない」とした肢が令和5年に、どちらも誤りとして出ています。
言い回しを変えて2年度出ているので、場所で要否が変わるという記述はすべて誤りと考えて差し支えありません。
道路管理者です。水道事業者ではありません。
給水装置標準計画・施工方法 3.7.1 土工事(国土交通省)
道路内における埋戻しは、道路管理者の承諾を受け、指定された土砂を用いて、原則として厚さ30cmを超えない層ごとに十分締固め、将来陥没、沈下等を起こさないようにしなければならない。
道路以外の埋戻しは、当該土地の管理者の承諾を得て良質な土砂を用います。承諾を得る相手が場所で変わります。
「埋戻し土は水道事業者が定める基準を満たした材料であるか検査・確認し、水道事業者の承諾を得たものを使用する」とした肢は、令和4年と令和6年に誤りとして出ています。令和7年は「水道法に定める基準」と書き換えた形で出て、これも誤りでした。
3年度とも誤りになるのは、基準をどこが定めるかではありません。承諾を得る相手が水道事業者になっているためです。
「水道事業者が定める基準」に変えても誤りのままである点に注意してください。道路内の埋戻しで承諾を得る相手は道路管理者です。
本復旧は道路管理者の指示に従い、埋戻し完了後速やかに行います。速やかに行うことが困難なときは、道路管理者の承諾を得た上で仮復旧工事を行います。
警察署長と道路管理者へ通報し、水道事業者へ連絡します。
同 3.7.3 現場管理
工事中、万一不測の事故等が発生した場合は、直ちに所轄警察署長、道路管理者に通報するとともに、水道事業管理者に連絡しなければならない。工事に際しては、予めこれらの連絡先を確認し、周知徹底をさせておくこと。
他の埋設物を損傷した場合は、直ちにその埋設物の管理者に通報し、指示に従います。相手が違います。
断水を伴う分岐工事の日は、断水させる側である水道事業者との協議で決めます。「道路管理者との協議に基づいて断水工事日が設定される」とした肢は令和6年に誤りとして出ています。
工事の施工によって生じた建設発生土や建設廃棄物等は、工事施行者が責任をもって適正かつ速やかに処理します。
出題では、この論点は「事故の状況及び措置の内容を水道事業者及び関係官公署に報告する」という言い方で出ます。上の警察署長・道路管理者をまとめて「関係官公署」と呼ぶ形です。
この記述は令和元年・令和4年・令和6年・令和7年の4年度とも正しい肢で、一度も誤りにされていません。
令和元年と令和6年は「事故が発生し、又は発生するおそれがある場合」として、起きる前の段階も含めた形で出ています。
施工管理の責任者は誰か。
給水装置工事主任技術者です。施工内容に沿った施工計画書を作成し、周知を図ったうえで工程管理と安全対策を行います。
施工計画書を周知する相手は誰か。
工事従事者です。付近住民とした選択肢は誤りの組み合わせに並んでおり、住民への説明は工事着手に先立って別に行います。
水道メーター以降の宅地内工事に施工計画書は必要か。
必要です。「宅地内なので作成する必要がない」「その限りではない」とした肢は、令和元年と令和5年にどちらも誤りとして出ています。
道路内の埋戻し土は誰の承諾を受けるか。
道路管理者です。承諾を受けて指定された土砂を用い、原則として厚さ30cmを超えない層ごとに十分締固めます。
断水を伴う分岐工事の日は誰と協議して決めるか。
水道事業者です。「道路管理者との協議に基づいて設定される」とした肢は令和6年に誤りとして出ています。
> 掘る深さと明示の決まりは給水管の埋設深さと明示を確認する
> 現場に入ってからの事故を防ぐ側は安全管理にまとめました
施工計画書の様式や提出の要否、断水広報の手順は水道事業者ごとに定めがあります。実務では所管の水道事業者と道路管理者にご確認ください。
解説の中でこの記事を参照している過去問が18問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの18問で全部、という意味ではありません。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
給水装置施工管理法
給水装置工事事務論
水道行政
給水装置の概要
給水装置の構造及び性能
まちがえやすいポイント
覚えるのは中身より「相手」です。
施工計画書を周知するのは工事従事者、埋戻し土の承諾は道路管理者、断水日の協議は水道事業者です。どれも一つずつずらして出題されます。
場所による例外もありません。宅地内の工事でも施工計画書は作ります。