給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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水道法の平成30年改正とは?5つの柱と運営権の許可は誰がするのか

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水道のコンセッションって、県が許可するものだと思っていた。

5年ごとの更新も、誰が更新するのか混ざってしまう。

この記事の要点

改正で入ったのは責務・広域連携・資産管理・官民連携・指定制度の5つです。

水道施設運営権の設定には国土交通大臣の許可が要ります。都道府県知事とした肢は2年度で誤りでした。

5年ごとに更新するのは指定給水装置工事事業者の指定です。主任技術者ではありません。

許可する相手と、更新する相手。この2つだけが差し替えられています。

改正の柱を5つ並べると、どこに条文があるかも見えてきます。

水道法の平成30年改正で入った5つを示す図。関係者の責務(法2条の2)、広域連携の推進として国が基本方針(法5条の2)と都道府県が水道基盤強化計画(法5条の3)、適切な資産管理として水道施設台帳の作成・保管(法22条の3)、官民連携として水道施設運営権の設定に国土交通大臣の許可(法24条の4)、指定給水装置工事事業者の5年更新。誤りとして出るのは、運営権の設定を都道府県知事の許可・認可とした令和3年・令和4年の肢と、主任技術者が5年ごとに更新とした令和7年の肢。
左が改正の5本柱、右が入れ替えられる2か所。※関係をつかむための模式図。

平成30年改正で何が入ったのか

5つの柱があり、それぞれ条文が対応します。

中身と条文
関係者の責務 国・都道府県・市町村・水道事業者等の努力義務(法第2条の2)
広域連携の推進 国が基本方針(法第5条の2)、都道府県が水道基盤強化計画(法第5条の3)
適切な資産管理 水道施設台帳の作成・保管(法第22条の3)
官民連携 水道施設運営権の設定(法第24条の4〜第24条の11)
指定制度の改善 指定給水装置工事事業者の指定に5年ごとの更新制(法第25条の3の2)

令和7年は、この5つのうち台帳・責務・広域連携の3つが正しい肢として出ています。

広域連携では役割が分かれます。基本方針を定めるのはで、水道基盤強化計画を定めることができるのは都道府県です。

計画は基本方針に基づいて定め、あらかじめ計画区域内の市町村や水道事業者等の同意を得ます。

この「定めることができる」を「定めなければならない」に変えた肢が、令和4年に誤りとして出ています。都道府県に義務はありません。

水道施設運営権とは何か

民間が料金を自分の収入として受け取って運営する仕組みです。

水道法 第24条の4第1項(水道施設運営権の設定の許可・抜粋)

地方公共団体である水道事業者は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律第十九条第一項の規定により水道施設運営等事業(水道施設の全部又は一部の運営等であつて、当該水道施設の利用に係る料金を当該運営等を行う者が自らの収入として収受する事業をいう。)に係る公共施設等運営権を設定しようとするときは、あらかじめ、国土交通大臣の許可を受けなければならない。

ポイントは利用料金を自らの収入として収受するという部分です。単なる業務委託とはここが違います。

設定できるのは地方公共団体である水道事業者に限られます。水道施設運営等事業は、その運営権が設定された場合に限り実施できます(同条第2項)。

許可するのは誰か

国土交通大臣です。

「あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない」とした肢は令和4年に、「都道府県知事の認可」とした肢は令和3年に、それぞれ誤りとして出ています。

2年度とも同じ場所が差し替えられています。許可する相手だけを見れば判断できます。

この許可を受ける場合、水道事業者は水道事業の休止の許可を受けることを要しません(同条第1項後段)。運営権の許可がそれを兼ねる形です。

運営権者に認可は要るのか

要りません。ただし技術管理者は置きます。

同 第24条の4第3項・第24条の7第1項

3 水道施設運営権を有する者が水道施設運営等事業を実施する場合には、第六条第一項の規定にかかわらず、水道事業経営の認可を受けることを要しない。

(第24条の7第1項)水道施設運営権者は、水道施設運営等事業について技術上の業務を担当させるため、水道施設運営等事業技術管理者一人を置かなければならない。

どちらも令和4年に正しい肢として出ています。認可は免除されますが、技術上の責任者を置く義務は残ります。

この技術管理者は水道技術管理者と同じ第19条第2項各号の事務に従事し、資格も同じ政令の資格によります。

5年ごとに更新するのは誰か

指定給水装置工事事業者です。

「指定給水装置工事事業者が選任する給水装置工事主任技術者は、5年ごとに更新を受けなければならない」とした肢は、令和4年と令和7年の2年度とも誤りでした。令和4年は「事業者の5年ごとの更新制度が導入されたことに伴って」という言い方でした。

更新の対象は事業者の指定のほうです。主任技術者の免状に更新はありません。

更新制が入った理由と、更新時に確認することが望ましい事項は指定給水装置工事事業者の指定と更新で扱っています。

業務の委託とはどう違うのか

料金を誰が受け取るかが違います。

法第24条の3の業務の委託は、水道の管理に関する技術上の業務の全部又は一部を他者に委託する仕組みです。委託を受けた者は受託水道業務技術管理者を1人置きます。

委託したときは、遅滞なく国土交通大臣に届け出ます。運営権のような許可ではありません。

この委託の仕組みを説明した肢は令和3年に正しい肢として出ています。同じ年に、水道の布設工事の監督業務(法第12条)や水質検査の請求(法第18条)も正しい肢として並びました。

まちがえやすいポイント

改正の中身より、手続きの相手のほうが問われます。

運営権の許可は国土交通大臣、5年更新は事業者の指定。この2つを押さえます。

改正当時の条文は「厚生労働大臣」でした。2024年4月の移管で国土交通大臣に変わっています。

理解度チェック

Q.

水道施設運営権の設定には誰の許可が要るか。

国土交通大臣です。都道府県知事とした肢は令和3年・令和4年の2年度とも誤りでした。

Q.

水道施設運営権者は水道事業経営の認可を受けるか。

受けることを要しません。ただし水道施設運営等事業技術管理者を1人置く必要があります。

Q.

5年ごとの更新を受けるのは誰か。

指定給水装置工事事業者です。主任技術者が更新を受けるとした肢は令和7年に誤りでした。

Q.

水道基盤強化計画は誰が定めるか。

都道府県です。国が定めるのは基本方針で、計画はその基本方針に基づいて定めます。

Q.

運営権と業務の委託は何が違うか。

運営権は利用料金を運営する者が自らの収入として収受します。委託は技術上の業務を任せる仕組みで、届出により行います。

まとめ

  • 改正の柱は責務・広域連携・資産管理・官民連携・指定制度の5つ。
  • 運営権の設定は国土交通大臣の許可。都道府県知事ではない(法第24条の4)。
  • 運営権者は水道事業経営の認可が不要。ただし技術管理者を1人置く。
  • 5年ごとの更新は指定給水装置工事事業者の指定。主任技術者ではない。
  • 広域連携は国が基本方針、都道府県が水道基盤強化計画

> 事業の認可そのものは水道事業の認可、台帳を扱う事務は水道技術管理者で扱っています

水道行政は2024年4月に厚生労働省から国土交通省・環境省へ移管されました。令和5年以前の出題にある省庁名は現行と異なります。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が5問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの5問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • 水道法(昭和32年法律第177号)第2条の2 責務/第5条の2 基本方針/第5条の3 水道基盤強化計画/第22条の3 水道施設台帳/第24条の3 業務の委託/第24条の4 水道施設運営権の設定の許可/第24条の7 水道施設運営等事業技術管理者/第25条の3の2 指定の更新(e-Gov法令検索
  • ※ 正しい肢・誤りの肢の判定は、公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した各年度の正答番号によります(令和3年 問9、令和4年 問7・問9、令和7年 問4)。
  • ※ 平成30年改正の時点では許可権者が「厚生労働大臣」でしたが、2024年4月の移管により現行条文は「国土交通大臣」です。本記事は現行条文で示しています。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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