給水装置工事主任技術者 独学ガイド

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水頭の計算問題の解き方は?吐水圧と総損失水頭の2つの型を整理

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図が2枚あって、どこから手を付ければいいのか分かりません。

何を足して何を足さないのかで、いつも迷います。

この記事の要点

出る型は2つだけです。直結加圧形ポンプユニットの吐水圧と、管路の総損失水頭です。

足すものは問題文のただし書きに全部書いてあります。考慮するもの、しないものが明記されています。

流量はL/minで与えられ、流量図はL/sです。60で割ってから図に入れます。

この形式は令和元年・令和3年・令和4年・令和6年の4年度で出ています。図-1が配管図、図-2がウエストン公式による給水管の流量図です。

図-2は毎年まったく同じものが使われています。読み方さえ身につけば、あとは足し算になります。

水頭の計算問題の2つの型を整理した図。型Aは直結加圧形ポンプユニットの吐水圧を求めるもので、立ち上がり高さと給水栓を使用するために必要な圧力と逆止弁の損失水頭と管の摩擦損失水頭を足す。令和元年問35は正答3の33メートル、令和4年問35は正答2の32メートル。型Bは管路A〜F間の総損失水頭を求めるもので、管の摩擦損失水頭と高低差だけを足す。令和3年問35は正答2の6メートル、令和6年問33は正答3の8メートル。共通の手順は、流量をL毎分から60で割ってL毎秒に直し、図2のウエストン公式流量図で口径の線と流量の交点から動水勾配を読み、動水勾配を1000で割って管長を掛けて摩擦損失水頭にすること。管長には水平部分だけでなく鉛直部分も含める。
足すものが違うだけで、途中の手順は同じ。※問題文のただし書きから整理した図。

出る型はいくつあるのか

2つです。

求めるもの 出題年度と正答
型A 直結加圧形ポンプユニットの吐水圧(圧力水頭) 令和元年 問35=33m
令和4年 問35=32m
型B 管路A〜F間の総損失水頭 令和3年 問35=6m
令和6年 問33=8m

型Bは水道メーターも給水用具類も配管内に無いという条件が付きます。足すものが減る分だけ簡単です。

吐水圧は何を足すのか

4つです。

令和元年と令和4年のただし書きは同じで、給水管の摩擦損失水頭と逆止弁による損失水頭は考慮する管の曲がりによる損失水頭は考慮しないと書かれています。

ここに立ち上がり高さと、給水栓を使用するために必要な圧力が加わります。

型Aの式(問題文の条件から組み立てたもの)

吐水圧 = 立ち上がり高さ H + 給水栓を使用するために必要な圧力 + 逆止弁の損失水頭 + 管の摩擦損失水頭

令和元年は口径20mm・使用水量30L/分・L=5m・H=15m・必要圧力5m・逆止弁10mで、答えは33mでした。

令和4年は口径40mm・使用水量120L/min・L=10m・H=15m・必要圧力5m・逆止弁10mで、答えは32mです。

総損失水頭は何を足すのか

2つだけです。

令和3年と令和6年のただし書きには「総損失水頭は管の摩擦損失水頭と高低差のみの合計とし、水道メーター、給水用具類は配管内に無く、管の曲がりによる損失水頭は考慮しない」とあります。

型Bの式(問題文の条件から組み立てたもの)

総損失水頭 = 管の摩擦損失水頭 + 高低差

令和3年は口径25mm・48L/min・水平区間5m+7m+5m・高低差2m+1mで、答えは6mでした。

令和6年は口径20mm・30L/min・水平区間6m+7m+6m・高低差3m+1mで、答えは8mです。

流量図に入れる前に何をするのか

単位をそろえます。

問題が与える流量はL/分またはL/minで、図-2の横軸は流量(L/s)です。60で割ってから図に入れます。

30L/分なら0.5L/s、48L/minなら0.8L/s、120L/minなら2.0L/sです。この換算を飛ばすと桁が変わります

管長にはどこまで含めるのか

鉛直方向の配管も含めます。

型Bの問題は「A〜B、C〜D、E〜Fは水平方向に、B〜C、D〜Eは鉛直方向に配管されている」と断っています。摩擦損失水頭を求める管長は、水平区間と鉛直区間の合計です。

高低差は別に足すので、鉛直部分は管長として1回、高低差として1回、役割を変えて2回出てきます。ここを取り違えると答えが合いません。

なぜこの2つの型しか出ないのか

実務で計算するのがこの2つだからです。

直結増圧式では、ポンプがどれだけの圧力を出せば末端まで届くかを決める必要があります。直結直圧式では、配水管の水圧で足りるかどうかを総損失水頭で確かめます。

所要水頭の考え方と口径決定の手順は所要水頭と口径決定、ポンプユニットそのものは直結加圧形ポンプユニットで扱っています。

まちがえやすいポイント

足すものはただし書きに書いてあります。「考慮する」と書かれたものだけを足し、「考慮しない」ものは無視してください。

流量の単位はL/分から L/s へ60で割る。図-2の横軸はL/sです。

摩擦損失水頭を出す管長には鉛直区間も入れます。高低差として足す分とは別の役割です。

理解度チェック

Q.

直結加圧形ポンプユニットの吐水圧は何を足すか。

立ち上がり高さ、給水栓を使用するために必要な圧力、逆止弁の損失水頭、管の摩擦損失水頭の4つです。

Q.

総損失水頭を求める型では何を足すか。

管の摩擦損失水頭と高低差だけです。水道メーターや給水用具類は配管内に無いという条件が付きます。

Q.

30L/分は何L/sか。

0.5L/sです。図-2の横軸はL/sなので、60で割ってから読みます。

Q.

摩擦損失水頭を求める管長に鉛直区間は含めるか。

含めます。鉛直区間は管長として1回、高低差として1回、役割を変えて出てきます。

Q.

管の曲がりによる損失水頭は考慮するか。

この形式では4年度とも「考慮しない」と明記されています。

まとめ

  • 型は2つ。吐水圧(令和元年・令和4年)と総損失水頭(令和3年・令和6年)。
  • 吐水圧=立ち上がり高さ+必要圧力+逆止弁の損失水頭+摩擦損失水頭
  • 総損失水頭=摩擦損失水頭+高低差。水道メーターも給水用具も無い条件。
  • 流量はL/分を60で割ってL/sにしてから図-2に入れる。
  • 摩擦損失水頭の管長には鉛直区間も含める。高低差とは別に数える。

> 同時使用水量の出し方は同時使用水量の算定方法で扱っています

本記事は出題形式と式の組み立てを整理したものです。図-2から読み取る動水勾配の値は問題冊子の図によるため、実際の受験では配布された図を用いてください。

関連する過去問解説

解説の中でこの記事を参照している過去問が14問あります。正誤の判定は公益財団法人 給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります。この論点が出題された過去問がこの14問で全部、という意味ではありません。

過去問解説の一覧(年度別・科目別)へ

参考資料

  • ※ 式の組み立て(吐水圧=立ち上がり高さ+必要圧力+逆止弁の損失水頭+摩擦損失水頭/総損失水頭=摩擦損失水頭+高低差)は、各問題文の「ただし書き」と数値条件から確定したものです。正答は公益財団法人給水工事技術振興財団が公表した正答番号によります(令和元年 問35=(3)33m、令和3年 問35=(2)6m、令和4年 問35=(2)32m、令和6年 問33=(3)8m)。
  • 図-2(ウエストン公式による給水管の流量図)から読み取る動水勾配の具体的な数値は、本記事では扱っていません。グラフから読む値であり、問題冊子の図を見ずに数値を示すことができないためです。読み取りの手順(口径の線と流量の交点から動水勾配を読み、1000で割って管長を掛ける)のみを記載しています。
  • 国土交通省「給水装置標準計画・施工方法」2.4 給水管の口径の決定(PDF)。口径決定の考え方と動水勾配の定義は所要水頭と口径決定で扱っています。
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この記事を書いた人

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、国土交通省の給水装置標準計画・施工方法など一次資料にあたって整理しています。

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給水装置工事主任技術者の用語・過去問を、一次資料にあたって整理しています。

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