令和元年度 学科試験2 問60は、建築物の内部、屋上又は最下階の床下に設ける給水タンク及び貯水タンクの配管設備の構造方法に関する問題です。4つの記述から、不適当なものを1つ選びます。
誤りは選択肢1です。給水タンク等の天井・底・周壁は、建築物の他の部分と兼用しません。
告示は「兼用しないこと」と書いています。設問はそれを「兼用できる」と裏返しています。
※ このページに問題文そのものは載せていません。公益財団法人 給水工事技術振興財団の過去5年間の試験問題には、2026年8月時点で令和3年度以降が掲載されています。
正解:選択肢1
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しません。「兼用できる」とした点が誤りです |
| 2 | ○(正しい) | 給水タンク等の内部には、飲料水の配管設備以外の配管設備を設けません |
| 3 | ○(正しい) | 上にポンプ、ボイラー、空気調和機等の機器を設ける場合は、飲料水を汚染することのないように衛生上必要な措置を講じます |
| 4 | ○(正しい) | 最下階の床下その他浸水によりオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所では、浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じます |
告示は、2つを並べて書いています。
建設省告示第1597号(要旨)
(1) 外部から給水タンク又は貯水タンク(以下「給水タンク等」という。)の天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
(2) 給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。
この2つは、同じことを別の言い方で述べています。
外から六つの面すべてを点検できるようにするには、どの面も建物とくっついていてはいけません。天井を建物の床と兼用すれば、その面は外から見られなくなります。
だから「兼用しない」と「保守点検を容易かつ安全に行える」はセットです。
兼用できるとした肢は、令和元年に誤りとして出ています。
この論点は、4年度で出ています。
| 出題年度 | 科目 |
|---|---|
| 令和元年・令和3年・令和5年・令和7年 | 工事事務論と施工管理法の両方で出題 |
残る3つも、目的が同じ方向を向いています。
| 肢 | 定め | 何を防いでいるか |
|---|---|---|
| 2 | 内部に飲料水以外の配管設備を設けない | タンクの中からの汚染 |
| 3 | 上に機器を設ける場合は衛生上必要な措置 | タンクの上からの汚染 |
| 4 | 浸水を検知し警報する装置の設置 | タンクの外からの逆流 |
中・上・外の3方向から、汚染される道をふさいでいます。
肢1だけが、汚染を防ぐ話ではなく「点検できるかどうか」の話です。並べると、性質の違う1つが浮きます。
詳細は建築基準法に基づく飲料水の配管設備とは?給水タンクの構造と止水弁で扱っています。
給水タンク等の天井は建築物と兼用できるか。
できません。天井、底又は周壁は建築物の他の部分と兼用しないと告示に定められています。
なぜ兼用してはいけないのか。
外から天井・底・周壁の保守点検を容易かつ安全に行えるようにするためです。
最下階の床下に設置する場合の措置は。
浸水を容易に覚知できるよう、浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じます。
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法令・基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省およびe-Gov法令検索でご確認ください。給水装置の設置条件や施工方法は水道事業者ごとの基準によります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月