令和3年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-10 を解説、水セメント比は小さいほど抵抗性が高い
令和3年度 建設部門Ⅲ-10は、コンクリートを5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
水セメント比は小さいほど組織が緻密になり、劣化や物質の透過に対する抵抗性が上がります。
だから抵抗性が要求されるコンクリートでは、水セメント比を65%以下に抑えます。選択肢4は「65%より大きい」と書いているので、そこで切れます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:フレッシュコンクリート|単位水量を増やすと材料分離しやすくなる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 空気量 | ○(正しい) | 練上がり時にコンクリート容積の4〜7%程度とするのが一般的 |
| 2 細骨材率 | ○(正しい) | 過度に小さくすると粗々しくなり、材料分離とワーカビリティー低下を招く |
| 3 単位水量 | ○(正しい) | 所要のワーカビリティーが得られる範囲内でできるだけ少なくする |
| 4 水セメント比 | ×(誤り) | 抵抗性が要求されるなら65%以下。大きいは逆 |
| 5 材料分離抵抗性 | ○(正しい) | 一定以上の単位セメント量あるいは単位粉体量が必要 |
数値そのものより、大きい側を良いとしている向きで判断できます。残る4つは空気量4〜7%・細骨材率・単位水量・単位粉体量の記述で、どれも正しいです。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
水セメント比を下げると何が変わるか
水セメント比が抵抗性を決める仕組み
余分な水は硬化後に抜けて、内部に細かい空隙として残ります。水セメント比が大きいほどこの空隙が増え、水や塩化物イオンが入りやすくなります。
だから中性化や塩害に対する抵抗性は、水セメント比を下げるほど上がります。耐久性の設計が水セメント比の上限を定める形になっているのは、この関係です。
単位水量と水セメント比は別の量
単位水量は1m³あたりの水の量で、水セメント比は水とセメントの質量比です。単位水量を減らせば水セメント比も下げやすくなりますが、同じ量ではありません。
選択肢3は単位水量の話、選択肢4は水セメント比の話で、それぞれ別に判断します。
覚え方
- 水セメント比は「小さいほど良い」と覚えます。大きい側を良いと書いてある記述に出会ったら、その場で切ります。
理解度チェック
抵抗性が要求されるコンクリートの水セメント比はどうするか。
65%以下に抑えます。小さいほど組織が緻密になります。
コンクリートの標準的な空気量はどのくらいか。
練上がり時に容積の4〜7%程度です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-10
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月