令和3年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-1 を解説、飽和度の式は含水比が分子
令和3年度 建設部門Ⅲ-1は、土の基本的性質を5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
飽和度は水の体積を間隙の体積で割った割合なので、含水比wが分子、間隙比eが分母です。
選択肢3はeρwを分子、wρsを分母に置いているので、そこで切れます。式を覚えていなくても、含水比が増えれば飽和度は上がるという向きで確かめられます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の三相|含水比も間隙比も分母は土粒子
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 間隙比 | ○(正しい) | e=ρs÷ρd−1。ρd=ρs÷(1+e)を解いた形 |
| 2 粒度分布と含水比 | ○(正しい) | 粗粒土は粒度分布、細粒土は含水比の多少で力学的性質が変わる |
| 3 飽和度 | ×(誤り) | 正しくはSr=wρs÷(eρw)×100。分子と分母が逆 |
| 4 土粒子の密度 | ○(正しい) | 土粒子の構成物の単位体積当たりの平均質量 |
| 5 間隙率 | ○(正しい) | n=e÷(1+e)×100。間隙比から間隙率への換算 |
wが分母にある式だと、水が増えるほど飽和度が下がってしまいます。残る4つは間隙比・粒度分布・土粒子の密度・間隙率の定義どおりです。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
飽和度の式を組み立てる
比と率で分母が変わる
間隙比eの分母は土粒子の体積で、間隙率nの分母は全体積です。だから換算はn=e÷(1+e)×100の形になります。
含水比も分母が乾燥質量なので、土質の「比」は分母が土粒子側だと押さえられます。飽和度だけは分母が間隙の体積で、率のほうに近い作りです。
向きで確かめる習慣
式の形で迷ったら、量を1つ増やして答えがどちらへ動くかを見ます。水を増やせば飽和度は100%へ近づくので、wは分子です。
間隙が増えれば同じ水量でも飽和度は下がるので、eは分母です。この2回の確認で、分子と分母を入れ替えた式は落とせます。
覚え方
- 飽和度は「水が間隙をどれだけ埋めているか」です。埋める側が分子、埋められる側が分母だと考えます。
理解度チェック
飽和度の式で含水比は分子か分母か。
分子です。水が増えれば飽和度は上がります。
間隙比と間隙率の関係はどう書くか。
n=e÷(1+e)×100です。分母が土粒子側から全体積側へ変わります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-1
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月