令和3年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18 を解説、満管の単一管路では流量が変わらない
令和3年度 建設部門Ⅲ-18は、単一管路内で満管となる水の流れを5つの記述で問う設問です。
この問題のポイント
満管の単一管路では、連続の式Q=A×vから流量が一定に保たれます。
断面積が大きくなれば流速が下がるだけで、流量は減りません。選択肢1は流量が減少すると書いているので、そこで切れます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理|位置水頭・圧力水頭・速度水頭
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 断面積と流量 | ×(誤り) | 連続の式で流量は一定。断面積が増えると流速が下がる |
| 2 ピエゾ水頭 | ○(正しい) | 位置水頭と圧力水頭の和 |
| 3 断面が一様なとき | ○(正しい) | 速度水頭が一定なので、エネルギー線と動水勾配線は平行になる |
| 4 全エネルギー | ○(正しい) | 摩擦や局所損失のため、流れ方向に減少する |
| 5 断面積と圧力水頭 | ○(正しい) | 水平で断面積が小さくなると流速が上がり、圧力水頭は減少する |
選択肢5が同じ断面変化で「圧力水頭が減少する」と正しく書いています。変わるのは流速と圧力で、流量ではないという1点を押さえれば決まります。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
断面積が変わると何が変わるか
連続の式が先に立つ
満管の単一管路では、途中で水が出入りしません。だからどの断面でも1秒間に通る水の体積が同じで、Q=A×vが一定です。
断面積が2倍になれば流速が半分になるだけで、流量は変わりません。この式を先に置いてから、ベルヌーイで圧力の変化を見る順番になります。
2本の線が平行になる条件
エネルギー線は動水勾配線に速度水頭を足した高さの線です。断面が一様なら流速が変わらないので、速度水頭も一定です。
足す量が一定なら2本の線の間隔も一定で、平行になります。断面が変わると間隔が変わるので、平行ではなくなります。
覚え方
- 流量は保存、流速と圧力は入れ替わると覚えます。流量が変わると書いてある記述に出会ったら、その場で切ります。
理解度チェック
断面積が大きくなると流量はどうなるか。
変わりません。流速が下がるだけです。
ピエゾ水頭とは何の和か。
位置水頭と圧力水頭の和です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」9ページ Ⅲ-18
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月