技術士一次 基礎科目3群「解析」は捨てなくていい|6問中3問の選び方
この記事の要点
基礎科目3群は6問出題されて3問を選んで解答します。全部解く必要がありません。
Ⅰ-3-4は令和元年度からの7回のうち6回が構造・材料力学でした。数学が苦手でも、この1問は取りにいけます。
基礎科目3群は「解析に関するもの」という名前がついた6問の集まりで、数学と力学が混ざって出ます。
市販の対策記事はここを「捨てろ」と書いていることが多いです。
ただし3群は6問すべてに答える科目ではありません。7年分の出題を並べると、力学に固定された設問番号があることが分かります。
3群は「捨てる」科目ではなく「選ぶ」科目
問題冊子の3群の先頭には、こう書かれています。
3群 解析に関するもの (全6問題から3問題を選択解答)
基礎科目は5つの群それぞれで6問出題され、各群3問を選んで答えます。
30問出題されて15問を解答する形です。
6問のうち3問を選ぶだけなので、解けない3問は見なくていいです。
「1点取れれば十分」という助言は、この選択の仕組みを前提にしていません。
Ⅰ-3-4は7回のうち6回が構造・材料力学だった
令和元年度から令和7年度までの3群を、公式の正答と照らして並べました。
| 年度 | Ⅰ-3-4の内容 | 解き方 |
|---|---|---|
| 令和7年 | 両端固定の棒に中間荷重 | 剛性の比で反力を分ける |
| 令和6年 | 支持条件が違う柱の座屈荷重 | 座屈長さの違いで比べる |
| 令和5年 | 棒の伸び | δ=PL/(AE) |
| 令和4年 | 2部材トラスの軸力比 | 節点のつり合い |
| 令和3年 | 両端固定の棒の温度応力 | σ=E・α・ΔT |
| 令和2年 | 三角形要素の面積座標 | 内心と外心の位置 |
| 令和元年 | ポアソン比と体積ひずみ | 体積が変わらない条件 |
7年のうち6年が材料力学そのものでした。外れたのは令和2年の1回で、このときは三角形の内心と外心を求める幾何の問題でした。
構造や材料力学を学んだ人であれば、この1問はほぼ確実に取れます。ただし平成30年度のⅠ-3-4はニュートン・ラフソン法で、数値解析でした。
力学が固定されたのは令和元年度からで、それ以前の過去問を解くときは同じ位置に別の分野が来ます。
Ⅰ-3-5も7年中6年が力学だった
後半の2問も7年分すべて確認しました。
| 年度 | Ⅰ-3-5 | Ⅰ-3-6 |
|---|---|---|
| 令和7年 | 正四面体回路の合成抵抗(電気)⑤ | 磁界中を動く導体の速度(電気)① |
| 令和6年 | ばね質点系の固有振動数(力学)③ | 回路の合成抵抗(電気)③ |
| 令和5年 | 回転軸系のトルク(力学)② | 回路の合成抵抗(電気)③ |
| 令和4年 | 回転する円盤のトルク(力学)③ | 張った糸の固有振動数(力学)⑤ |
| 令和3年 | ばねに蓄えられるエネルギー(力学)④ | 四分円の板の重心(力学)⑤ |
| 令和2年 | ばね質点系の固有振動数(力学)① | ベルヌーイの定理(力学)⑤ |
| 令和元年 | 棒のひずみエネルギー(力学)④ | 剛体振り子の周期(力学)③ |
Ⅰ-3-5は7年中6年が力学で、電気だったのは令和7年だけです。Ⅰ-3-6は7年中4年です。
令和2年のⅠ-3-6はベルヌーイの定理で、建設部門のⅢ-17と同じ道具です。令和3年のⅠ-3-6は四分円の板の重心で、断面の図心を出すのと同じ計算でした。
後半3問だけで3問そろう年は7年中3年
Ⅰ-3-4からⅠ-3-6までの21マスのうち、16マスが力学です。
| 後半3問のうち力学の数 | 年度 |
|---|---|
| 3問 | 令和元・令和3・令和4 |
| 2問 | 令和2・令和5・令和6 |
| 1問 | 令和7 |
後半3問だけで3問そろったのは7年中3年しかありません。残りの年は前半から1〜2問を拾う必要があります。
ただし後半で足りない分も、電気の合成抵抗なら手が届く年があります。現実的な組み立ては、Ⅰ-3-4を軸に置き、Ⅰ-3-5とⅠ-3-6を見て取れる数を数え、足りなければ前半を開くという順番です。
同じ問題が選択肢を入れ替えて出ている
3群には過去問がそのまま再登場することがあります。平成30年度のⅠ-3-3と令和5年度のⅠ-3-1は、3行3列の下三角行列の逆行列を選ぶ同じ問題でした。
行列も5つの選択肢も同じ中身で、並び順だけが入れ替えてあります。正答は平成30年度が②、令和5年度が④です。
5年空けての再出題なので、古い年度をさかのぼる価値があります。令和6年度のⅠ-3-3と平成30年度のⅠ-3-4も、ニュートン・ラフソン法の同じフローチャートでした。
違うのは更新式の符号で、平成30年度はxn−Δx、令和6年度はxn+Δxになっています。そのぶんΔxの式にも符号が付き、正答は②と⑤に分かれます。
答えの番号を覚えるだけでは、この作り方には通用しません。
理解度チェック
基礎科目3群は何問出題されて、何問答えるか。
6問出題されて3問を選んで答えます。基礎科目全体では30問出題、15問解答です。
Ⅰ-3-4に力学が固定されたのはいつからか。
令和元年度からです。平成30年度は数値解析(ニュートン・ラフソン法)が出ています。
過去問の答えを番号で覚えると、なぜ危ないか。
同じ問題が選択肢の順を入れ替えて再出題されるためです。平成30年度Ⅰ-3-3と令和5年度Ⅰ-3-1は同じ問題で、正答番号は②と④に分かれています。
まとめ
3群は6問から3問を選ぶ科目で、Ⅰ-3-4には7回のうち6回まで構造・材料力学が置かれていました。
数学が要る前半3問を開かずに、Ⅰ-3-4を軸に3問そろえる組み立てができます。各年の問題は日本技術士会が公開しているため、上の表と突き合わせながら実物を確認してほしいです。
出典
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題(基礎科目)」平成30年度〜令和7年度
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」平成30年度〜令和7年度
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
上の表は、各設問で問われている論点と解き方をまとめたものです。
※ この記事の確認日:2026年7月