T形断面の図心の求め方|長方形2つに切って面積で割る
この記事の要点
図心の位置は、断面一次モーメントの合計を全体の面積で割れば出ます。
基準線はどこに置いても答えは同じなので、計算しやすい辺に置きます。
図心は、断面の面積が釣り合う点です。
曲げの計算は図心を通る軸まわりで進むので、まずここを出します。
手順は3つ
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 長方形に切り分け、それぞれの面積と図心位置を出す |
| 2 | 面積×基準線からの距離 を足す(断面一次モーメント) |
| 3 | 合計を全体の面積で割る |
基準線は下端に置くことが多いです。設問が下端からの距離を聞いていれば、そのまま答えです。
技術士一次ではこの形で出た
令和6年度の建設部門Ⅲ-6が、T形断面の図心を求める設問でした。幅4a・高さaのフランジが上に載り、幅a・高さ4aのウェブが下に伸びる形になっています。
下辺ABから図心Cまでの距離hを選ぶ問題で、正答は13a/4でした。
数字を入れる
| 部位 | 面積 | 下端からの図心 | 面積×距離 |
|---|---|---|---|
| ウェブ | a×4a=4a² | 2a | 8a³ |
| フランジ | 4a×a=4a² | 4a+a/2=4.5a | 18a³ |
| 合計 | 8a² | — | 26a³ |
26a³を8a²で割ると3.25a、つまり13a/4です。
面積が同じ4a²でも、図心の位置が違うので単純な中点にはなりません。フランジのほうが上にあるぶん、図心は上に寄ります。
令和3年度にも同じ型が出ている
令和3年度の建設部門Ⅲ-6も、T形断面の図心を下辺から測る同じ設問でした。寸法だけが違い、幅4a・高さ2aのフランジと幅a・高さ4aのウェブという形になっています。
同じ手順で計算すると、面積4a²と8a²、下端からの図心2aと5aで、正答は4aです。
3年のうちに2回出ている型なので、手順を体に入れておく価値があります。
基礎科目にも図心が出ている
令和3年度の基礎科目Ⅰ-3-6は、四分円の板の重心を求める設問でした。形が曲線なので積分になりますが、面積で割るという考え方は同じです。
断面の図心と物体の重心は、密度が一様なら同じ位置を指します。
選択肢は位置関係で削れる
全体の高さは5aなので、図心は必ず0から5aの間に入ります。面積が上下で等しいなら、図心は上下それぞれの図心2aと4.5aの中間です。
2aと4.5aの平均は3.25aなので、この設問は平均を取るだけでも答えが出ます。
理解度チェック
基準線を下端でなく上端に取ると、答えは変わるか。
変わりません。上端から測った値が出るだけなので、設問がどこから測っているかだけ確認します。
面積が上下で等しいとき、図心はどこに来るか。
上下それぞれの図心の中点に来ます。重み付き平均の重みが等しくなるためです。
フランジを厚くすると、図心はどちらに動くか。
上に動きます。面積の大きいほうに図心が引き寄せられます。
まとめ
長方形に切り、面積×距離を足し、全体の面積で割ります。
形が複雑でも手順は変わらないので、切り方だけ決めれば同じように解けます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」令和3年度・令和6年度
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月