片持ちばりの途中に荷重が載るときの先端たわみ|先は曲がらず回るだけ
片持ちばりの先端に荷重が載る形は δ=PL³/(3EI) で覚えている人が多いです。
荷重が途中に載ると、この式はそのままでは使えません。
荷重点から先は曲がらない
固定端から距離aの位置に荷重Pが載るとき、そこから先には曲げモーメントが生じません。
曲げモーメントが0なら曲率も0になります。荷重点から先は、たわむのではなく直線のまま傾いて持ち上がります。
だから先端のたわみは2つの足し算です。
2つを足すだけ
| 成分 | 式 | 意味 |
|---|---|---|
| 荷重点のたわみ | Pa³/(3EI) | 長さaの片持ちばりと同じ |
| 荷重点の傾き | Pa²/(2EI) | そこから先が回る角度 |
| 先端の上乗せ | Pa²/(2EI)×(L−a) | 傾き×残りの距離 |
2つを足すと Pa³/(3EI)+Pa²(L−a)/(2EI) です。通分すると Pa²(3L−a)/(6EI) にまとまります。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度の建設部門Ⅲ-5が、この式を選ばせる設問でした。長さLの片持ちばりの固定端から距離aの位置に集中荷重Pが鉛直下向きに作用する設定になっています。
先端のたわみδを選ぶ問題で、正答はPa²(3L−a)/(6EI)でした。選択肢にはPL³/(6EI)やPL²a/(6EI)も並んでいたので、a=Lを入れて検算すると絞れます。
a=Lを入れて確かめる
荷重が先端に載る場合はa=Lです。Pa²(3L−a)/(6EI)にa=Lを入れると PL²・2L/(6EI)=PL³/(3EI) です。
よく知られた先端載荷の式と一致するので、この式でよいと確かめられます。
理解度チェック
荷重点から先が曲がらないのはなぜか。
その区間には曲げモーメントが働かないためです。曲率は曲げモーメントに比例するので、モーメントが0なら直線のままです。
荷重が固定端のすぐ近く(a→0)に載ると、先端たわみはどうなるか。
Pa²(3L−a)/(6EI)でa²が効くので、ほぼ0です。固定端に近いほどたわみは小さいです。
先端たわみの式が合っているかを、覚えていなくても確かめる方法は。
a=Lを代入してPL³/(3EI)になるかを見ます。境界の値で検算すると誤った選択肢を落とせます。
まとめ
途中載荷の先端たわみは、荷重点のたわみに傾き×残り距離を足して出します。
結果の式を忘れても、a=Lの検算で選択肢を絞れます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-5
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月