単純ばりの反力と曲げモーメント|反対側の支点でモーメントを取る
この記事の要点
反力は、求めたい側とは反対の支点まわりでモーメントを取れば一発で出ます。
集中荷重なら距離の逆比、等分布荷重なら中央の曲げモーメントがql²/8です。
単純ばりは反力が2つで、つり合い式も2本あるので静定です。
連立方程式を立てなくても、支点を選べば1本ずつ解けます。
反対側の支点でモーメントを取る
支点Aの反力を知りたいなら、支点Bまわりでモーメントを取ります。Bまわりで取ればBの反力が消えるので、残る未知数はAの反力だけです。
2本の式を連立させる必要はありません。消したい反力の位置でモーメントを取れば、その式には出てきません。
集中荷重は距離の逆比になる
スパンLの単純ばりで、Aから距離aの点に荷重Pが載るとします。Bまわりのモーメントから RA=P(L−a)/L が出ます。
つまり荷重から遠い支点ほど負担が小さいという、距離の逆比です。
荷重点の曲げモーメントは、その点までの反力×距離で M=RA・a です。
令和5年度はこの形で出た
令和5年度の建設部門Ⅲ-5が、この3つを一度に選ばせる設問でした。支間3mの単純梁で、支点Aから1mの点Cに5kNの集中荷重が載る設定になっています。
| 求めるもの | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| RA | 5×2÷3 | 10/3 kN |
| RB | 5×1÷3 | 5/3 kN |
| MC | 10/3×1 | 10/3 kN・m |
荷重に近いA側が2倍の反力を負担します。
等分布荷重の中央はql²/8
スパンlの単純ばりに等分布荷重qが載るとき、反力は左右とも ql/2 です。中央での曲げモーメントは、左半分の反力と荷重だけを見れば出ます。
(ql/2)×(l/2) から、中央より左に載る荷重の分 (ql/2)×(l/4) を引いて ql²/8 です。
令和2年度はこの形で出た
令和2年度の建設部門Ⅲ-5が、この中央の曲げモーメントを選ぶ設問でした。正答はql²/8で、選択肢にはql²/48やql/4も並んでいました。
単位で見ると、曲げモーメントはN・mなのでqとlの2乗の積でなければ合いません。
Ⅲ-5は3年ともこの系統だった
令和4年度のⅢ-5は、荷重の載り方と曲げモーメント図の組合せから誤りを選ぶ設問でした。反力と曲げモーメントを出せれば、図の形も判断できます。
令和2年度・令和4年度・令和5年度と、Ⅲ-5は3年ともこの系統から出ています。
理解度チェック
荷重がスパン中央に載るとき、反力はどうなるか。
左右とも P/2 です。距離の逆比が1対1になるためです。
なぜ支点Bまわりでモーメントを取るとRAが出るのか。
Bまわりで取るとRBの腕の長さが0になり、式から消えるためです。未知数が1つです。
等分布荷重の中央曲げモーメントが集中荷重より小さいのはなぜか。
同じ総荷重なら、分散しているぶん重心までの腕が短くなるためです。中央集中がPl/4、等分布がql²/8=(ql)l/8です。
まとめ
消したい反力の位置でモーメントを取ります。それだけで連立を避けられます。
集中荷重は距離の逆比、等分布荷重の中央はql²/8です。この2つで大半が片付きます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅲ-5
公益社団法人 日本技術士会「令和2年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅲ-5
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」令和2年度・令和5年度
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月