単純ばりにモーメント荷重だけが働くときの反力|M/Lの偶力になる
この記事の要点
鉛直荷重が1つも無いので、2つの鉛直反力は必ず大きさが等しく向きが逆です。
大きさはM/Lで、支間が長いほど小さくなります。
モーメント荷重は、はりをねじるように回す向きの荷重です。
力の矢印が無いので反力も0だと思いがちですが、そうはなりません。
鉛直のつり合いから見る
作用している鉛直荷重は0なので、VA+VB=0 が立ちます。つまり2つの反力は大きさが等しく、向きが逆です。
この時点で「片方だけ0」「両方とも同じ向き」という選択肢は消えます。
大きさはモーメントのつり合いから
支点Aまわりのモーメントを取ると、荷重Mと VB×L が釣り合います。反時計回りを正とすると M+VBL=0 なので、VB=−M/L、VA=M/L です。
力と力の距離の積がモーメントなので、支間Lが長いほど必要な偶力は小さくて済みます。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度の建設部門Ⅲ-6が、この反力の組合せを選ぶ設問でした。長さLの単純ばりの支点Bに、反時計回りのモーメント荷重Mが作用する設定になっています。
正答は VA=M/L、VB=−M/L でした。モーメント荷重がどちらの支点に載っていても、反力の大きさはM/Lで変わりません。
選択肢は2段階で消える
| 段階 | 使うつり合い | 消せる選択肢 |
|---|---|---|
| 1 | 鉛直方向の和が0 | 両方0/片方だけ0/同符号のもの |
| 2 | 支点まわりのモーメント | 大きさがM/Lでないもの |
この2段だけで、5つの選択肢は1つに絞れます。
理解度チェック
鉛直荷重が無いのに、なぜ反力が生じるのか。
モーメント荷重に抵抗するには、上下逆向きの2つの力(偶力)が必要なためです。力の合計は0でも、回転は止められます。
支間Lを2倍にすると、反力はどうなるか。
M/Lなので1/2です。腕が長くなるぶん小さい力で回転を止められます。
モーメント荷重を支間の中央に移すと、反力はどう変わるか。
変わりません。支点まわりのモーメントのつり合いに載荷位置は出てこないため、反力はM/Lのままです。
まとめ
モーメント荷重だけなら、反力は大きさM/Lの偶力です。
鉛直のつり合いで符号を決め、モーメントのつり合いで大きさを出す順番は変わりません。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」4ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月