技術士法第4章|3つの義務と2つの責務を条文の順で持つ
この記事の要点
第4章は第44条から第47条の2までの6か条です。義務と責務がどちらに割り振られているかが問われます。
狙われるのは秘密保持が退職後も続くことと、登録していない技術部門は表示できないことの2点です。
技術士法第4章は「技術士等の義務」という章で、技術士と技術士補が守るべきことを定めています。
適性科目のⅡ-1は、令和4年度から令和7年度まで4年ともここから出ています。
6か条を条文の順に並べる
| 条 | 見出し | 区分 |
|---|---|---|
| 第44条 | 信用失墜行為の禁止 | 義務 |
| 第45条 | 技術士等の秘密保持義務 | 義務 |
| 第45条の2 | 技術士等の公益確保の責務 | 責務 |
| 第46条 | 技術士の名称表示の場合の義務 | 義務 |
| 第47条 | 技術士補の業務の制限等 | 制限 |
| 第47条の2 | 技術士の資質向上の責務 | 責務 |
義務が3つ、責務が2つで、間に技術士補の制限が挟まります。語句の穴埋めで出る年は、この義務と責務の割り振りがそのまま設問です。
秘密保持は辞めた後も続く
第45条は、正当の理由がなく業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならないと定めています。そのうえで「技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする」と続きます。
退職したら制約を受けない、所属組織の業務に限られる、といった記述はここで誤りです。
依頼者から得た情報をもとに自分で調査して得た情報も、業務に関して知り得た秘密に含まれます。
登録していない技術部門は表示できない
第46条は、名称を表示するときは登録を受けた技術部門を明示するものとし、登録を受けていない技術部門を表示してはならないと定めています。表示できるようになる条件は、条文に書かれていません。
実務経験を積めば表示できる、指導を受ければ表示できるといった記述は、条文に無いものを足した形です。
公益確保と資質向上は「努めなければならない」
第45条の2は、業務を行うに当たって公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならないと定めています。第47条の2は、業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させ、その他その資質の向上を図るよう努めなければならないと定めています。
向上させる対象は登録を受けた技術部門の業務に関する知識と技能です。登録部門以外を重点的に向上させる、という向きは誤りです。
技術士補は代わりに業務を行えない
第47条は、技術士補が技術士を補助する場合を除いて、技術士補の名称を表示して当該業務を行ってはならないと定めています。顧客が能力を認めた場合であっても、技術士に代わって主体的に業務を行う形にはなりません。
技術士一次ではこの形で出た
| 年度 | 問い方 | 正答 |
|---|---|---|
| 令和7年度 Ⅱ-1 | 4項目の正誤の組合せ | ③ |
| 令和6年度 Ⅱ-1 | 条文そのものの語句を5か所穴埋め | ④ |
| 令和5年度 Ⅱ-1 | 義務・責務に関わる4項目の正誤 | ③ |
| 令和4年度 Ⅱ-1 | 7項目の正誤の組合せ | ④ |
令和7年度の誤り肢は、登録を受けていない技術部門を表示するために3年の実務経験が必要だとした記述です。令和4年度は誤り肢が5つあり、秘密保持の範囲・顧客の指示・公益より守秘の優先・技術士補の業務・向上の対象がそれぞれ崩してありました。
理解度チェック
義務が付くのはどの3つか。
信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、名称表示の場合の義務です。公益確保と資質向上は責務です。
技術士でなくなった後の秘密保持はどうなるか。
同様に続きます。第45条に「技術士又は技術士補でなくなった後においても、同様とする」と明記されています。
登録していない技術部門を表示できる条件は何か。
条文に書かれていません。表示してはならないと定めているだけで、実務経験や指導を条件に認める規定は無いです。
まとめ
義務3つと責務2つ、間に技術士補の制限です。この並びを条文の順で持てば、穴埋めも正誤も同じ形で切れます。
4年とも同じ章から出ているので、適性科目で最初に固めるところです。
出典
技術士法 第4章(第44条〜第47条の2)
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔適性科目〕」1ページ Ⅱ-1(条文が引用されている)
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度・令和5年度・令和7年度 技術士第一次試験問題〔適性科目〕」Ⅱ-1
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度〜令和7年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月