技術士一次 力学ノート

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守秘義務と公益確保はどちらが優先か|2年続けて誤りにされた型

この記事の要点

公衆の安全が絡む場面で守秘義務を優先すると書いてあれば、その選択肢は誤りです。

令和5年度と令和4年度のⅡ-1に、同じ型の誤り肢が2年続けて置かれていました。

守秘義務公益確保の責務は、技術士法第4章のなかで正面からぶつかることがあります。

どちらも条文にあるので、どちらを立てるかを知らないと選べません。

条文の順が答えを示している

中身
第45条正当の理由がなく秘密を漏らし、又は盗用してはならない
第45条の2公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならない

第45条には「正当の理由がなく」という条件が付いています。

公衆の安全を確保するために欠かせないと判断した情報の開示は、この「正当の理由」の側に入ります。だから守秘を理由に黙る形にはなりません。

2年続けて同じ型が誤りにされた

年度誤りとされた記述
令和5年度 Ⅱ-1(ウ)組織に働きかけても事態が改善されない場合においては守秘義務を優先する
令和4年度 Ⅱ-1(オ)公益を害さないよう努めなければならないが、顧客の利益を害する場合は守秘義務を優先する必要がある

文言は違いますが、どちらも末尾が「守秘義務を優先する」で終わっています。言い回しを変えても、この結び方が来たら誤りと判断できます。

手順としては組織に働きかけるのが先

公衆の安全を確保するうえで欠かせないと判断した情報については、所属する組織にその情報を速やかに公開するよう働きかけます。いきなり外部に出す形ではなく、まず内部で動くところまでは正しい記述です。

崩されるのはその先で、改善されない場合にどうするかという結びの部分です。

顧客の指示も同じ型で崩される

顧客から受けた業務を誠実に実施する義務は負っています。ただし指示が如何なるものであっても指示通りに実施しなければならない、という記述は誤りです。

依頼者に判断を覆された場合も、安全性に懸念が生じる可能性があるなら発言する必要があります。発言する必要はない、とした記述は令和5年度Ⅱ-1で誤り肢に置かれていました。

正しい側の記述はどう書いてあるか

情報の意図的隠蔽は社会との良好な関係を損なうと認識し、自分や所属組織に不利であっても公開に努めます。この向きは令和5年度Ⅱ-1で正しい記述として置かれていました。

技術士一次ではこの形で出た

令和5年度 適性科目Ⅱ-1の正答は③で、4項目のうち正しいのは情報の隠蔽に関する記述だけです。令和4年度 適性科目Ⅱ-1の正答は④で、7項目のうち5つが誤りでした。

どちらの年も、守秘義務を優先させた記述が誤りの側に入っています。

理解度チェック

公衆の安全に欠かせない情報でも守秘義務が優先するか。

優先しません。第45条は「正当の理由がなく」と条件を付けており、公衆の安全のための開示はその正当の理由に当たります。

まず何をするのが正しい手順か。

所属する組織に速やかに公開するよう働きかけます。いきなり外部に出す形ではありません。

顧客の指示には無条件で従うか。

従いません。誠実に実施する義務は負いますが、如何なる指示にも従うとした記述は誤りです。

まとめ

末尾が「守秘義務を優先する」で終わる肢は誤りです。2年続けてこの型が置かれていました。

言い回しではなく結びの向きで判断すると、文が変わっても外しません。

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出典

技術士法 第45条・第45条の2

公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔適性科目〕」1ページ Ⅱ-1

公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔適性科目〕」1ページ Ⅱ-1

公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度・令和5年度)

※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。

このサイトの管理人

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構造設計の実務を続けながら、試験に出る力学の解き方を書き残しています。

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