両端固定の棒に働く反力の求め方|剛性の比で分ける
この記事の要点
両端が固定された棒の途中に力が作用すると、反力は左右の剛性の比で分かれます。
剛性は長さに反比例するので、短い側が大きな反力を負担します。
両端固定の棒は、力のつり合いだけでは反力が決まりません。
未知の反力が2つあるのに、使える式がつり合いの1本しかないためです。足りない1本を補うのが、変形の条件です。
つり合いだけでは解けない理由
棒の左端をA、右端をB、力Pが作用する点をCとします。
水平方向のつり合いから、PA+PB+P=0 の1本が立ちます。
未知数はPAとPBの2つなので、この1本では決まりません。このように、つり合い式の数より未知の反力が多い状態を不静定と呼びます。
変形の条件を1本足す
両端が固定されているため、棒全体の長さは変わりません。AC間が縮んだぶんだけ、CB間が伸びます。
つまりC点の移動量が、AC側から見てもCB側から見ても同じ値です。これが不足していた1本で、これを入れると反力が決まります。
剛性の比で分ける
断面積A、ヤング率Eの棒で、長さがLの区間の剛性は k=EA/L です。
C点がAから距離L、Bから距離4Lの位置にあるとします。
| 区間 | 長さ | 剛性 |
|---|---|---|
| AC | L | EA/L |
| CB | 4L | EA/4L |
剛性の比は 4:1 です。
C点の移動量が両側で同じなので、力は剛性の比のまま分かれます。短いAC側が4/5、長いCB側が1/5を負担します。
長さが4倍なら剛性は1/4です。長さの比をそのまま力の比にすると逆です。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度の基礎科目Ⅰ-3-4が、まさにこの設定でした。同じ材質と断面積の棒を両端で固定し、左端から距離L、右端から距離4Lの点に力Pを作用させる形になっています。
反力の組合せを選ぶ問題で、正答はPA=−4P/5、PB=−P/5でした。剛性比4:1が分かれば、計算せずに選択肢を絞れます。
覚え方
- つり合いで足りなければ、変形の条件を足す
- 剛性は長さに反比例する(k=EA/L)
- 移動量が同じなら、力は剛性の比で分かれる
- 短い側が大きく負担する
理解度チェック
両端固定の棒がつり合いだけで解けないのはなぜか。
未知の反力が2つあるのに、水平方向のつり合い式が1本しか立たないためです。不足分は変形の条件で補います。
長さLと長さ3Lの区間に分かれるとき、反力の比はどうなるか。
剛性はEA/LとEA/3Lで比は3:1です。短い側が3/4、長い側が1/4を負担します。
長さの比をそのまま力の比にすると、なぜ間違うか。
剛性が長さに反比例するため、長い側ほど負担が小さくなります。長さの比を使うと大小が逆です。
まとめ
両端固定の棒の反力は、左右の剛性の比で分かれます。
剛性が長さに反比例することを押さえておけば、この型は計算を省いて答えられます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月