2部材トラスの軸力比は水平のつり合いだけで出る
この記事の要点
2部材の軸力の比は、荷重点における水平方向のつり合いだけで決まります。
鉛直方向の式は比を出すのには要らないので、そこに手を出すと遠回りです。
トラスの部材はヒンジで留まっているので、曲げを受けず軸方向力しか生じません。
だから荷重点まわりの力のつり合いだけで解けます。
節点に集まる力を見る
荷重が載っている節点をCとし、そこに集まるのは2本の軸力と荷重Pの3つです。軸力は必ず部材の向きに沿って働きます。
水平と鉛直の2式が立つので、未知数2つはこれで決まります。
比だけなら水平の1式で足りる
荷重が鉛直下向きなら、水平方向の式にPは現れません。残るのは2本の軸力の水平成分だけなので、N₁cosθ₁=N₂cosθ₂ の形です。
したがって N₁/N₂=cosθ₂/cosθ₁ が出ます。
水平に寝ている部材ほどcosが大きく、小さい軸力で水平成分をまかなえます。つまり立っている部材のほうが大きな軸力を負担します。
技術士一次ではこの形で出た
令和4年度の基礎科目Ⅰ-3-4が、この比を問う設問でした。両端にヒンジをもつ2本の棒部材ACとBCがあり、点Cで鉛直下向きの荷重Pを受けています。
部材ACは支点Aで水平と30°、部材BCは支点Bで水平と60°をなし、点Cは直角になっています。軸方向力の比N₁/N₂を選ぶ問題で、正答は1/√3でした。
数字を入れる
| 部材 | 水平との角度 | 水平成分の係数 |
|---|---|---|
| AC(N₁) | 30° | cos30°=√3/2 |
| BC(N₂) | 60° | cos60°=1/2 |
N₁×(√3/2)=N₂×(1/2) なので、N₁/N₂=(1/2)÷(√3/2)=1/√3 です。寝ているAC側のほうが軸力は小さいです。
鉛直の式は検算に使う
鉛直方向は N₁sin30°+N₂sin60°=P です。比が1/√3で正しければ、この式から両方とも正の値、つまり引張になると確かめられます。
比を出す段階では使わず、符号の確認に回すのがよいです。
理解度チェック
2本の部材が水平と45°ずつをなすとき、軸力の比はどうなるか。
cos45°どうしで等しいので比は1です。左右対称なら軸力も等しいです。
片方の部材を水平に近づけると、その部材の軸力はどうなるか。
小さくなります。cosが大きくなるぶん、同じ水平成分を小さい軸力でまかなえるためです。
荷重が水平向きだったら、同じやり方は使えるか。
使えません。水平の式に荷重が入ってしまうので、比だけを取り出せなくなります。
まとめ
鉛直荷重なら、軸力の比は水平のつり合い1本で出ます。
立っている部材ほど大きく負担する、という向きだけ押さえておけば選択肢も絞れます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」11ページ Ⅰ-3-4
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月