令和3年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、圧密で圧縮しないのは土粒子と間隙水
令和3年度 建設部門Ⅲ-2は、土の圧密の記述にある4つの空欄を埋める設問です。
この問題のポイント
水は事実上圧縮しないので、a列は間隙水です。間隙空気のほうは圧縮します。
a列が間隙空気の選択肢1と選択肢2は、ここで落ちます。粗い砂や礫で圧密が短時間で終わるのは透水性が高いからで、b列は高いです。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も適切な組合せ)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
粘土で長時間かかるのは透水性が低いからで、c列は低いです。残った選択肢3と選択肢4はd列だけの違いで、応力履歴を置いた選択肢4が落ちます。
各選択肢の正誤
正しい組合せは a=間隙水/b=高い/c=低い/d=時間的推移です。飽和土の圧密で押し出されるのは水なので、a列が最初の分かれ目になります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 間隙空気/高い/低い/応力履歴 | ×(誤り) | a列が空気になっており、d列も時間の話になっていない |
| 2 間隙空気/低い/高い/時間的推移 | ×(誤り) | a列が空気で、b列とc列も逆になっている |
| 3 間隙水/高い/低い/時間的推移 | ○(正しい) | 砂礫は透水性が高く短時間で終わり、粘土は低くて長時間かかる |
| 4 間隙水/低い/高い/応力履歴 | ×(誤り) | b列とc列が逆で、d列も時間の話になっていない |
| 5 間隙水/低い/高い/時間的推移 | ×(誤り) | a列とd列は正しいが、b列とc列が逆になっている |
砂礫は水が抜けやすいので透水性が高く、粘土は抜けにくいので低い側です。圧密が長引く粘土では、量だけでなくいつ終わるかという時間的推移が設計上の問題になります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
4つの空欄で問われている論点
d列の候補を分ける
水が圧縮しないから体積減少は間隙の減少
圧密は、荷重が加わって土の体積が時間をかけて減っていく現象です。土粒子も間隙水も事実上圧縮しないので、減るのは間隙の体積だけです。
飽和土では間隙が水で満たされているため、体積減少と同じ量の間隙水が押し出されます。だから圧密の速さは、水がどれだけ速く抜けられるかで決まります。
透水性が圧密の速さを決める
砂や礫は透水性が高く、荷重をかけるとほぼ同時に沈み終わります。粘土は透水性が低いので、同じ荷重でも沈み終わるまで年単位かかることがあります。
この差があるので、粘土地盤では圧密量だけでなく時間的推移まで検討します。
覚え方
- 圧縮しないのは土粒子と水、圧縮するのは空気と押さえます。粘土は「遅い」ので時間が問題になります。
理解度チェック
圧密で事実上圧縮しないものは何か。
土粒子と間隙水です。間隙空気のほうは圧縮します。
砂礫の圧密が短時間で終わるのはなぜか。
透水性が高く、間隙水が速く抜けるためです。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-2
公益社団法人 日本技術士会「令和3年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月