有効応力の求め方|K0を掛けるのは有効応力のほう
この記事の要点
有効応力は σ'=σ−u で、全応力から間隙水圧を引いた値です。
静止土圧係数K0は有効応力に掛けるので、水平の全応力を聞かれたら最後に水圧を足し戻します。
有効応力は、土粒子どうしが押し合っている分の応力です。
水は土粒子を押し広げる向きに働くので、全応力から差し引きます。
3つの応力を順番に出す
計算は必ず全応力→水圧→有効応力の順で進みます。
| 順 | 求めるもの | 式 |
|---|---|---|
| 1 | 鉛直全応力 σ | 各層の 単位体積重量×層厚 を足す |
| 2 | 間隙水圧 u | γw × 地下水位からの深さ |
| 3 | 鉛直有効応力 σ' | σ − u |
地下水位より下では飽和単位体積重量を使います。地下水位が地表面と一致していれば、全層で飽和単位体積重量です。
K0は有効応力に掛ける
静止土圧係数K0は、鉛直有効応力と水平有効応力の比として定義されます。
全応力にK0を掛けてはいけません。水は方向によらず同じ大きさで働くので、K0が効くのは有効応力の分だけです。
だから水平の全応力は K0σ'+u で出します。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度の建設部門Ⅲ-2が、まさにこの手順を踏ませる設問でした。上層に砂10m、下層に飽和正規圧密粘土12mが重なり、地下水位は地表面と一致しています。
砂の飽和単位体積重量は20kN/m³、粘土は18kN/m³、水は10kN/m³、K0は上下層とも0.5という設定になっています。深度16mでの鉛直有効応力と水平全応力を選ぶ問題で、正答は148kN/m²と234kN/m²でした。
手順どおりに数字を入れる
| 段階 | 計算 | 値 |
|---|---|---|
| 鉛直全応力 | 20×10 + 18×6 | 308kN/m² |
| 間隙水圧 | 10×16 | 160kN/m² |
| 鉛直有効応力 | 308 − 160 | 148kN/m² |
| 水平有効応力 | 0.5×148 | 74kN/m² |
| 水平全応力 | 74 + 160 | 234kN/m² |
深度16mは粘土層の中心なので、粘土の厚さは12mではなく6mで足します。
選択肢は間違え方でできている
この設問の選択肢には74kN/m²と154kN/m²も並んでいました。74は水圧を足し戻し忘れた値、154は全応力308にそのままK0を掛けた値です。
どちらも手順を1つ飛ばすと出てしまう数字なので、順番を守れば引っかかりません。
理解度チェック
地下水位が下がると、鉛直有効応力はどうなるか。
間隙水圧uが小さくなるのでσ'=σ−uは大きくなります。地下水を汲み上げると地盤が沈下するのはこのためです。
K0を全応力に掛けると、なぜ間違いになるか。
K0は水平有効応力と鉛直有効応力の比だからです。水圧は方向によらず等しく働くので、K0の対象になりません。
水平の全応力と水平の有効応力では、どちらが大きいか。
全応力のほうが間隙水圧の分だけ大きいです。設問がどちらを聞いているか読み違えると答えが変わります。
まとめ
全応力を積み上げ、水圧を引き、K0を掛け、必要なら水圧を足し戻します。
この4段を固定しておけば、層の数が増えても同じ手順で解けます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」2ページ Ⅲ-2
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月