浅い基礎に周面摩擦を足してはいけない|即時沈下と圧密沈下の違い
この記事の要点
浅い基礎の支持力は底面だけで見ます。周面摩擦力を加えるのは杭のような深い基礎です。
沈下は即時沈下と圧密沈下で、時間の尺度がまったく違います。
浅い基礎は、支持層が浅いところにあるときに底面で直接支える形式です。
深い基礎は、良い層まで杭を届かせて支えます。
どこで支えるかが違う
| 形式 | 支持力の中身 |
|---|---|
| 浅い基礎 | 底面の支持力だけ |
| 深い基礎(杭) | 先端支持力 + 周面摩擦力 |
浅い基礎の支持力に周面摩擦力を足すのは誤りです。根入れが浅いので、側面で稼げる摩擦がほとんど無いです。
杭は細長く地中に入るので、側面の面積が大きく摩擦が効きます。
浅い基礎はフーチングとべた基礎
フーチング基礎は、柱や壁ごとに底面を広げて支える形です。べた基礎は、上部構造のすべての柱や壁からの荷重を単一の基礎スラブで受けます。
地盤が弱いほど、荷重を広い面積に分散させるべた基礎が向きます。
沈下は2種類あって時間が違う
| 種類 | いつ起きるか | 何で決まるか |
|---|---|---|
| 即時沈下 | 載荷とほぼ同時 | 全応力の変化 |
| 圧密沈下 | 長期にわたり継続 | 過剰間隙水圧の消散 |
即時沈下は水が抜ける前の、土の弾性的な変形です。
圧密沈下は、荷重で上がった間隙水圧がゆっくり抜けながら体積が減る現象です。粘土は水が抜けにくいので圧密沈下が何年も続きます。
杭の分け方は2つの軸で見る
作り方で分けると、工場で作る既製杭と、現場で掘って打設する場所打ちコンクリート杭です。既製杭の入れ方では、打ち込む打込み杭、押し込む圧入杭、掘りながら入れる埋込み杭があります。
技術士一次ではこの形で出た
令和7年度の建設部門Ⅲ-4が、この分野から不適切なものを選ぶ設問でした。正答は「浅い基礎の鉛直支持力は、底部での支持力に基礎周面と地盤との摩擦抵抗力を加えたものである」という記述です。
周面摩擦を加えるのは杭の場合で、浅い基礎では見込みません。他の選択肢には、杭の分類・沈下の種類・べた基礎の定義が並んでいて、どれも正しい記述でした。
理解度チェック
なぜ浅い基礎では周面摩擦を見込まないのか。
根入れが浅く側面の面積が小さいためです。掘削や埋戻しで地盤が乱れる影響もあり、期待できる値になりません。
即時沈下と圧密沈下では、どちらが長く続くか。
圧密沈下です。過剰間隙水圧が抜けるのに時間がかかるため、粘土地盤では何年も続きます。
べた基礎が軟弱地盤に向くのはなぜか。
荷重を単一のスラブで広い面積に分散でき、接地圧を下げられるためです。不同沈下も抑えやすいです。
まとめ
浅い基礎は底面だけ、杭は先端+周面です。沈下は即時と圧密で時間が違います。
この2つの区別を持っておけば、基礎の設問は記述を照らすだけで選べます。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-4
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月